ジャーニー/ドント・ストップ・ビリーヴィン2013年01月29日

先日放送されたNHKスペシャル
「"世界最強"伝説 ラスベガス 世紀の一戦」は凄く興味深かった。
小柄なフィリピン人世界王者マニー・パッキャオ。
ボクシングの本場アメリカで6階級制覇という
前人未踏の偉業を成し遂げた彼は
ギャラが1試合で約20億円!年収55億円!!という、
世界で最も稼ぐスポーツ選手の一人。
しかし今でも故郷フィリピンのミンダナオ島に住み
極貧層のためにファイトマネーを還元続ける
リアル・タイガーマスクとして国民的英雄だ。

そして本作!
これはジャーニーの現ヴォーカリスト、
フィリピン人アーネル・ピネダの英雄ドキュメントである。

クラシック・ロックと呼ばれる
70年代80年代の人気バンドがオリジナル・シンガーの代わりに
そっくりさん(勿論顔でなく声)を雇ってツアーする例は結構ある。

ジャーニーと言えば80年代には
スティーブ・ペリーという圧倒的な存在感を誇ったシンガーを擁し
世界的大ヒット連発!のメガ・ロック・バンドだった。
そしてスティーブ・ペリー脱退後に長―い低迷期に入るのだが、
数年前に彼にあまりに似ているシンガー、
アーネル・ピネダが加入した事によって
全盛期に匹敵するほどの成功を収めているのだ。

アーネル・ピネダはフィリピンに住む貧困層の中年で、
本人も認めているようにルックスは良くなく
(僕はキュートではないし背も低い、と本作中で語っている)
アメリカ王道音楽界とは様々な意味で距離のある男。
そんな彼が
伝説 つまり化石になりそうなバンドの正式メンバーになり、
全米をツアーし息を吹き返させ蘇らせて、
遂には母国フィリピンに大型野外コンサートで凱旋するまでの
真実が描かれている。

単純なサクセス・ストーリーではなく、
突然訪れたプロ集団への加入という環境で
大きな大きな大きなプレッシャーと戦う男の姿は
ジャーニー・ファン以外の人にこそ是非見てほしい
リアル・ドキュメントだ。

まずは3月11日に日本武道館で行われる
ジャーニー来日公演を見て、
3月16日公開となる本作
ジャーニー/ドント・ストップ・ビリーヴィン」に備えてください。

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リンカーン2013年01月24日

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極めて真面目な映画である。
例えるならば
アメリカ版大河ドラマのラスト3話を一気見!
といった趣きの2時間30分。

南北戦争の終結と奴隷解放宣言の採択は近代アメリカの原点であり、
その時代にフォーカスし、更にその中心に存在した
エイブラハム・リンカーンの実話を丁寧に作り上げた本作が
本年度のアカデミー賞で最多12部門ノミネートしたのは
アメリカでは至極当然の事だと思う。

さて、南北戦争はアメリカ人にとっては
日本人にとっての幕末・明治維新のように
良く知られた歴史時だろうが、
ひとつ知りたいのは
我々が坂本竜馬や西郷隆盛や勝海舟など幕末の偉人達を
よーく知っているように
アメリカ人も南北戦争時の人物達に馴染んでいるのか、という事。
正直僕はリンカーンが共和党出身の初大統領だった事も知らなかった程アメリカ史に疎く、映画を観る前に登場人物達の相関関係くらいは理解しておくべきだった。

ということで、本作はお薦めだが、
簡単に予習しておくと一層深く楽しめる群像劇である事を
付け足しておきます。

「リンカーン」は
4月19日(金)全国公開です!!

それにしても主演のダニエル・デイ・ルイスは
実在のリンカーンに良く似ている!(メイクをしている!!)

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世界にひとつのプレイブック2013年01月17日

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時節柄アカデミー賞候補作品の紹介が多くなるが、
本作「世界にひとつのプレイブック」は
作品・監督・脚色・主演男優・主演女優・助演男優・助演女優・編集 と
主要部門すべてにノミネート!という快挙を果たした作品。

ちなみに監督デヴィッド・O・ラッセルの前作「ザ・ファイター」も
2010年に7部門ノミネート2部門受賞と高い評価を受けていて、
正に凄腕クリエイター!!

人生のパートナーを相手の不倫や事故死で失って
精神的に病んでしまった主人公二人。
彼らの家族達も巻き込んだ葛藤や、
再起する為に選んだ道を実にアメリカ的に描いた本作。
見ての感想はアカデミー会員達の評価に間違いは無いという事だ。
素晴らしい映画である。

ちなみに原題は「SILVER LININGS PLAYBOOK」。
プレイブックとはアメリカン・フットボールのチームが使う作戦図。
本作でアメフトも重要な役割を担っているのは勿論である。

世界にひとつのプレイブック
アカデミー賞発表直前の2月22日(金)公開です。

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©2012 SLPTWC Films, LLC. All Rights Reserved.

