「マイ・ブルーベリー・ナイツ」2008年01月29日

いきなりだけど、
嫌われ松子の一生」の中の
「人の価値は他人に何をしてもらったか、ではなくて、
他人に何が出来たかで決まる」
という柴咲コウの台詞がとっても印象に残っているんだけれど、
「マイ・ブルーベリー・ナイツ」の中にも心に刻まれた台詞があったんだ。
そして見終わった後「いい映画だったなあ」と素直に思える作品だった。

「他人は鏡のようなもの。自分を映し出してくれる。」
この台詞に代表されるようなテーマをもつ本作、
ノラ・ジョーンズが初主演していることでも話題だ。

失恋した事実から立ち直れない主人公エリザベス(ノラ・ジョーンズ)。
近所のカフェ・オーナー(ジュード・ロウ)と彼の作るブルーベリー・パイに
慰められるばかりの自分から立ち直るために、
失意のニューヨークを後にして西へ西へと旅に出る。
その先々でウェイトレスをしながら様々な人生観と出会い、
彼らと不器用にコミュニケートしながら、
本当に一緒に居たい人と本来の自分を探す、
という典型的ロード・ムービーなのだ。

そしてノラ・ジョーンズはメンフィス、ラスベガスと
乾いた空気感を在りのままに漂わす土地を舞台に
レイチェル・ワイズ、ナタリー・ポートマンといった
主役級の大女優を相手に堂々たる演技を見せてくれる。
同時に彼女やライ・クーダーが担当するサントラも素晴らしく、
ロード・ムービーとして一層の雰囲気を作り出してくれるんだなあ。

さらに!男目線でもジュード・ロウはやっぱりカッコいい・・・。

こんなアメリカンな映画を撮りきってしまう中国人監督、
ウォン・カーウァイは真の国際人で、今更ながら脱帽です。
3月公開ということで。

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邦題「フィクサー」2008年01月25日

ノミネート発表でアカデミー・ウィークのような今週の映画界、
昨木曜夜には主要7部門にノミネートされた話題作
フィクサー」(原題MICHAEL CLAYTON)の完成披露試写が行われた。

フィクサーとは“もみ消し屋”。
弁護士なのに法廷ではなく、裏社会で後始末を専門に担当する役割だ。

ジョージ・クルーニー演じる
NY大手の法律事務所のフィクサー、マイケル・クレイトン。
サイドビジネスのレストラン経営は破綻し多額の借金を抱え、
離婚後の生きがいといえば別居する一人息子だけ。
といった冴えない部類のくたびれた男なのだ。

そんな中、農薬被害で集団訴訟されている大企業の
弁護を長年担当する同僚弁護士が、
企業の倫理観の欠如に対しての正義感から
精神的に追い込まれ奇行に走る。
これがキッカケで、
マイケル・クレイトンはボスから“もみ消し屋”としての特命を受けるが、
彼までもが命を狙われるほどの陰謀に深く飲み込まれていくのだ・・・。

という社会派サスペンスなんてジャンルがあるのか知らないが、
そういう映画である。
ちなみにジュラシック・パークやERの生みの親マイケル・クライトンと
本作の原題マイケル・クレイトンを混同していたのだが、
アルファベットだとスペルも違うし全然関係ない・・・。

ERの頃からのジョージ・クルーニー・ファンの僕は
彼のシリアス系最新作ということで期待は大きかった。
確かにアカデミーの選考委員の人たちの好みそうな作品ではあるが、
僕なりの結論を言うと、
本作から大量ノミネートする彼らの選ぶ目に間違いはないということ。

気安い作品では決してないし、今作も結局病んだアメリカなんだけど、
僕は途中で時計を気にすることも全くなく、
グイグイとストーリーの中へ引き込まれてしまった。
そしてジョー・ジクルーニーをはじめ、俳優陣は素晴らしい!
ちなみに監督さんは「ボーン・アイデンティティー」シリーズの
脚本担当だったトニー・ギルロイでなんと監督デビュー作。
それでアカデミー監督賞・脚本賞にノミネートとはすごい。

