予想外に面白い「ロッキー・ザ・ファイナル」2007年01月26日

本国アメリカでもラジー賞に全くノミネートされなかった事が話題になるくらい、大方の予想を裏切って批評家達に好評な「ロッキー・ザ・ファイナル」。

僕も完成披露試写で見たあと、
「これはチャンと人に薦めよう」と思うくらい面白かったのだ。
「ええ?マジ?」と思った貴方、
これがホントに感動しちゃうんだなあ。

物語は愛妻エイドリアンの墓参りする老いたロッキーで始まる。
そう、あのエイドリアンはもういないのだ(涙)。
ボクサー引退後、地元フィラデルフィアでイタリアン・レストラン「エイドリアンズ」を経営するロッキーは、息子からは疎まれる孤独な父親でもあり、喪失感でいっぱいいっぱいな57歳になっている。
毎夜店の客相手に黄金時代の武勇伝を聞かせる、そんな過去にしがみ付こうとするロッキーを励ますのは意外にも義兄ポーリー。そう、バート・ヤング演じるお馴染みな彼だ。

と書いていて改めて、この作品がメイン・ターゲットにしているのは
僕のようにロッキー・シリーズを全部見ていて登場人物が理解できるオッサン世代だ。ゆえにロッキーを知らない、特に若い女性も多いんだろうなあ、と思う。
1976年公開され大ヒットした「ロッキー」は、シリーズ化された3・4作目あたりで酷評されるようになったけど、1作目は文句なく名作だし是非DVDで見て欲しい。

その上での6作目で最終話となる「ロッキー・ザ・ファイナル」。
まさか作られるとは、と見る以前に今作にネガティブな人も多いだろうが、
例えば2〜5作目はすっ飛ばして、
感動の1話の30年後のストーリーとして見てほしい。
つまり酷評の対象となった作品は全て忘れよう、ということだ。
それくらい、今作のストーリーは良く出来ている。

さらに、劇中いわゆる団塊世代になったロッキーだが、
演じるシルベスター・スタローンも実年齢で60歳!
そんな還暦となった今回も、自身の肉体でメッセージを表現できるスタローンには、ローリング・ストーンズやエリック・クラプトンに通じるものを感じるし、強い意志は充分に伝わると思う。

多少の「ありえない!」は映画ファンタジーと受け取って、
是非チェックしてください!
ロッキーはちゃんとアレもコレもやってくれています。

STAFF| 11:28 | カテゴリー:

これこそ傑作「ボビー」2007年01月22日

試写を見終わった後に
「時間を割いてホントに良かったなあ」とつくづく思った「ボビー」は、
実に完成度の高いお勧め作品である。

「ボビー」とは故ロバート・F・ケネディ民主党議員のこと。
アメリカ大統領選に出馬していた最有力候補「ボビー」は、
カリフォルニア州予備選挙に勝利した1968年6月5日、
ロサンゼルス・アンバサダー・ホテルでの祝勝会の雑踏の中で
暗殺という最悪な形で倒れ、翌日その生涯を閉じてしまう。

この作品はアメリカ中を震撼させた史実を元に、
その日の早朝からのアンバサダー・ホテル内での十数時間を、
「ボビー」を取り巻く22名の人々の視点を通じて描いている、
いわゆる群像劇だ。

誰もが主役の22人はアンソニー・ホプキンスからリンジー・ローハンまでと、正にオールスター・キャストで固められ、
その内の一人と監督・脚本はあのエミリオ・エステベスが担当している。
彼は80年代を中心に「アウトサイダー」「セント・エルモス・ファイア」「ヤングガン」など多くのヒット作品に出演している役者としても知名度の高い人だが、近年は映画・TVシリーズの監督・脚本家としても活躍しているそうだ。(僕は知らなかった・・・)

さて当時のアメリカは今と状況が実に似ている。
収拾の付かないベトナム戦争をはじめとする他国への干渉・派兵、そして国内の人種問題などがアメリカという大国を揺るがし、結果それが引き金となっての暴動や大規模なデモ、ストライキなどで国民は疲弊し、救世主たるリーダーの出現を待ち望んでいたのだ。
そんな中4月にはアフリカ系民族の救世主、公民権運動指導者キング牧師の暗殺事件まで起こり、国として一触即発の状態が続いていたのである。
現実逃避の意味も含めたヒッピー・ムーブメントやドラッグ・カルチャーもアメリカのこの時代の副産物といってよいが、そんな背景の中でのこの群像劇は、まるで事件とは無関係に見える人々の人生まで狂わせてしまう。
ゆえに映画は前半意外なほど淡々と冷静に、かつ丁寧にそれぞれの人格と生活・エピソードを描いていくのだが、ひとつの大事件が無関係な大衆をも巻き込んでしまう混乱のクライマックスはカウンター・パンチの如く強烈だ。

亜米利加カブレだった僕は、最近のかの国に幻滅してばかりなのだが、硫黄島2部作や本作のような真摯なメッセージを世に送り出すパワーが有る内は、そしてそんな作品が正しく評価される内は、合衆国に自浄能力があると信じたい。

混沌とするクライマックスで使われるボビーの肉声による演説を是非多くの人に聞いて欲しいと思うしし、完成度の高いお勧め映画として是非「ボビー」を見てください。

STAFF| 08:13 | カテゴリー:

大穴「ダウト」はお勧め!2007年01月19日

現在「ディパーテッド」で来日中のマーティン・スコセッシ監督。
彼の作品「グッドフェローズ」は名作中の名作だと思うが、
そこで主演していたレイ・リオッタの2003年制作「ダウト」。
原題はSlow Burn で、東京では今年の3月公開なのだが、
これはクライム・サスペンス・ファンには是非お勧めしたい好作品だ。