本作も、J-WAVEで試写会行いますよ。

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しあわせカモン2013年01月16日

先週末行われた「しあわせカモン」のプレミアLIVE試写会
J-WAVEでも200名様をご招待したが、
当日僕も客席で見ている内に
自然と感涙で顔がグシャグシャになってしまった。

これは実話を基に作られた映画で、
2009年に岩手県で1週間のみ先行上映された後、
配給会社の資金不足が原因で一度はお蔵入りしていた作品だ。

そんな劇場未公開作品や、未DVD化作品などを発掘して一挙上映!
という「お蔵出し映画祭2011」でグランプリとなり、
晴れて全国順次公開に漕ぎ着けたという。

それだけでも充分ニュースなのだが、
それと切り離しても本作の内容はドラマティックで赤裸々。

主人公は重度の薬物依存に苛まれる女性。
ヤクザとの結婚が原因で波乱の人生を送る彼女の
唯一といっていい夢は一人息子と暮らすこと。
それすら入退院を繰り返す日々では叶う訳もなく、
肝心の純真だった息子も愚れて非行少年となってしまう。
そんな不器用な母息子に幸せな時間はやってくるんだろうか・・・。

この非行少年から更生して
音楽活動を地元岩手で続けるシンガーソングライター
松本哲也が実在のモデルであり、
彼は本作の公開と同時に再メジャーデビューを果たす。
自身の人生の上に東日本大震災を経験して
『自分の為ではなく、人のために歌う』を実践する松本哲也。
こう書いている事も作り話か?と疑ってしまう程の波風高い人生を
本当に過ごした男の「今の顔」は実に穏やかで優しい。

良質な日本映画です。
機会があったら是非見てやってください。
「しあわせカモン」1月26日公開です。

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ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日2013年01月15日

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さすがは今年のアカデミー賞で
作品賞、監督賞をはじめ11部門にノミネートされた話題作である。
充実した映像美のみならず、
実に深い意味が潜んでいる2時間7分。
過去に「ブロークバック・マウンテン」で監督賞を受賞した
アン・リー監督、やっぱり凄い・・・。

カナダ在住作家の小説「パイの物語」が基になっているが、
僕は未読なので、
原作と本作がどこまでシンクロしているのかは判らない。
まあサブタイトルが大筋を表しているので詳しくは述べないが、
リチャード・パーカーと名付けられたトラが
CGで創り上げられたとは信じ難いほど巧妙で自然であり
主人公の少年パイとの緊迫感に満ちた227日間は
ある意味ファンタジーで美しい。
その美しさが一筋縄ではいかないのだが・・・。

今週にはアン・リー監督の来日会見もあるし、
なによりも
アカデミー11部門ノミネートという勲章は一番の宣伝効果だろう。
それを信じて見に行って間違い無いです。

ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日」は
1月25日(金)全国公開。

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(c)2012 Twentieth Century Fox

staff| 13:30 | カテゴリー:

ゼロ・ダーク・サーティ2013年01月10日

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個人的に100点満点の映画である。
ただし、爽快感や感涙、娯楽といった類とは全く無縁であり、
虚無感に支配されてはいるが。
それでも必ず見たほうがいい、と強く薦めたい。

2001年9月11日以降、アメリカ政府による
ビンラディンの捕縛・殺害指令は困難を極めつつ、
誰によって、そして いかにして進められ敢行したのか?
2011年5月1日にX DAYを迎えたその真実を
2時間38分で赤裸々に再現・著した本作は、
猛烈な緊張感と共に、あっという間に終わる。

国家機密を吐露するような内容に、
アメリカでは公開にあたり、
政治的・政権的な大きい渦が起こったようだが、
善悪等の判断はまず見てからすべきだろうと、痛感する。

ちなみに、タイトル「ゼロ・ダーク・サーティ」は
軍事用語で午前0時からの30分間を指すそうだ。

公開は2月15日(金)です。

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Jonathan Olley(c)2012 CTMG. All rights reserved

J-WAVEでは近々に本作の試写会を予定しています。

staff| 16:36 | カテゴリー:

アウトロー2013年01月08日

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明日の本作プレミアの為プロモーション来日をするトム・クルーズ。
それもあってか、新年早々の試写室は超満員だったのだが、
期待通りの『古典』的クライム・アクション、面白い。

役柄も元米軍捜査官で、今は過去を捨てた流れ者・・・。
いまどき流れ者?等と思ってはいけない。
何故ならトム・クルーズ主演作だから。

作品冒頭で炸裂する凄惨な無差別殺人。
その容疑者の元軍人から名指しされて
独自に真実に迫っていく様が、
トム・クルーズ流のハードボイルド・タッチで描かれていく2時間10分。

例えばクリント・イーストウッドやアーノルド・シュワルツネガーや
シルベスター・スタローンやブルース・ウィルスetc達が演じてきた
絶対的に強い善玉ヒーロー同様に
本作のトム・クルーズは強い強い!!
肉体的にも精神的にも強い男なのだ。

共演は
「プライドと偏見」での長女役が忘れられないロザムンド・パイク。
ノーブルなイメージな彼女の胸元ギリギリ姿に
果たして流れ者の主人公は動じるだろうか・・・?
これも含めて見てのお楽しみ。
アウトロー」は2月1日(金)公開です。

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