her/世界でひとつの彼女2014年03月27日

日本公開は6月28日と、かなり先だが
これはもう素晴らしくて早くも書いてしまいます。

今年のアカデミー賞で並み居る強豪を押さえて
見事脚本賞を受賞した本作「her/世界でひとつの彼女」。

あの怪作「マルコヴィッチの穴」で
一躍サブカル界の寵児となったスパイク・ジョーンズが
単独で脚本を書き監督した、近未来ラブストーリーだ。


今からそんなに遠くない近未来のロサンゼルス、
主人公は他人の手紙を代筆するライターだ。
といってもコンピューターが
口述筆記してくれる程進化していて、
人々も今どきのスマホ以上にコンピューター依存状態。

主人公は妻との離婚問題を抱え落ち込んでいて
人との直接的な関係を煩わしく思う日々を過ごしている。

ある日、人工知能型のコンピューターOSを購入した主人公は、
その声の設定を女性にして使い始めるのだが・・・。
と物語は始まる。


主役を演じるのはホアキン・フェニックス。
コンピューターOS相手という事で、
独り芝居に近い役どころは
「グラディエイター」等のイメージとは全く別人で、
新たなキャラクターを得た彼の演技は見事の一言!
冴えない中年男の悲哀が終始滲み出ている。

この映画を見て僕が最も感心したのは
構成に無駄が全然ない!という点。
近未来ストーリーという事もあり、
スマートでスッキリとした映像と編集は
多くの同業者達も驚いたに違いないクオリティ・レベルで
ストーリーを引き立たせてくれる。

これを見てしまうとアカデミー脚本賞は当然だなあ、と。


書きだすと止まらなくなるので
この辺で止めときますが、
素晴らしい!です。

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Photo courtesy of Warner Bros. Pictures

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8月の家族たち2014年03月26日

まずは脇道に逸れるが、
向田邦子脚本、演出を和田勉他が担当した昭和のテレビドラマ「阿修羅のごとく」。
4人姉妹と両親、それぞれの家族間に起こる様々な出来事をヒリヒリする感覚で描いた連続ドラマで、まだ若かった僕は土曜の夜にNHKで放送されたこの作品に大きな感銘を受け、今でも日本のドラマの最高峰だと思っているほどの名作だ。

そんな僕が「阿修羅のごとく」を連想したのが
本作「8月の家族たち」だった。

メリル・ストリープとジュリア・ロバーツが親子役で共演し、二人とも本年度アカデミー賞にノミネートされた事でも話題となっているが、
他にも超豪華な俳優陣が揃いも揃い、強烈で妥協を許さない演技を披露してくれる2時間の群像劇。
シビアな内容も相まって上映中は唸りっぱなし、
文句の付けようが無い力作である。

劇は父親の失踪をきっかけに再会する家族達の本音の数々が織りなして進んで行くのだが、どれもが身近なテーマばかりで身につまされてしまう。
交わされる言葉も家族間だからこそ愛憎混じって遠慮はなくて、限度を超すばかり。果たしてこのファミリーはどうなってしまうのだろう・・・。
それは是非劇場で見て感じ取ってください。
凄いです。
8月の家族たち は4月18日公開です。

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Copyright © 2013 AUGUST OC FILMS, INC. All Rights Reserved.

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ネクスト・ゴール!2014年03月20日

昨日もフロンターレは負けた、
オーストラリアまで遠征して・・・。

さて、本題。
この素晴らしいドキュメンタリーの邦題は
「ネクスト・ゴール!世界最弱のサッカー代表チーム 0対31からの挑戦」と かなり長いが、原題は「Next Goal Wins」。
サッカーの、それもブラジル・ワールド・カップ予選という世界最高峰の大会へ挑む、世界最弱と揶揄されたサッカー・チームの実録である。

オリンピックやワールド・カップの出場枠を説明する時に
よく「国」と「地域」と言うが、
本作の舞台はその「地域」、アメリカ領サモア。
独立国サモアの南東に位置するアメリカ合衆国の自治領だ。

