ソウル・パワー2010年03月30日

いきなりだが、
キンシャサの奇跡 といえば同名の競走馬ではなく、
世界スポーツ史に燦然と輝くボクシングの名勝負。

1974年10月30日、
アフリカ・ザイール(現・コンゴ共和国)の首都キンシャサで、
ジョージ・フォアマン対モハメド・アリという
アメリカを代表する黒人のトップ・アスリート2名による
ヘビー級タイトルマッチが行われた。

結果は大方の予想を裏切ってアリがKO勝ち、
世界チャンピオンに返り咲いたのだが、
この模様は日本でも当時TV中継され
僕も熱中して見ていた記憶がある。

この試合の超有名プロモーター、あのドン・キング達は、
試合と併せてアメリカと現地双方の黒人ミュージシャンを集めた
一大音楽フェスをキンシャサで開催しようと奔走。

結局ジョージ・フォアマンの怪我のせいで試合自体は一カ月余り延期され
10月30日開催となったが、
音楽フェスは予定どおり9月21日から3日間に渡って行われ、
それはもう大盛り上がりだったのだ。

その模様を収めた記録映像を元に作られた
フェス・ドキュメンタリーがこの「ソウル・パワー」である。

出演したアーティストは
ジェームス・ブラウン、BBキング、スピナーズ、ビル・ウィザース、
クルセイダーズ、とジャンルを超越した
アメリカのブラック・ミュージックのスター達、
さらにサルサ界からファニア・オールスターズや、
多くのアフリカのミュージシャンたちなど全31組。

ウッドストック・フェスを始めとしたフェス・ムービーには
開催に漕ぎ着けるまでの
混沌とした舞台裏が付きもので、そこが面白いのだが、
本作もまさにそこが見どころ。
さらに現役バリバリで吠えまくるモハメド・アリや
口髭を蓄えたジェームス・ブラウンは滑稽さもありつつ
やっぱり半端なくスターオーラを放って貫禄だ!

個人的にはラリー・カールトン在籍時の
クルセイダーズが見れてかなり嬉しかったが、クレジットを見たら
クルセイダーズのプロデューサー、スチュワート・レヴィンが
本フェスを仕切っていたことが判って
音楽マニア心もくすぐってくれた。

「ソウル・パワー」は6月12日から公開
J-WAVERにはお薦めです。

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パリより愛をこめて2010年03月29日

最近3本立て続けにバイオレンス・アクション作品を見たのだが、
試写前の僕の予想とは裏腹に
最も面白かったのが この「パリより愛をこめて」だ。

主演はスキンヘッドのジョン・トラボルタ、
そしてイケメン俳優のジョナサン・リース・マイヤーズの二人。
よくあるコンビ、猪突猛進型と頭脳派の二人が
ギクシャクしながら大都市パリで巨悪に挑む解り易い95分だ。

パリのアメリカ大使館員を装いつつのCIA見習い捜査官が
例えば水嶋ヒロ的な役どころのジョナサン・リース・マイヤーズ。
そこに大先輩で相棒として派遣されてきた
例えば武藤敬司みたいな肉体派のジョン・トラボルタが
ステレオタイプを超越した破壊っぷりを披露しつつ
後輩に捜査のイロハを実地していく、というストーリー。

ジョナサン・リース・マイヤーズは
ウディ・アレン監督の「マッチポイント」、
女子サッカー映画「ベッカムに恋して」、
さらには先週末にTV放送されていたトム・クルーズの「MI3」等
端正なルックスが充分に発揮された好作品群で知る人も多いだろう。
今回も、どちらかというと彼が主演で
トラボルタは共演といっていい出方である。

しかしながら、トラボルタのぶっ飛び具合は凄い。
全てをぶっ潰すくらいの勢いでアクションし続けるのだが、
過去の「フェイスオフ」「ブロークン・アロー」以上な体当たりには
ちょっとビックリ・・・。

アクション物に付きものの、くさい小芝居も適度に混ぜ
時事背景も意識しつつ娯楽フィクションに徹して作られた本作。
人もいっぱい殺されるし、怪我するし、建物もぶっ壊れるし、
カー・アクションも満タンで、
やっぱり原案はリュック・ベッソンだった。

