ニード・フォー・スピード2014年04月22日

作品のフライヤーのキャッチ・コピーは
「超高額スーパーカーによる
禁断のストリート・レース開幕!」

「法もルールも無い“裏レース”を舞台に
チューンアップされた夢のマシンが激走!」

この二つに全て凝縮されている本作。

珍しく英題「NEED FOR SPEED」のカタカナ題で
「ニード・フォー・スピード」だ。

元々はレーシングカー・ゲームのコンセプトとビジュアルを元に作られた本作、基本CGは使わず、リアル・カーアクションとして、冒険野郎なスタントマン達が爆走・激走の限りを尽くすのである。

ゆえに主役は車・車・車!
有名な俳優はいないが、
表情が100%キムタクな主人公と
Jリーガーのマルキーニョス似な敵役なので、
僕はキムタクとマルキーニョスの共演だと空想しながら見ていた。
ついでにワンD似な若者もいて不思議な感じ・・・。

基本解り易いし、ワイルド・スピード・シリーズとは違う「カー・エンタテインメント」を探している人にはお薦めである。僕は充分楽しめました。

しっかし、映画は高級車も平気でぶっ壊すねえ。

ニード・フォー・スピード
6月7日(土)公開です。

staff| 16:33

WOOD JOB(ウッジョブ)!神去なあなあ日常2014年04月15日

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例えるならば
懐かしいTVホームドラマの映画版、といったところか。

主人公(染谷将太)は
大学受験に失敗した典型的ちゃらんぽらん男子。
浪人するのも気が進まず、でたらめに選んだ進路が
林業(WOOD JOB)だった・・・。

ということで
携帯の電波など当然届かない山深い田舎での
林業研修に参加した主人公と
彼を取り巻く先輩やら村人の一年間を綴る本作。

監督は「ウォーターボーイズ」「スウィングガールズ」
「ハッピーフライト」etcの矢口史靖(やぐちしのぶ)。
取り巻く人々が
伊東英明、長澤まさみ、優香、マキタスポーツ、
光石研、柄本明、近藤芳正 etc。
ということで懐かしいホームドラマ感満載。
しかし、映画はほぼ全篇山間部で撮影されており、
舞台となっている村の方言連発。
見ているだけでスローペースな生活に馴染んでしまう程、
画面から樹木のオーラが出まくっている。

細かい事は気にせずに
田舎暮らしを疑似体験するつもりで楽に見ると面白いです。
ただし、そういう都合いい「なんちゃって田舎派都会人」への
皮肉も山葵のように含まれているので
ドキッとしたら自分を笑っちゃってください。

WOOD JOB(ウッジョブ)!神去なあなあ日常
5月10日(土)公開です。

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(C)2014「WOOD JOB!〜神去なあなあ日常〜」製作委員会

staff| 11:01

トライセラトップス2014年04月14日

今、これだけ演奏出来るトリオ・バンドは
トライセラトップス以外に存在しない。
そう断言できる彼等の事を
ミュージシャンズ・ミュージシャンと呼ぶのだろう。

最近だけでも
小田和正、吉井和哉、山崎まさよし、Aqua Timez、BARBARS、音速ライン他がステージで共演し、
SMAP、山Pが和田唱の作品をリリース。
新人からベテラン、渋好みから超大物。
あらゆるジャンルのアーティスト達が
トライセラトップスとの共演を望み、
奇跡のようなコラボを実現させて行く。

その極めつけが4月12日(土)にSHIBUYA-AXで行われたライブだった。

この夜はステージに上がるまで完全シークレットでのゲストアーティストがアナウンスされていたのだが、まさか!の桜井和寿である。
観客は興奮MAX!ステージ上は笑顔で全員本気MAX!
人を唸らせたり、泣かせたり、笑わせるには演じる側がどれだけ本気になれるか、を体現してくれ、トライセラやミスチルを歌い、最後は凄まじいパワーでAKB48「ヘビーローテーション」をカバーしていた!
日本一人気のあるアーティストとの共演の詳細リンクするので参照して欲しいが、僕はその場に立ち会えて、とっても得した気分になった。

