「あるいは裏切りという名の犬」という邦題2006年09月26日

この実話ベースのフランス映画、とにかく面白い!

山ほどある伝えたい言葉を端折って一行で概要を述べると
〜パリ警視庁を舞台に二人の警視が織り成すクライム・ストーリー〜
という作品なのだが、全編緊張感に溢れていて僕は釘付けになった。
これだから映画を見るのを止められないんだ!

主役は対照的な二人の同業者。
優秀な二人のスター警視同士、仲が良い筈がない。
一方は相手を猛烈にライバル視して、他方は相手を疎ましく思っている。
そんな中で起こった凶悪な強奪事件を、
二人は協力し合うことなく、独自に解決しようとするのだが、
当然のように、そこには様々な裏切りが生まれ犠牲者を出していく。
勧善懲悪を期待するほうが間違っている、と言わんばかりに
画面は非情で無情な出来事が続くのだが、決して残忍に成り過ぎず、
物語としてキチンと展開させていくところが一流作品たる処。
台詞もフランス映画らしくクールで、字幕でも充分カッコイイんだな。

毎回仕事上で見せてもらうのがとても早いので、
内容については深く書き過ぎないにするが、本気で気に入った!
そして、僕はこの秀作に「インファナル・アフェア・シリーズ」との
共通する作風・匂いを強く感じた。
あの緊迫感が忘れられない人は是非今作も覚えておいてください。
そして!やっぱりハリウッドは目が早い。
こちらも「インファナル〜」同様リメイクが、
ロバート・デ・ニーロとジョージ・クルーニーで決定しているそうだ。

あるいは裏切りという名の犬」日本公開は12月です!!

STAFF| 11:31 | カテゴリー:

スパイク・リーの「セレブの種」2006年09月19日

予告や広告を見るだけだと勘違いしそうだが、
これは決して単純なコメディではない。

この「セレブの種」は2004年のスパイク・リー監督作品で、
今年ヒットした「インサイドマン」よりも先に全米公開されていた映画だ。
なぜ日本公開が今週末、つまりアメリカより2年遅れたかは知らないが、
一般受けするタイプでもないし、いわゆるスターも不在で、
その訳もなんとなく想像できる。
そして、まあ笑えるが、コメディでもないこういう作品を
なぜ社会派監督と呼ばれるスパイク・リーが作ったのか
不思議といえば不思議だ。

主人公はリストラされてしまうエリート・サラリーマン、ジャック。
八方塞で生活費にも困る彼の前に現れるのが元恋人ファティマ。
彼女は自分がレズビアンなことを隠して過去ジャックと付き合っていて、
結果二人は最悪な別れ方をして数年たっていたのだ。
ラテン系の同性愛の恋人同伴で訪れた彼女から
ジャックは高価な報酬付での<種付け>を依頼される。
彼女たちは養子でなく、実子が欲しくなった、ということだ。

MBAも持つハーバード大出というエリート黒人で、
なおかつ女性たちが感嘆の声を上げるイチモツの持ち主ジャック・・・。
元彼女を色々な意味で満足させた彼を待っていたのは
連日のように自宅に押しかけてくる<種付け>希望のレズビアン達だった。
果たして物語はどっちに転がるか?   というストーリー。

正直とらえ所がない作品だし、
それほどスパイク・リー・ファンでもないんだけど、
どうしても見たくなって見てしまった僕・・・。
こんな人が結構多いのが彼の映画なんだよね。

映画の出だしはシリアスだし、
笑いの質はシニカルだし、
主人公は結局尻軽だし、
等と韻を踏んで誤魔化したくなる程、不思議な作品だ。

今週末渋谷で単館公開です。

STAFF| 07:15 | カテゴリー:

素晴らしい!「フラガール」2006年09月14日

フラガール.JPG

泣いて泣いて笑って泣いた!
ホントに人に薦めたい作品だ、「フラガール」は。

時代は昭和40年、常磐炭鉱の大幅リストラを救うため、
北の地に“楽園ハワイ”を作ろうとした実話に基づく話なのだが、
常磐ハワイアンセンター(現スパリゾートハワイアンズ)に隠された
感動秘話の映画化といっていいだろう。

すすけた炭鉱の町が、いかに生まれ変わっていくか。
それをド素人から見事なプロのフラガールになっていく女性たちの姿に
写し併せて物語は進んでいくのだが、
時代背景も含めて脚本がしっかりしていて、
なにより役者さんたちが皆良いのだ。

主役で始めは超イヤな東京の女でダンスの先生となる松雪泰子、
そして炭鉱一家から弾け出す女子高生の蒼井優。
この二人は演技も素晴らしいし、とにかく美しい!美しい!!美しい!!!