5月15日(土)公開です

© 2009 EUROPACORP - M6 FILMS – GRIVE PRODUCTIONS – APIPOULAÏ PROD

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クレイジー・ハート2010年03月26日

今年69歳になるボブ・ディランのZEPP TOKYO公演を昨夜見て
一流は年齢に関係なく一流なのだ、ということを体感した。
同じ事をジャクソン・ブラウンとシェリル・クロウのジョイント公演でも思い、
アメリカ音楽の奥深さに改めて感服している昨今。

古き良き時代というか70年代以前、
正確には1976年吹き荒れたパンク・ムーブメントの影響のない時代の
白人達のアメリカ音楽はほぼ100%カントリー・ミュージックの影響を受けていた、
といっても過言ではないだろう。
最近でもテイラー・スウィフトのような国民的スターも誕生するくらい、
アメリカ人にとってカントリー・ミュージックの存在は大きいのだが、
そんな純正アメリカ音楽がベースになった作品「クレイジー・ハート」を見た。

本作は落ちぶれた元人気カントリー・シンガー再生の物語。
主役のジェフ・ブリッジスが
本年度のアカデミー主演男優賞を受賞したことでも話題の作品だ。

本名など忘れたとウソぶく『バッド・ブレイク』という芸名の主人公は
過去に連発したヒット曲のおかげで
なんとか食いつないでいるアル中の57歳。
才能はあったはずなのに、
アーティストとしての創作意欲を何処かに置き忘れてしまい
今は田舎をオンボロ車で酔っ払い運転しながらドサ回り。
寝床はお決まりの安モーテルだし、
時にはボーリング場の粗末な一画が演奏場で、
せいぜい数十人の酔客相手になんとか仕事をこなす有様だ。

そんな惨めな初老に足を突っ込んだ主人公は
ローカル新聞の音楽欄の為に取材を申し入れてきた女性記者と知り合った事で
生き方がゆっくりと変わり始める・・・。
という導入部。

ストーリーの行方は見てのお楽しみ、ということなのだが、
物語も、演じている役者さん達も、大フィーチャーされる演奏シーンも素晴らしく、
口うるさい大人の鑑賞に充分耐えうる人生映画になっている。

例えば昨年ミッキー・ローク復活で話題になった「レスラー」や、
スター・カントリー・シンガー、ジョニー・キャッシュのリアル・ストーリー
「ウォーク・ザ・ライン」、
さらには実在する売れないヘビメタ・バンド・ドキュメンタリー「アンヴィル」
等に興味をもった貴方は見て損しない秀作「クレイジー・ハート」。
まだ先、6月公開です!
自分はおっさんだ、と自覚している人もそうでない人も要チェックしてください。



© 2009 Twentieth Century Fox

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雨の夜もフロンターレ!2010年03月23日


週末には絶好調なマリノスにボコボコにやられたが、
愛するチームの為ならば と、
雨の平日夜にもかかわらず1万人集まった今夜の等々力競技場だ!

そして、勝った!
週末にやられたスコアと同じ4対0で
ACLのメルボルン戦激勝したぞう!!

ちなみに僕は後半開始に間に合ったが
そんなひとのために遅割という半額チケットも!

さあ、次は土曜日、清水エスパルス戦。
負けられない戦いが等々力にもある!!


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シーサイドモーテル2010年03月17日

久々に軽ーい気持ちで見終われて
試写室でクスクスと声を出して笑ってしまった。
褒め言葉として、しょうもなく いい加減で
チープで だけど面白い映画が本作「シーサイドモーテル」だ。

名前とは裏腹に人里離れた山奥のさびれた、
言ってしまえば三流ラブホ「シーサイドモーテル」の
4つの部屋での一日の人間模様を描いていて、
出演陣は生田斗真、麻生久美子、山田孝之、玉山鉄二、
成海璃子、温水洋一、古田新太、etc
今時で達者な俳優揃いだ。

場所が場所なだけに、登場人物達は
みーんな相手を騙そうとしていて、
結局誰が騙されているのか解らない という事。
そして全員 事情も立場も訳ありで、
見ていて共有できそうで共有したくない、
だけど何処かに心当たりがきっとある・・・。
そんなシチュエーション・ムービーだから
期待し過ぎず、ブラックな中笑い って感じで
下心をもってチェックインする「シーサイドモーテル」
っていったところでしょうか。