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撮影:松木雄一


次にトライセラトップスを東京で見れるのは7月21日、
Zepp Divercityでのツアー・ファイナルだ。


staff| 15:17

レイルウェイ 運命の旅路2014年04月07日

これは日本人として正視すべき実話である。
劇中の「戦争は悲劇ではない。犯罪だ。」
という台詞に打ちのめされそうになっても、だ。

第二次大戦時、
日本軍は物資輸送のために中国とインドをつなぐ鉄道建設に乗り出していた。
中でもタイとビルマを繋ぐ地域は地形的にも困難を極めた区間で、「死の鉄道」と呼ばれていたそうだが、その建設に駆り出されていたのは戦争捕虜。
当時東南アジア地域で日本軍に投降したイギリス軍もそこに含まれていた。

捕虜とは名ばかりで奴隷同然の冷遇で重労働を強いられていた英国兵士達。
祖国の為に反逆の機会を狙いはするが、日々絶望感が押し寄せて肉体的にも精神的にも追い詰められる。
そんな、決して五分五分とは言えない環境で対峙したイギリス将校と日本兵の間で起きてしまった出来事を軸に本作は描かれていく。

戦後数十年が経っても当時のトラウマを一ミリも払拭できずにいる初老の退役軍人をコリン・ファース、その相手役をニコール・キッドマンが演じているのだが、
映画は第二次大戦下のアジアと1980年代のイギリスとを何度も行き来して進んで行くので、若き日の英国兵士役のジェレミー・アーヴァインが実質的にメインといってよい。


さて本作の大きなテーマは「赦し」である。
勿論戦争によって多くの日本人も傷つき戦死し、国としても計り知れない痛手を負ったのだが、日本軍が戦時中に行った事実そして史実を本作は容赦なく突き付けてくる。
戦争の名の下、主人公達(英国兵)に救いの無い惨業の数々を繰り返したのは日本人だったのだ。
果たして人々は苦しみや悲しみや人種をいかに乗り越え、そして赦すのか、赦せるのか・・・。

僕は本作では誰に感情移入することもなく、
真摯に映画=事実に向き合い、
そして平和な今の時代に生きられる事に感謝した。
そして日本人として過去に向き合って過酷な役を見事に演じた
真田広之を称賛したい。

もはや戦後派の人口が圧倒的に多い日本だからこそ、
この映画には生き抜いてほしいと心から思う。

レイルウェイ 運命の旅路
来週末、4月19日(土)公開です。

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(C)2013 Railway Man Pty Ltd, Railway Man Limited, Screen Queensland Pty Limited, Screen NSW and Screen Australia

staff| 17:58

ターニング・タイド 希望の海2014年04月04日

過酷な海上が舞台の作品というと
「ライフ・オブ・パイ」や「キャプテン・フィリップス」
現在公開中の「オール・イズ・ロスト」等秀作が多多あるが、
本作もその例に洩れず見応え充分な海洋モノ。

そして、
ここ数年の日本で最もヒットしたフランス映画といえば
「最強のふたり」だと思うが、
そこで身体の自由を奪われた大富豪役を演じていた
フランソワ・クリュゼが主演の本作。
前作とは打って変わってアクティブに動き回るヨットレーサー役だ。

世界一過酷と言われる海洋レース「ヴァンデ・グローブ」。
資料HPによると「ヴァンデ・グローブ」とは
四年に一度行われる単独世界一周ヨットレースで、
一度も港に寄らない=無寄港で、
誰の助けも借りてはいけない=全て一人で行う!
このレース、ハッキリ言って無茶である。
だからこそ映画の題材になるのだが。

主人公はチームのエースの怪我で
「ヴァンデ・グローブ」の出場機会が転がり込んできた補欠中年。
周囲の不安と心配を吹き飛ばすべく
千載一遇と張り切ってレースに参戦するのだが、
航海中のヨットの中に見知らぬ少年が潜んでいた。
単独無寄港が条件のレースで彼はどういう行動に出るのか・・・。
という始まりである。

作品の幹となる海洋ロケの映像は美しく、
ゆえに危険に満ちていて疑似体験感に満ちている。
そのうえで、
本作は群像劇的なヒューマン・ストーリーであり、
登場人物の誰に感情移入するかで感じ方も大分変るだろう。
勿論主人公に比重は置かれているが、
脇役達の心情も幾重も挿入され
見る側を飽きさせない。

ここで書き過ぎるとネタバレになるので控えるが、
僕はフランス映画を見る度に
竹を割ったようなストレートで自由なフランス人気質が確実に表現されているなあと感じるし、
それは決して嫌なことではなく、
多分日本映画を見た外国の人々は
僕らには近過ぎて解らない曖昧な日本人気質を感じ取るのだろう。