こういった作品がヒットしてくれると個人的にも嬉しいんだけどねえ。
4月12日日本公開だそうです。

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邦題「告発のとき」2008年01月23日

昨夜アカデミー賞のノミネート発表があったけど、
僕がこのブログで大大大絶賛した
「つぐない」と「ノー・カントリー」がともに作品賞にノミネートされ
ちょっと嬉しい感じ・・・。
つぐない」は今思い出しても感涙に咽びそうになる。
ホント素晴らしい映画だ・・・。

そんな日の午後に、トミー・リー・ジョーンズが
主演男優賞にノミネートされた作品
「In the Valley of Elah」邦題「告発のとき」を見た。
「ノー・カントリー」でも彼は一応主役だが、
見比べると確かにこちらのほうが
トミー・リー・ジョーンズ主演色の濃い映画だった。

本作は
「ミリオンダラー・ベイビー」「硫黄島からの手紙」
「父親達の星条旗」「007/カジノロワイヤル」等の脚本を執筆、
「クラッシュ」では脚本のみならず監督まで務めて、
「ミリオン〜」(04)「クラッシュ」(05)でアカデミー作品賞を2年連続で獲得という
ポール・ハギスが、またも監督・脚本を手掛けた最新作。
ということで、簡単な作品では、ない。

トミー・リー・ジョーンズ演じる老いた元軍人警官は、
軍人の息子がイラクから帰還したはずなのに無断で姿を消したため、
妻(スーザン・サランドン)を家に残して
基地のある小さい町に出掛けていく。
そこで典型的アメリカ保守思考の強力な男性たちの中でもがき苦しむ
女性刑事(シャーリーズ・セロン)を叱咤しながら捜索を始めるのだが・・・。
縦割り管轄された軍と警察の狭間に落ち込むように、
そこには幾重にも覆いかぶされた秘密が隠されていた。
果たして彼らは真実を見つけられるのだろうか。
そして真実を知ることで安らぎは訪れるのだろうか。
といったシリアスな作品である。

ここでの大きなテーマは病める大国アメリカ。
イラク戦争を始めてしまったアメリカは
ベトナム戦争時同様に自らも傷つけ、
自浄能力すら失ってしまった様に映ることも多いが、
ポール・ハギスは更に傷口の奥深くまで抉り出すように
病んだ現実を叩きつけて来る。
誰のために、何のために、何を相手に戦うのか。
その行為が兵士やその家族にどれだけの残酷な行く先を用意してしまうのか。
本作はストーリー展開の裏側にある作り手側の強い憤りを訴えてくる。

その主役を見事に演じきったトミー・リー・ジョーンズは
「メン・イン・ブラック」や缶コーヒーのCMでの彼と同一人物であって、少しだけ違う。
そう、大幅には違わないということは、
彼を起用する人たちってホントに彼のファンが多いってことなんだと、
シリアスな今作を見たあとで少し思った。

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「雨の翼」2008年01月22日

昨夜、新しい試みの「雨の翼」試写会にいってきた。
J-WAVEリスナーの方も100名ほどご招待したのだが、
映画上映に併せてサントラ音楽全てを
担当アーティスト本人がピアノと歌で生演奏するという『生映画』企画。

ミュージカルなら客席前方にオーケストラ・ピットがあるのは一般的だが、
映画館のスクリーン横にグランド・ピアノが常設されている所があるなんて!
これがユナイテッド・シネマ豊洲にはあったんだ。

この作品は
高校生が主人公のホロッとする恋物語。
30分強のショート・ムービーで
音楽もすべて完全パッケージになっている通常版と
企画上映のために音楽だけ抜かれている『生映画』版がある。
そのサントラを手掛けているのが
新人男性シンガー・ソングライターのKUMAMI。
KUMAMIはスクリーン左のピアノ越に観客と一緒に映画を見ながら、
場面展開に併せてサントラ演奏していくのだ。