しかし麻生久美子に超お下劣な台詞を言わす監督、
よくやったぞ!!
「純喫茶磯辺」や「インスタント沼」に続き、
その芸風がどんどん広がっていく彼女、とっても好きです。

6月5日(土)公開。

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グリーン・ゾーン2010年03月15日

戦場が舞台ゆえに話としては実に虚しく、
しかし事実を伝えたいという作者の気持ちは痛いほど解る映画である。

イラク戦争を巡っては今もイギリス議会で
その参戦への正当性について激しく厳しい議論が続いているが、
イギリスに同盟国として協調を求めたアメリカ自体についての
『公然の事実』ながら『公にしたくない事実』が本作の主軸である。

一般的にアメリカがイラクに攻め込んだ最大の理由は
イラクが世界を脅かす大量破壊兵器を隠し持っていたから、
ということになっている。
しかし、ご存じのように、アメリカがイラク国内を蹂躙制圧した後に
どれだけ探してもそんな兵器は出てこなかった。
何故か? 隠されたのか?隠密裏に処分されたのか?
それとも 元から存在しなかったのか・・・。

思えばアメリカの戦争映画といえば
70年代の「ディアハンター」や「地獄の黙示録」のように
戦争がもたらす狂気を描く事での反戦秀作品も多数なのだが、
印象としては かなり好戦的で保守寄りで
クライマックスには星条旗が大写しになるタイプが多かった気がする。

それがイラク戦争を始めてしまった事に対する
懺悔にも似た映画が早くも公開された事には驚くし、
自浄作用の強いオバマ民主政権下の今のアメリカだからこそなんだろう。


主演は正義感あふれる軍人役がぴったりなマット・デイモン。
れっきとしたアメリカ映画なのだが、
監督はイギリス人ポール・グリーングラス、
マットの当たり作「ボーン・アルティメイタム」の監督。そして
制作はイギリスの人気スタジオ、ワーキング・タイトルである。

余談だが
アメリカの優れた音楽歴史物ドキュメントって
実は大半がイギリスで作られていて
何事も自国のことより客観的に見れるってことなんだろう、
と思います。

グリーン・ゾーン
5月14日(金)よりロードショー公開

© 2009 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.

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ソラニン2010年03月10日

僕はバンドが好きだ。
レミオロメン、トライセラトップス、ミッシェルガンエレファント、くるりetc
サザンもミスチルもスピッツもバンドだし、
変則だけどSuperflyも見事にバンドだ。
最近だとNICO Touches the Walls、ユニゾンスクエアガーデン、
Lego big morl とかがお気に入り。

そんな成功したバンドを目指して山ほど多くの連中が、
メジャー・デビューを夢見て楽器と格闘している姿も大好きで、
自分じゃ弾けないのにギタリストに憧れ続けている訳だが、
この作品「ソラニン」は、そんな連中のビターな青春映画で
実に面白い!

主演は外しの無い宮崎あおい。
共演はサンフレッチェ広島の槙野に似ている高良健吾
浦和レッズの鈴木啓太がちょっとマッチョになった感じの桐谷健太
(Jリーグ好きな人には解る例えなんですが・・・)
そしてサンボマスターのベーシスト・近藤洋一。

彼らが日々の暮らしの中で悩みながら、
細々と続けるバンド活動にどんな決着をつけるのか・・・
元々が人気コミックなので、物語は知っている人も多いだろうし、
これ以上は書かないけれど、
試写室で涙を拭っている人 結構いたし、
あっという間にエンディングの2時間6分だった。

音楽業界な僕には、レコード会社とかライブハウスとか
よく知っている場所がロケで使われていて、
それは不思議な気分も味わえた。
そして劇中で重要な存在となる曲「ソラニン」。
アジカンらしくって、これがまた見事なバンド・サウンドでかなり好きです。

さてこれも「ハチクロ」とかみたいに
TVドラマ版とかも出来るんだろうか・・・。


(C)2010浅野いにお・小学館/「ソラニン」製作委員会/写真:太田好治

4月3日公開

staff| 10:05 | カテゴリー:

あえて題名は・・・2010年03月08日

アカデミー賞は前評判どおりに
「ハート・ロッカー」が席巻し、
「プレシャス」も主要2部門の受賞。
個人的には無冠でも「マイレージ・マイライフ」はお薦めしたい・・・。