単純な海洋アドベンチャーではない、
秀作だと思います。

ターニング・タイド 希望の海
5月31日(土)から公開です。

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(c)2013 GAUMONT - LES FILMS DU CAP - TF1 FILMS PRODUCTION - SCOPE PICTURES - A CONTRACORRIENTE FILMS 

staff| 10:41

捨てがたき人々2014年04月01日

なにゆえ、わたしは、
この世に生を受けたのでしょうか・・・

この言葉を人間の欲と深い業で突詰めようとした
ジョージ秋山原作の「捨てがたき人々」。

主人公は仕事も金もなく、
憂鬱で屈折した、しかし性欲だけは旺盛な怠け者。
行き場を失い故郷の長崎五島に戻った男。
何をするでもなく、時間をつぶし、
街中では異性の胸元と腰ばかりを凝視して
嫌がられても気にもしない自堕落振りだ。

そして偶然知り合った顔にアザがある女に
「生きるのに飽きちゃったな」と呟き 気を揉ませてしまう。
薄幸だが明るく善良に生きようと もがく彼女は
性衝動だけで動く男から何故か離れられなくなって・・・。


主演は大森南朋。
近年は好人物な役柄が多い大森南朋だが、
本作のような汚れ役でこそ本領を発揮する
稀有な存在だと再確認させてくれる程
ここでの大森南朋のダメ人間ぷりはズバ抜けている。

共演の三輪ひとみを僕は初めて見たのだが、
大胆な裸身も惜しまぬ女優ぷりも素晴らしい 美人さんだ。

本作で描かれる長崎五島は日本の田舎町の典型で
まるで良い所が無く描かれているのだが、
監督さんは当地出身の方だそうで、
逆説的な地元愛を感じてしまう。
そして、五島を舞台に人々の恥部を赤裸々に描出すのだが、
寂れた田舎町でも都会でも人間の本質は変わらない
と僕は思った。

万人受けはしない作品だろうが、
見る価値大、だと思います。

捨てがたき人々」6月7日公開です。

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(C)2012「捨てがたき人々」製作委員会

staff| 16:48

her/世界でひとつの彼女2014年03月27日

日本公開は6月28日と、かなり先だが
これはもう素晴らしくて早くも書いてしまいます。

今年のアカデミー賞で並み居る強豪を押さえて
見事脚本賞を受賞した本作「her/世界でひとつの彼女」。

あの怪作「マルコヴィッチの穴」で
一躍サブカル界の寵児となったスパイク・ジョーンズが
単独で脚本を書き監督した、近未来ラブストーリーだ。


今からそんなに遠くない近未来のロサンゼルス、
主人公は他人の手紙を代筆するライターだ。
といってもコンピューターが
口述筆記してくれる程進化していて、
人々も今どきのスマホ以上にコンピューター依存状態。

主人公は妻との離婚問題を抱え落ち込んでいて
人との直接的な関係を煩わしく思う日々を過ごしている。

ある日、人工知能型のコンピューターOSを購入した主人公は、
その声の設定を女性にして使い始めるのだが・・・。
と物語は始まる。


主役を演じるのはホアキン・フェニックス。
コンピューターOS相手という事で、
独り芝居に近い役どころは
「グラディエイター」等のイメージとは全く別人で、
新たなキャラクターを得た彼の演技は見事の一言!
冴えない中年男の悲哀が終始滲み出ている。

この映画を見て僕が最も感心したのは
構成に無駄が全然ない!という点。
近未来ストーリーという事もあり、
スマートでスッキリとした映像と編集は
多くの同業者達も驚いたに違いないクオリティ・レベルで
ストーリーを引き立たせてくれる。

これを見てしまうとアカデミー脚本賞は当然だなあ、と。


書きだすと止まらなくなるので
この辺で止めときますが、
素晴らしい!です。

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Photo courtesy of Warner Bros. Pictures

staff| 16:17

8月の家族たち2014年03月26日

まずは脇道に逸れるが、
向田邦子脚本、演出を和田勉他が担当した昭和のテレビドラマ「阿修羅のごとく」。
4人姉妹と両親、それぞれの家族間に起こる様々な出来事をヒリヒリする感覚で描いた連続ドラマで、まだ若かった僕は土曜の夜にNHKで放送されたこの作品に大きな感銘を受け、今でも日本のドラマの最高峰だと思っているほどの名作だ。