2001年、日韓ワールド・カップ予選でオーストラリアに
0対31という世界記録となる大差で惨敗、
FIFAランキング最下位になったアメリカ領サモア代表。

それでも諦めずに続けるチームの強化は
本国アメリカ・サッカー協会まで巻き込んでの本気もの。
とは言え、選手は全員アマチュア。
中には地元では第3の性として理解され
24時間女性として生きる「おねぇ選手」もいて個性派揃い。

地元は貧しく仕事も少なく、
それでもサッカーを続けたい若者は
最終手段として米軍に入隊し赴任地のチームでプレーする、
というエピソードには驚きを禁じ得ない。

そんな米領サモアにアメリカU-20代表を率いた経験を持つ
オランダ人監督がやって来て、
選手の意識を改革する等、チームは少しずつ強くなっていく。
そして・・・。

僕はサッカー・ファンだから当然のように強い関心をもったが、
いわゆる人間ドキュメンタリーとして面白く、
シリアス過ぎずに楽しめたのは
南国の人々の開放的な生活感のお陰だろう。

最近不安定な日本代表を心配する僕らも
これを見てサッカーの持つ本来の魅力を再確認出来る筈。

ネクスト・ゴール!世界最弱のサッカー代表チーム 0対31からの挑戦
5月17日(土)より全国順次公開です。

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©Next Goal Wins Limited.

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ぼくたちの家族2014年03月19日

これは誰にでも起り得る問題をストレートに描いた、
家族サバイバル物語。
「舟を編む」で知名度・評価上がりっぱなしの
石井裕也監督最新作である。


元気だと信じて疑わなかった母が余命1週間を宣告され、非常で非情な事態に直面する男ばかりの家族。
当然大混乱に陥ってしまうし、事態は予断を許さないのだが、そこから如何にして歩み出すのか・・・。
血縁者とは、配偶者とは、頼れる人とは、医療機関とは、医師とは、etc映画を通じて見る側が感情移入し易い物語だ。

家族を演じるのは
妻夫木聡、原田美枝子、池松荘亮、長塚京三の4人。
原田美枝子は日本のケイト・ブランシェットかケイト・ウィンスレットだと今回も思わせる芝居っぷり。
長塚京三はいつもの「出来る男」イメージとは真逆の頼れない初老の短気を見事に体現。
そしてあまりにも長男らしい妻夫木聡と、ズバリ次男坊な池松荘亮の二人が好演して、ストーリーを牽引して行く見応え充分な約2時間。
題材ゆえに躊躇っていたが、見に行って良かったと今思う。

ぼくたちの家族」は5月24日公開です。

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1/11 じゅういちぶんのいち2014年03月18日

今年の川崎フロンターレは
いったい如何してしまったんだろう?
毎試合終了間際に失点して敗戦続き。それでもファン(僕)は失望しながらホーム等々力競技場に通うのである。
何故ならサッカーが好きだから!!

その等々力競技場での撮影シーンが冒頭でいきなり登場して、前情報も知らずに驚き嬉しくなった本作。
サッカー部のない高校で、なんとか部員を集めようと奔走する主人公を始め、若い登場人物達それぞれの苦悩や挫折を繋いでいく80分。
泣ける青春漫画としてヒットした「1/11じゅういちぶんのいち」の映画化だ。

いわゆる小作品で有名キャストもいないし、
地味と言えばとっても地味ではある。
例えるならば昔NHKでやっていた「中学生日記」の高校版。
しかし、その純粋さに差し込まれて感動し、不覚にも泣きそうになってしまった秀作である。

ちなみにサッカー関係者数名がゲスト出演しているが、
某Jリーグ監督が一言だけ、それも残酷な台詞一言だけで出演していて、その台詞の文言の辛辣さにひっくり返りそうになった!(決して演技が下手だからではない!!台詞!)

身近な青春映画「1/11じゅういちぶんのいち」、
出演している若い俳優陣は流石にイケメン君達と美少女揃い。
主役の池岡亮介大津祐樹にソックリだった!

4月5日(土)公開です。

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© 2014 中村尚儁/集英社・「1/11 じゅういちぶんのいち」サポーターズ

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