レイ・リオッタといえば「フィールド・オブ・ドリームス」での
名野球選手だった父親役から、
「ハンニバル」でレクター博士の餌食になってしまう嫌われ役まで、
まさにカメレオン俳優として様々な役柄で印象深い人だ。

今回レイ・リオッタは主役のみならず自ら製作プロデューサーも兼ねていて、
この作品への入れ込み具合がハンパでないことがわかる。
そして共演しているのはLLクールJ。
すでにヒップホップ・アーティストとしての肩書きが必要ない程、
多くの映画に出演している彼。
今回は本名のジェームス・トッド・スミスとして出演クレジットされていて、
こちらもまた役者業への本気具合が伝わってくる。
ちなみにLLクールJとはLadies Love Cool Jamesの略だそうだ。
確かに奴はカッコイイと、男から見ても思うなあ。

地方検事のレイと、ある殺人事件の目撃者を名乗るクールJ。
この二人の深夜の取調室での緊張感溢れる会話が
物語をリードしていくのだが、
敢えてストーリーはここでは述べるのはやめる。

なぜなら、このタイプの作品は出来るだけ内容を知らずに、
その作品のイメージが発する匂いを信じて見たほうが、
ストーリーや結末に大きく驚き喜べるからだ。

音楽の使い方も秀逸だし、長さも93分と手頃だし、
大好きなERシリーズでお馴染みのメキー・ファイファーも出演してるし、
適度にエロティックでもあるし、
改めてクライム・サスペンス好きな人はチェックしてください。

STAFF| 10:08 | カテゴリー:

「ホリデー」はクリスマス・・・2007年01月15日

先週はジョン・レジェンド、カサビアン、GLAY。
今夜はボーイズ・トゥー・メンで、明日は木村カエラ@苗場・・・。
こんな調子で僕は新年早々ライブ全開なのだが、
今回はラブ・コメ「ホリデー」をお勧めです。

映画には勿論様々なタイプがあって、
シリアスなものに疲れたり、または苦手な人にはホントにお勧め!
ちなみにこの作品、欧米ではタイトル通りホリデー・シーズン
つまりクリスマス時期に公開されたこともあり、
設定はクリスマス・シーズンのロスとロンドン郊外だ。
近年は宗教を特定しないようにと、クリスマス・シーズンを単にホリデーと呼ぶ運動がアメリカでは盛んだったが、昨年あたりはまた各地でしっかりとクリスマスと言おうとする団体が増えたそうだ。
この辺はイラク戦争の影響もあるのだろうが、この映画に関してはそんな難しい問題は全く無い!

主人公は4人。キャメロン・ディアスにケイト・ブランシェット。そしてジュード・ロウにジャック・ブラック。
日本だと月9のようなキャスティングで、それぞれのキャラクター付けも良い意味でお約束。
例えばキャメロン・ディアスは超オッチョコチョイなセクシー・キャリア・ウーマンだし、ケイト・ブランシェットは奥手で一途な純情派。
この失恋を吹っ切りたい部分だけ共通な他人の二人が、ネットを通じてロスとロンドン郊外の家をホリデー・シーズンだけ交換するところから物語はなんとなく想像どおりに進んでいく。

それ以上のストーリーは述べないが、その内に日本のテレビ・ドラマで酷似した物語を見ることになるんだろうなあ、と思うほど日本人受けしそうなラブ・コメディだ。
一点だけ苦言があるとすると、キャメロン・ディアス扮するヒロインが明らかに飲酒運転している部分。まあこれを見て真似をする女性がいるとは思えないけどね。

日本公開は3月中旬なので、設定時期はホリデーとはズレるけど、ストレス解消にはもってこいの本作、渋い顔せずに楽に見てください。

STAFF| 08:12 | カテゴリー:

まず「ドリームガールズ」をお勧め!2007年01月05日

新年おめでとうございます。

さて年末に書こう書こうとして、なかなか本題にたどり着けなかった
ドリームガールズ」。これは本気でお勧めします。

これはブロードウェイで80年代に大ヒットしたミュージカルの映画化で、
主演はジェイミー・フォックス、ビヨンセとエディ・マーフィーの3人。

ストーリーは一応フィクションで、60年代初頭から始まる。
しかし20世紀のソウル・ミュージックを語る上で欠かせない
モ−タウン・レコードとその創設者ベリー・ゴーディーJr、
さらにその花形グループだったシュプリームスをモチーフにしていて
明らかに実話をアレンジしてデフォルメさせた物語だ。
つまりはジェイミー・フォックスがベリー・ゴーディー、ビヨンセがダイアナ・ロスといった役どころ。ということでソウル・ファンならずとも、そんな背景をわかった上で見ると一層楽しめるだろう。

そういう時代感がピンと来ない人もミュージカル映画として無理がなく実に良く出来ているし、一流のショーを見るつもりで劇場に足を運ぶ価値があると思うよ。

そしてアメリカの批評家たちの間でも大絶賛されているのが
新人のジェニファー・ハドソン。ボーカル・グループのリード・シンガー役で
ビヨンセ以上に歌でフィーチャーされるのだが、その歌唱が迫力満点で、
今後シンガーとしても必ず脚光を浴びることマチガイ無しの逸材だ。

現在J-WAVE M+でこの作品の試写会ご招待企画実施中!
当選競争倍率はかなり高いと思うけど、是非ご応募を!!

STAFF| 04:03 | カテゴリー:

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