そんな僕が「阿修羅のごとく」を連想したのが
本作「8月の家族たち」だった。

メリル・ストリープとジュリア・ロバーツが親子役で共演し、二人とも本年度アカデミー賞にノミネートされた事でも話題となっているが、
他にも超豪華な俳優陣が揃いも揃い、強烈で妥協を許さない演技を披露してくれる2時間の群像劇。
シビアな内容も相まって上映中は唸りっぱなし、
文句の付けようが無い力作である。

劇は父親の失踪をきっかけに再会する家族達の本音の数々が織りなして進んで行くのだが、どれもが身近なテーマばかりで身につまされてしまう。
交わされる言葉も家族間だからこそ愛憎混じって遠慮はなくて、限度を超すばかり。果たしてこのファミリーはどうなってしまうのだろう・・・。
それは是非劇場で見て感じ取ってください。
凄いです。
8月の家族たち は4月18日公開です。

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Copyright © 2013 AUGUST OC FILMS, INC. All Rights Reserved.

staff| 17:40

ネクスト・ゴール!2014年03月20日

昨日もフロンターレは負けた、
オーストラリアまで遠征して・・・。

さて、本題。
この素晴らしいドキュメンタリーの邦題は
「ネクスト・ゴール!世界最弱のサッカー代表チーム 0対31からの挑戦」と かなり長いが、原題は「Next Goal Wins」。
サッカーの、それもブラジル・ワールド・カップ予選という世界最高峰の大会へ挑む、世界最弱と揶揄されたサッカー・チームの実録である。

オリンピックやワールド・カップの出場枠を説明する時に
よく「国」と「地域」と言うが、
本作の舞台はその「地域」、アメリカ領サモア。
独立国サモアの南東に位置するアメリカ合衆国の自治領だ。

2001年、日韓ワールド・カップ予選でオーストラリアに
0対31という世界記録となる大差で惨敗、
FIFAランキング最下位になったアメリカ領サモア代表。

それでも諦めずに続けるチームの強化は
本国アメリカ・サッカー協会まで巻き込んでの本気もの。
とは言え、選手は全員アマチュア。
中には地元では第3の性として理解され
24時間女性として生きる「おねぇ選手」もいて個性派揃い。

地元は貧しく仕事も少なく、
それでもサッカーを続けたい若者は
最終手段として米軍に入隊し赴任地のチームでプレーする、
というエピソードには驚きを禁じ得ない。

そんな米領サモアにアメリカU-20代表を率いた経験を持つ
オランダ人監督がやって来て、
選手の意識を改革する等、チームは少しずつ強くなっていく。
そして・・・。

僕はサッカー・ファンだから当然のように強い関心をもったが、
いわゆる人間ドキュメンタリーとして面白く、
シリアス過ぎずに楽しめたのは
南国の人々の開放的な生活感のお陰だろう。

最近不安定な日本代表を心配する僕らも
これを見てサッカーの持つ本来の魅力を再確認出来る筈。

ネクスト・ゴール!世界最弱のサッカー代表チーム 0対31からの挑戦
5月17日(土)より全国順次公開です。

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©Next Goal Wins Limited.

staff| 09:52

ぼくたちの家族2014年03月19日

これは誰にでも起り得る問題をストレートに描いた、
家族サバイバル物語。
「舟を編む」で知名度・評価上がりっぱなしの
石井裕也監督最新作である。


元気だと信じて疑わなかった母が余命1週間を宣告され、非常で非情な事態に直面する男ばかりの家族。
当然大混乱に陥ってしまうし、事態は予断を許さないのだが、そこから如何にして歩み出すのか・・・。
血縁者とは、配偶者とは、頼れる人とは、医療機関とは、医師とは、etc映画を通じて見る側が感情移入し易い物語だ。

家族を演じるのは
妻夫木聡、原田美枝子、池松荘亮、長塚京三の4人。
原田美枝子は日本のケイト・ブランシェットかケイト・ウィンスレットだと今回も思わせる芝居っぷり。
長塚京三はいつもの「出来る男」イメージとは真逆の頼れない初老の短気を見事に体現。
そしてあまりにも長男らしい妻夫木聡と、ズバリ次男坊な池松荘亮の二人が好演して、ストーリーを牽引して行く見応え充分な約2時間。
題材ゆえに躊躇っていたが、見に行って良かったと今思う。

ぼくたちの家族」は5月24日公開です。

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staff| 14:46

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