この国の空2015年05月26日

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終戦70周年記念作品というクレジットが付いた本作。
キャッチコピーは
「私は愛も知らずに、空襲で死ぬのでしょうか」
この言葉は
19歳の主人公、里子の心情であり、
二階堂ふみが大きな存在感と共に演じ表現し切っている。


舞台は1945年、終戦間近の東京。
戦争の極限状態の中
杉並の住宅地に暮らす母親(工藤夕貴)と里子19歳。
そして空襲で焼け出され転がり込んできた伯母(冨田靖子)。

隣家には妻子を疎開させて男一人東京で暮らす
銀行支店長(長谷川博己)が・・・。

戦時中でも、いや、戦時中だからこそ、
愛欲に飢えた男女の心理状態や言動を
映画はジリジリと描いて行く。

見事な人間ドラマであると同時に本作は
僅か70年前の東京人の暮らしぶりが
どれだけ現在と違うかを写してくれるのだが、
それはとってもリアルで、
自分たちの祖父母が生きた時代を再認識させてくれる。
ああ、とっても大変だったんだねえ・・・、と。

そして二階堂ふみ演じる主人公が決して特異ではなく、
当たり前の若者だっただけなのだ、と気付くだろう。

憎むべきは戦争だが、それは人間の業である。
言葉の問題だけかもしれないが、
終戦ではなく敗戦と現実をシビアに受け入れていたら
今の日本は変わっていただろうか・・・。

この国の空
8月8日(土)より全国公開です。

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©2015「この国の空」製作委員会

staff| 17:06

アリスのままで2015年05月18日

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ジュリアン・ムーアが本年度アカデミー賞で主演女優賞を
獲得したことで特に注目度が上がった本作。

認知症で苦しむ多くの方とその家族や周囲の人々の
心の内を代弁してくれる秀作であり、まっすぐな映画である。

認知症の約6割が、アルツハイマー病が原因と言われ、
そのうち40才から65才までに発症した場合を
若年性アルツハイマー病と呼ぶそうだ。

本作の主人公アリスは50才の高名な言語学者。
自身の異変に気付き受診したところ
若年性アルツハイマー病を宣告されてしまう。

ここからが深刻な出来事の連続で、
どんどん変わっていく自分を止められない主人公、
そして戸惑う家族、それぞれの葛藤は
多くの見る人が他人事とは思えない現実。

ゆえに出口や飛び級の解決方法は提示されないが、
想いを共有出来る事での連帯感を与えてくれる。
こういう真面目な映画があることに勇気づけられる人は想像以上に多いはずだ。

アリスのままで
6月27日(土)公開。
見ましょう。

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staff| 15:11

ロックスター2015年05月15日

僕にとっての日本のロックスターは3人。

吉井和哉、チバユウスケ、浅井健一。

吉井和哉は今週ツアーのNHKホール公演初日に行った。
これはいつも通り、期待を超える素晴らしさで
興奮が半端無く、いっぱい書きたいが
まだツアー中だから我慢我慢・・・。

そして奇跡のようなイベントが決定!
チバユウスケと浅井健一が同じステージに立つ!!

金曜深夜のプログラム
J-WAVE TOKYO REAL-EYESの定例イベントの拡大版!
6月7日日曜日、
ロックの殿堂 日比谷野音!!
The Birthdayとしてチバユウスケ、
SHERBETSとして浅井健一、
そしてWHITE ASH、
個人的に愛するLEGO BIG MORLと全4組が出演。

これはもう、行くしかない!!!!!

staff| 14:12

海街diary2015年05月11日

見終わった後の余韻が心地良い
とっても素敵な映画だ。

人としての生き方、生き様、所作、配慮 といった
無意識の中での美学を
四人姉妹を通じ、移り行く四季に乗せて表現した
見事な2時間8分。
万人にお薦めしたい。

原作は多くのマンガ賞を受賞した、
吉田秋生のベストセラーコミック。
これを是枝裕和監督が映画化。
主人公の四姉妹は長女・綾瀬はるか、次女・長澤まさみ、
三女・夏帆、そして異母妹の四女・広瀬すず。
まあ現実に こんな美人姉妹って稀有だけどね。