会場内の観客も初の試みに若干の緊張感はあったものの、
主役の映画自身が結構良くできているから、僕は楽しめてほっとした。

さすがに一般上映の多くは完パケ版だけど、
2月10日11日には計4回、生映画やるそうだから、
気になる人は是非どうぞ。

KUMAMI君は実は「うた魂!」にも出演しているんだけど
彼の曲とっても良いよ。

STAFF| 10:32 | カテゴリー:

また「ハチクロ」映画版を見る2008年01月20日

「イケメンパラダイス」で生田斗真のファンになって、
当然のように「ハチミツとクローバー」を見始めたんだけど、
TV版と映画版は色々な意味で別物だなあと思い、
旧作半額レンタル中のあのショップでDVDを195円で借りてきて、また見た。
そしたら初めて見た時とおんなじ位感動してハマってしまった。
今のところ、かなりコミカルなTV版に対して、
映画版は甘酸っぱくて泣けてくる一級の青春モノだ。

ご存知のように大人気のコミックが原作で
TVアニメーションも大ヒットした後の映画化、そして今回のTVドラマ化と、
フルフォーマットで作られているから、物語の解釈も様々。
主役の5人も作品によってイメージが違うのはある意味当然かも。

例えば8年生の森田は伊勢谷友介と成宮寛貴では正反対な印象だし、
でも、はぐちゃんは蒼井優も成海璃子もかなり近いイメージだし、
それをトータルで「ハチクロ」に仕上げていくのは演出家の腕の見せ所だなあ。
僕は櫻井翔の竹本も生田斗真の竹本も好きだから
TV版も今後も楽しみにしてます。
ところで劇中で出てくる浜田山商店街に
川崎フロンターレの応援フラッグがいっぱい掲げられているのが
映っていたのを僕はしっかりと確認した!うれしい!!

それにしても彼らのような才能を生み出し続ける
ジャニーズはホント凄いと思う。
そう考えながら「ゴールデンラッシュ嵐」をまた見てしまった・・・。

STAFF| 13:02 | カテゴリー:

ライブ三昧2008年01月18日

1.12(土) The Birthday 日本武道館
チバユウスケかっこ良過ぎ!!
しかし、その孤高のかっこよさを感じるにつけ、
あそこまでストイックにロックし続けるのは大変だろうなあ、と。
僕は見る度にチバユウスケと浅井健一の二人は別格だと本気で思う。

1.13(日)14(月・祝) BON JOVI 東京ドーム
初日満員、二日目の入りは厳しかったけど
ファン全員が熱いし、ヒット曲の連発は心地よい。
洋楽なのに会場のノリは桑田かGLAYかと思うほどの
大合唱に手拍子の嵐!!
キャリアのあるアーティストは絶対に裏切らないという手本だった。

1.16(水)17(木) レミオロメン 東京国際フォーラムA
自分がここまで愛するバンドは他にない!
と言えるほど彼らのファンなんだけど、
今回のツアーも掛け値なしで素晴らしい。
8ビートでは超盛り上がりニコニコだし、
バラードでは歌詞の誠実さと真摯な演奏に涙ぐんでしまう。
いつも3人でしゃべるMCのいい加減さも、
今回はとっても意味のあること伝えようとしているし、
多くの人、それもあまり彼らに関心のない人に一度見てほしいなあ。

といった具合でライブばかりで新作映画今週は見れませんでした・・・
現在「ノー・カントリー」試写会実施に向けて準備中です。
乞うご期待!!