という風に秀作ばかりを取り上げている裏で
駄作と呼ばれる、もしくは僕が駄作と思うのも結構見ているんだな。

最近も超有名俳優陣、
それも賞レースの常連のような役者さん達が揃って出演!
ということで試写に行って、
相当ガックリしながら帰路についた作品が2つほどあった。

そんなとき映画はやっぱり台本と監督だな、と強く思うのだ。

優秀な役者さん達だからこそ、演出側の指示を体現出来るわけで
その演出や台本がなってないから駄作になる。
ゆえに役者に罪は無いんだろうし、
それが解っている人が多いから
駄作のレッテルは役者じゃなくって監督に張られるのである。

しかし、時間を返せ!と言いたくなるときに
「自分で選んで見たんだから、これも勉強」といえる大人になりたい・・・。

staff| 10:35 | カテゴリー:

プレシャス2010年03月04日


(c) PUSH PICTURES, LLC

人はなぜ辛い思いをしてまで映画を見るのだろうか…
理由は複雑で語りきれないが、
現実から目を背けてはいけないから、
という良心からなのだろう。

本作「プレシャス」は87年のニューヨークを舞台に
両親から想像を絶する虐待を受け続けながら
絶望のどん底で生き続ける16歳の少女を主人公にした
厳しくショッキングな現実を描いた作品。

アカデミー賞で6部門ノミネートということもあり
最近メディアに取り上げられる頻度の高い映画なので
ご存知の方も多いだろう。

内容を思い出すだけでも辛く、無力な自分達に
打ちのめされそうになるのだが、
映画としての完成度は素晴らしく高い。
そして非情な人生の中でも光を探そうとする主人公と
彼女を本気で励まし自立させようと奮闘する周囲の人々の努力には
無条件で拍手を贈りたくなるのだ。

最近日本でも児童虐待の悲惨なニュースは増え、
事実その件数は過去最悪を更新し続けている。
ゆえに「プレシャス」を海の向こうの他人事とは誰も思わないだろうし、
だからこそ、直視しなければならない社会問題である。

ちなみに本作ですっぴんで重要な役を演じるマライア・キャリーに
僕は初めて共感を覚えた。
いつもと逆側からのフェイスアップも多用されているしね・・・。

(c) PUSH PICTURES, LLC
4月24日公開です。

staff| 01:44 | カテゴリー:

オサ!30歳目前2010年03月02日

ニュー・アルバム「花鳥風月」
ついに発売!

ドラムの神宮司治くんは
今週金曜日3月5日で30歳。
これで同級生幼馴染のメンバー3人とも
30歳のレミオロメンだ。


聴きどころ満載のニュー・アルバムと併せて
別冊カドカワのレミオロメン総力号、
これも読みどころ満載で、お薦めです。

ということでJ-WAVEでオサを激写しておきました。
アルバム、ぜひご一聴を!

staff| 08:03 | カテゴリー:

シャッター・アイランド2010年03月01日

レオナルド・ディカプリオが
マーティン・スコセッシ監督と組んで発表された新作
「シャッター・アイランド」。
「ギャング・オブ・ニューヨーク」「アビエイター」「ディパーテッド」と
確実に大きな話題を呼ぶコンビなだけに
今回も業界内外からの期待は大きい。

そして試写に臨み
やっぱりというか謎だらけで1回見ただけでは
細部まで到底理解は出来なかったが、
マーティン・スコセッシ作品好きであれば
「ケープ・フィアー」に近い感覚が蘇る恐怖系ミステリーである。
謎解き物だから詳細は書きませんが。

ここ数年のディカプリオの出演作は
一筋縄ではいかない類の役どころばかりで
演技派としての階段を確実に登ろうとする姿勢が伺われる。
「ブラッド・ダイアモンド」も「ワールド・オブ・ライズ」も
「レボリューショナリー・ロード」も
見終えた後に複雑な想いに駆られる映画だったが、
本作での彼の役もかなり歪んでいて
物語自体も罠だらけだ。

なんでも超意訳日本語吹き替え版も
同時公開されるそうなので、
そのほうが映像に集中できそうで、
見てみようかと思う。
いまさら英語力UPは難しいよなあ・・・。

4月9日(金)公開です。
気がつけば新作の公開日って土曜じゃあないんだよな。


staff| 05:19 | カテゴリー:

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