物語は・・・
鎌倉に住む三姉妹のもとに届いた父の訃報。
十五年前、父は家族を捨て、母も再婚して家を去っている。
父の葬儀で、三姉妹は腹違いの妹すずと出会う。
一人気丈に振る舞う中学生のすずに長女は思わず声をかけ
鎌倉で四人一緒に暮らすことになる・・・。
と始まる。

この四人姉妹の描き方が秀逸で
性格も好みも立振る舞いも四様。
ゆえに見る側は四人の誰かに感情移入し易く、
オッサンの僕も自然と話の中に入り込んで行った。

そして四姉妹や登場人物達に起こる出来事には
人として当たり前の悩み苦しみを伴うけれど
決して大袈裟なモノは無く、あくまで日常なのだ。

まっすぐで素直で駆け引きなどしない。
とっても羨ましく、それでも自身と重ね合う事も多い。

他に出演は大竹しのぶ、堤真一、加瀬亮、
風吹ジュ ン、リリー・フランキー、樹木希林と、
凄すぎる共演陣の確かな演技には唸るばかり。
その中でさらに光る四女役、広瀬すずの存在感!
エネファームのTVCFと同一人物とは思えない!!

一人一人が主人公の日々の中で
それぞれが想いを抱えながら生活して、
愛憎を超えて成長していく一年間の物語。
是非見てください。


海街diary
6月13日(土)公開です。


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(C)2015吉田秋生・小学館/フジテレビジョン 小学館 東宝 ギャガ

staff| 14:42

新宿スワン2015年05月08日

なにかと話題の「新宿スワン」。
好みが分かれるタイプの作品だが
僕は娯楽作として充分に楽しめた。

舞台は新宿歌舞伎町。
底辺からのし上がろうとリスクを負う男達の話だ。
その仕事はスカウト。
キャバクラ、風俗、引抜き、裏切り、暴力なんでもあり。
刹那的にジェットコースター人生を選ぶ面々を
豪華キャストが彩っている。

なんといっても主役の綾野剛。
そしてライバルの山田孝之。
この二人の対比が凄くって
対立構造を一層盛り上げる。

伊勢谷友介は大河ドラマでの吉田松陰とのギャップが大きくって、役者やのう、と唸らせるし、
沢尻エリカと山田優はただの美人さんではない事を証明してくれる。

褒めすぎ?まあ漫画が原作だから過激さ極端さはあるし、
しかし多少のデフォルメはあっても、
リアルにこういう世界を生きる人々がいるから
傍観者としては面白いんだろうな。
僕は絶対に彼等と混じりたくないけどね。

5月30日(土)公開。
男子に薦めます。

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staff| 13:46

今月は試写会4件!2015年05月01日

5月になりました。
そして今月は4本の新作の試写会を行います。
それぞれ個性的な作品揃い。
内3本はこのブログでも紹介しています。

是非ご応募ください。
作品は開催順に以下です!!


新劇場版「頭文字D」Legend2-闘走-

ジェームス・ブラウン〜最高の魂(ソウル)を持つ男〜

靴職人と魔法のミシン

グッド・ストライプス

staff| 18:53

WISH I WAS HERE 僕らのいる場所2015年04月20日

いわゆる中2病の売れない俳優が主人公の家族映画。
35歳で妻子あり、限りなくプー太郎な彼。
生活費は妻が稼ぎ、
二人の子供の私学の学費は父親頼み。
そして自分は役者の夢を追い続ける、という
言ってみればロクデナシ・ダメ男。

昼間の留守宅ではハンドジョブ。
妻が職場でのセクハラと格闘している事も
全く気付かない、そんな無責任男に
父の重病という逃げられない現実が訪れる。
言い訳ばかりの日々を過ごす中2病男は
果たして・・・。
という始まりだ。


主演のザック・ブラフが監督・脚本も務める本作。
といっても彼自体あまり日本で馴染みがない俳優さんで、
共演者も妻役のケイト・ハドソンくらいしか
知名度のある人はいない。
しかし、
中味に魅力のある作品はそんな事関係無いのである。

ダメ男だけど、どこか愛されキャラの主人公には
男目線で簡単に感情移入でき、
一家を支える妻の描き方も、
きっと女性達から応援されるはず。
そんな巧みなキャラクター作りと、誰にも起こりうるエピソードが本作の親しみ易さを生んでいるのだろう。
音楽の使い方もセンスいいし、
舞台ロサンゼルスの天候も悩みを消し去ってくれるプラスオーラに満ちている。