STAFF| 09:44 | カテゴリー:

期待通りの「L」2008年01月09日


ついに今夜1/9の神奈川県民ホールから
レミオロメンの全国ツアーが始まった。
今回は初めてサポート・ギタリストも加えてのライブだが、
新曲が3曲とも良いからホント、聴いていて良いなあと。
SUPER LINE Jのドラゴンがデザインしたグッズも
バラエティに富んでいて要チェキ!
今後のチケット持ってる人はお楽しみに。
そして5月の渋谷公演は発売これからです。

そんな日の昼間に、
「デスノート」シリーズから生まれたスピンオフ作品、
L change the world」を見た。
超話題作の試写室での初回だったから、当然のように早い時点で満席。
期待度がかなり高いのが関係者の試写に臨む雰囲気からも伝わった。
とはいえ、知ってのとおり、これは荒唐無稽な娯楽作。
クライム・パニック・アクションな本作は
決して緊迫して超真剣に見る映画では、ない。

僕も普通に「デスノート」前後編をDVDで見て充分楽しんで、
その中でキャラクターが際立っていたLに普通に関心を持って、
松山ケンイチを知ったわけで。
そんなLに乗り移られたような松山ケンイチに尽きる作品だ。
甘いものを食し続けるL。
キーパーソンとなる子供が苦手なL。
なぜか自転車をETばりに乗りまわすL。
ちょっと背筋を伸ばしてみようとするけど猫背なL。
意外と運動神経が良くてアクションにも耐えられる走るL。
これでPCのキーを正確に打てるのかよ、と突っ込みたくなるL。
L・L・L・L・L・L・L・・・・。
流石スピンオフといった感じで、
劇中大活躍の福田麻由子ちゃんと併せて、
Lファンの期待どおりだから、公開をお楽しみに。
やっぱ松山ケンイチはNANAじゃあなくてLだね。

STAFF| 14:49 | カテゴリー:

「つぐない」大絶賛!!2008年01月04日

暮れに横浜アリーナに見に行った桑田佳佑が、
それまでの総てが吹っ飛ぶくらい、あまりに素晴しく、
年が明けてもi-podでヘビーローテーション中。

そんな暮れギリギリに見て、
席を立てなくなるほど深く感銘を受け
去年見た映画を総て忘れさせたのが「つぐない」である。
上映終了後に関係者にクシャクシャな泣き顔を見られるのを恐れて、
僕は必死で涙を堪えたんだけど、
同じ狭い試写室で見ていた著名評論家さん達も
明かりがついたら皆目を真っ赤に腫らして言葉に詰まっていた。
それ程の感動作なのだ、「つぐない」は。

プライドと偏見」。
これは個人的なBEST3に確実に入る純愛映画なんだけど、
「つぐない」も主演キーラ・ナイトレイ、監督ジョー・ライト、
そして製作がワーキングタイトルと、
「プライドと偏見」と同じ組み合わせ。
勿論、作品の時代背景や登場人物の設定等は全然違うんだけど、
純愛モノを描かせたら彼ら以上のチームはいないと思う。
それくらい切なくて心の奥深くまで感情を揺さぶられてしまった。

舞台は1935年、第二次大戦前のイングランド。
政府官僚の長女と、その使用人の息子。
身分の違いを越えて恋に落ちた二人を
ある哀しい嘘が引き裂いてしまう・・・。
ああ、これ以上書くと、思い出すだけで泣いてしまいそうだ。

「つぐない」は純愛を貫こうとしても、
なかなか相手に本心すら届けられない悲恋を、
英国の美しい自然と、戦争が生み出す狂気に織り重ねながら
静かに静かに、そして丁寧に描いていく。
主演のキーラ・ナイトレイは「シルク」に続いて素晴しいし、
共演者達も実に見事の一言!
特に相手役のジェームズ・マカヴォイ、彼は抜群に良い。

僕はこの作品から間違いなく
アカデミー数部門にノミネートされると確信した。
それくらい久々に大絶賛したい「つぐない」。
業界の方、是非早めに見てくださいね。

STAFF| 15:28 | カテゴリー:

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