そして脇を固める岸辺一徳、豊川悦司、富司純子、しずちゃん、
そしてチョイ役ながら寺島進、高橋克実、志賀勝、
そしてその他大勢の役者さんたちと、
演技からこの映画への愛情がみんな溢れ出ているのだ。

ジェイク・シマブクロが担当した音楽も流石でetcと
書き始めると止まらないくらい素晴らしい作品なので、是非見て欲しいし、
素直に泣いてください。
僕は多分常磐から試写を見に来ていた初老の方が、
ずーっと涙を拭われていたのにも、もらい泣きしてしまいました。

9/23公開です。

STAFF| 09:50 | カテゴリー:

純愛ファンタジー「イルマーレ」2006年09月12日

2000年の韓国映画のハリウッド・リメイクとなる本作
僕はオリジナルを見ていないので比較は出来ないが、
これは泣ける!純愛モノが好きな貴方は必見です。

物語は2004年を生きるキアヌ・リーブス扮するアレックスと、
2006年を生きるサンドラ・ブロック扮するケイトが、
あるポストを介して文通を始めるところから展開していく。
これ自体がファンタジーで有り得ないことなので、
最初から騙されながら見ないと、この手の映画は成立しない。
特に本作をデートに使おうと考えている男性は、
「なんだこりゃ」などと思わず、彼女の気持ちをよーく考えることだね。

しかしよく出来ているのだ、物語として。
特に2年間を挿みながらもニアミスする二人の関係が絶妙で、
展開に意外と無理がない(と僕は思った)。
さらに途中からわざとストーリーが読めるようになっていて、
それが憎いほど涙腺を弱めるのだ。
果たして結末は思ったとおりになるのでしょうか?・・・

実年齢で42歳の同い年の二人が演じているから、
設定も大人のフランクな恋愛モノになっているし、
だからこそピュアに仕上がってもいる。
このピュアさが東西問わず、最近のドラマのトレンドなんだろうね。

まずはこの秋一押しの恋愛モノです、是非!!

STAFF| 07:27 | カテゴリー:

デイブ・シャペルの「ブロック・パーティー」2006年09月05日

アメリカでは知らない人がいないと言われるほど大人気のコメディアン。
それがデイブ・シャペルなのだが、
スポーツ選手やミュージシャン・俳優などと違って、
しゃべくり命のトーク派コメディアン達の日本での知名度は間違いなく低い。
ゆえに、デイブ・シャペル関連のDVDが全米で300万セット売れた、
とか言われてもピンとこないかもしれない。

しかし、この日本劇場公開が決まった「ブロック・パーティー」は
デイブ・シャペルに詳しくなくても、またヒップホップ・ファンでなくても、
良質のコンサート・ドキュメントとして充分楽しめるお薦め映画だ。

デイブ・シャペルの発案・実行による「ブロック・パーティー」。
これは04年9月18日、ヒップホップ発祥の地ブルックリンで行われた、無料シークレット・コンサートのドキュメンタリーで、出演するのはカニエ・ウェスト、エリカ・バドゥ、ローリン・ヒルとフージーズ等とスター達のてんこ盛り。
彼らのパフォーマンスがフィーチャーされたライブ・シーンは勿論大興奮モノなのだが、本当のハイライトは別にあるのが、この作品をワン・ランク上の映画にしている所以。

多くの成功したアメリカのセレブ達がビバリーヒルズ等ハリウッド近郊に豪邸を構えパーティ・ライフを楽しむのとは対照的に、オハイオ州デイトンという地方の小さな町に住み、近所のコンビニに歩いてタバコを買いに出掛けるくらい普通の生活を送っているという(今はどこにいるか定かでないが)デイブ・シャペル。
自分が成功した分みんなの為に何かしたい。その手段がブロック・パーティーを開いて楽しみを共有することだったローカル派デイブ。ゆえに地元住民達・それこそコンビニのおばちゃんや道端で知りあった若者、さらには大学の大所帯マーチング・バンドまでブルックリンに自費で招待する。そんな彼は自分でライブ出演交渉したトップ・アーティスト達に対してと同じように、招待した人々とも普通に接するのだが、その辺の交流シーンがなんとも面白い。 

書きたいことはまだあるが、まさに百聞は一見にしかず。
監督は「エターナル・サンシャイン」のミシェル・ゴンドリーということだけ付け加えて本作をお薦めします。
11月公開だそうです。

STAFF| 02:38 | カテゴリー:

バックナンバー