こんな秀作の映画化の資金集めは
クラウドファンディングで行なわれ、
たった48時間で目標金額を達成したんだそうだ。

派手さはないけれど、見て学ぶ事も多々ある
WISH I WAS HERE僕らのいる場所
6月12日(金)公開。
お薦めします。

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(c) 2014, WIWH Productions,
LLC and Worldview Entertainment Capital LLC All rights reserved.


staff| 16:01

グッド・ストライプス2015年04月15日

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とっても気に入った作品、「グッド・ストライプス」。

場面写真からも分かるように
結婚する20代後半カップルの物語。

といっても実は倦怠期で別れそうな時に
妊娠している事が判り、そこから話は始まる。

ストーリー自体は淡々としていて
何か特別な事ではなく、
主人公カップルの日常や悩みや、
家族付合いや友人やetc
等身大の20代の喜怒哀楽が
季節と共に映し出されていく。
そしてこれが、無理がなくって自然で良いんだなあ。

主演は人気モデルそして女優の菊池亜希子。
そして中島歩。中島歩はご存じ「花子とアン」で蓮子の駆け落ち相手として大ブレイクした俳優だが、草食系と呼ばれた優柔不断世代をとっても上手く表現していて好印象!

また映画の設定としてカフェでの音楽ライブがフィーチャーされているのだが、劇中演奏しているのはsugar meという女性ソロプロジェクトで中々良い。ちょっとmoumoonのアコースティックセットに近いかも。
主題曲は大橋トリオが担当していて音楽的なセンスも光る作品だ。

見る側が同世代じゃあなくっても、
とっても素直に時間が流れる2時間はお薦めです。

グッド・ストライプス
5/30(土)公開!

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(C)2015「グッド・ストライプス」製作委員会

staff| 16:31

ロング・ムービー2015年04月14日

先日、20世紀FOXホームエンターテイメントの新作プレゼンテーションに参加した際に説明された「ロング・ムービー」という言葉。

名のある監督達が映画からフィールドを変えて製作する、
ドラマ・シリーズの事をそう呼ぶんだそうだ。

古くはデビッド・リンチの「ツイン・ピークス」だろうし、
最近だとデビッド・フィンチャーの「ハウス・オブ・カード」が思い浮かぶが、それは増加の一途で、参加したプレゼンでも3作品が一部映像と共に紹介されていた。

まずコーエン兄弟がヒット映画を再構築、ビリー・ボブ・ソーントンが文字通り怪演する「ファーゴ」。
あの「シックス・センス」のM・ナイト・シャマランがマット・ディロンを主役に迎えて作る脱出ミステリー「ウェイワード・パインズ」。
そして「パシフィック・リム」のギレルモ・デル・トロ監督のSF作「ストレイン」。
どれも興味をそそるシリーズだった。

さてアメリカで「ロング・ムービー」が増加する一番の理由は様々な制約から解放されて自由な製作が保障されるという事。作品の長さは言うまでもないが、表現方法の自由さが最も大きいという。
ゆえに言葉を含む暴力描写が想像以上に多くなるのも「ロング・ムービー」ならではの特性。これも見たい人だけが自己責任で視聴する作品ゆえに許される手法だ。

最近ではTV放送せずに配信が発表の場となる作品が増加しているし、当たり前のようにエンタメ業界も変化のスピードは早い、追いつけるかなあ・・・。

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staff| 11:39

ワイルド・スピード スカイミッション2015年04月09日

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残念ながらポール・ウォーカーの遺作となってしまった本作だが、作品自体はいつも以上に振り切った大作。
最近珍しいくらいド派手に展開する中味は「ワイルド・スピード」ファンの期待に充分応える事だろう。

ヴィン・ディーゼルはいつも通り不死身だし、
ザ・ロックことドウェイン・ジョンソンも笑わせてくれるし、
新たに加わったカート・ラッセルにジェイソン・ステイサムも中々だし、
特にジェイソン・ステイサムの悪役は絶対に死なないよな、
って納得の暴れっぷり。

どれだけ車や建物を破壊したんだろう・・・と途方にさえ暮れる超荒唐無稽ちょっぴりセクシー娯楽作。
きっとまた次作があることを予想しつつ、
面白かったです。

ワイルド・スピード スカイミッション
4月17日金曜日公開です。

staff| 11:56

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