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2012年04月29日
オンエア情報 -「五月花形歌舞伎」ほか
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歌舞伎ソムリエのおくだ健太郎です。

新橋演舞場では『五月花形歌舞伎』が始まります。夜の部は通し狂言「椿説弓張月」。これは三島由紀夫が書き下ろした作品なので歌舞伎としては新しい部類に属します。そういう作品は新しいテイストで書かれるのが普通なんですが、三島由紀夫は子どもの頃からの歌舞伎好きだったので、昔ながらの歌舞伎にとことんこだわりました。

滝沢馬琴の同名作品を原作に、平家に負けた源為朝を描く壮大な物語。伊豆大島に流された源為朝がいつか平家を倒したいと心に秘めながら、琉球へ渡ったり日本へ戻ってきたりしながら流転の人生を歩む歴史ファンタジーです。20歳の頃に日本の敗戦を経験した三島由紀夫は、この源為朝の生き様に日本という国を重ねていたのかもしれません。

源為朝を演じるのは市川染五郎さん。そして白縫姫というお姫様の役は玉三郎さんの出世作として知られますが、今回は中村七之助さんが演じます。「筋骨隆々の男性をはりつけにして、その姿を眺めながらお姫様が優雅に琴を弾く」なんていかにも三島ワールド的なシーンもあるので楽しみです。

続いて浅草の平成中村座でも『五月大歌舞伎』が始まります。「弥生の花浅草祭」という演目は浅草の三社祭の起源を踊りにした作品で、2人の兄弟が飛んだり跳ねたりの躍動的な踊りを繰り広げます。この作品を中村座のコンパクトな空間でやるのですがから、血湧き肉躍る舞台になるでしょう。染五郎さんと七之助さんは昼に平成中村座、夜に新橋演舞場へ出演。ご本人は大変でしょうが、追いかけたいくらいです。

| 21:00 | カテゴリー:歌舞伎
2012年03月25日
オンエア情報 -「四月花形歌舞伎」
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歌舞伎ソムリエのおくだ健太郎です。

新橋演舞場の『四月花形歌舞伎』は演目が「忠臣蔵」です。この時期に忠臣蔵というのもちょっと記憶にありませんが、華やかな顔ぶれでお楽しみいただけるでしょう。お昼の部では浅野内匠頭がどうして切腹しなければならなくなったのか、事の発端を描き、家臣の大石内蔵助が「絶対に仇を討つ!」と決意を固めるお話です。そして夜の部でその仇討ちがどういうプロセスを経て達成されたのかを描きます。

歌舞伎では塩冶判官(内匠頭)が切腹で亡くなる間際、大星由良之助(大石内蔵助)に後を託します。塩冶判官がお腹に刀を突き立てた瞬間、花道から由良之助が駆け込んで来るんです。息も絶え絶えの塩冶判官を見て、ショックのあまり倒れ込む由良之助。塩冶判官は「この刀は汝に形見、かたみ、かた……」と言いながら絶命します。この言葉は「かたみ」と「かたき」を掛けていることに気づき、由良之助は仇討ちを心に誓う……というお話がお昼の部です。

そして夜の部ではおなじみの討ち入りが描かれるのですが、歌舞伎はテレビと違ってプロセスをじっくり見せるスタンスだと個人的には感じています。仇討ちを達成する人々だけではなく、途中で腹を切らなければならなくなってしまう人もちゃんと描くんです。その早野勘平を演じるのが亀治郎さん。近々、猿之助の襲名が決まっている亀治郎さんですから、亀治郎時代の総決算になるでしょう。そんなところも見どころです。

| 21:00 | カテゴリー:歌舞伎
2012年01月29日
オンエア情報 -「二月大歌舞伎」
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歌舞伎ソムリエのおくだ健太郎です。

新橋演舞場では『二月大歌舞伎』。いよいよ中村勘太郎改め六代目中村勘九郎さんの襲名披露公演が始まります。今回の公演、山手線の駅などにもポスターが貼られていますが、怪しげな頭巾を被った目つきの鋭い修験者みたいな人が、ぶっとい数珠をくわえて睨みつけている写真をご覧になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。これがお昼の部に上演される「土蜘蛛」の写真です。

このお芝居は、怪しげなお坊さんに化けていた蜘蛛のお化けが、あるお殿様をやっつけに来る舞踊劇です。お殿様が病に伏せっているところへ僧がやってきて、霊験あらたかな祈祷でその病を治して差し上げようと申し出ます。そしていきなりの申し出に家臣が訝っていると、僧はこれまでにどれだけ厳しい修行に耐えてきたかをアピールするんです。

こんな山を越えて、崖をよじ登り、冷たい滝にうたれ、吹雪の中を耐え……そのアピールが踊りになっているのがこの舞踊劇の見どころで、勘九郎さんが踊ります。しかし壁に映った影で土蜘蛛は正体を見破られてしまい、最後は舞台満面に真っ白な糸をまき散らして去っていきます。そんなオカルトっぽいお話ではありますが、能が原作の格調高い名作です。

また夜の部には襲名披露公演に欠かせない「口上」や、こちらも踊りの名品中の名品「春興鏡獅子」があります。昼の部と夜の部、どちらも見どころがあるので、どちらを見るかは悩むところです。でもどちらでも勘九郎さんならではのシャープで快活なお芝居を堪能していただけると思います。

| 21:00 | カテゴリー:歌舞伎
2012年01月01日
オンエア情報 - 2011年 歌舞伎のイチオシ!
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歌舞伎ソムリエのおくだ健太郎です。

2月、中村勘太郎さんが「勘九郎」を襲名します。まず2月に新橋演舞場の『二月大歌舞伎』で襲名披露を行い、さらに3月にも浅草の『平成中村座』でも襲名披露を行います。「中村座」で「勘九郎」の襲名ですから、これはご本人も相当な意気込みなのではないでしょうか。

実は襲名に先立ち、浅草の観音様で「お練り」というイベントが行われたのですが、『平成中村座』の地元ということもあって大いに盛り上がりました。そんな熱気に溢れる襲名披露になると思います。とても楽しみです。

7月には「澤瀉屋(おもだかや)」の襲名もあります。いっぺんに何人襲名するんでしょう……市川猿之助さんが2代目・市川猿翁になり、市川亀治郎さんが4代目・市川猿之助を襲名。そして香川照之さんが9代目・市川中車(ちゅうしゃ)の名を継ぎ、さらに香川さんのお子さんも5代目・市川団子(だんこ)として歌舞伎デビューします。

香川さんが歌舞伎をやる場合、やっぱりずっと歌舞伎をやってきた人と較べてしまうと、どうしてもハンディキャップがあるはずです。でも猿之助さんのところは新しいテイストの歌舞伎を得意としているので、もしかしたらそれをプラスにできるかもしれません。そのあたりにも期待したいと思います。

| 21:00 | カテゴリー:歌舞伎
2011年10月30日
オンエア情報 -「平成中村座」
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歌舞伎ソムリエのおくだ健太郎です。

浅草・隅田公園では平成中村座『十一月大歌舞伎』が始まります。この公演、個人的に注目したいのが中村橋之助さんです。橋之助さんは先日、お父様の中村芝翫さんを亡くしました。悲しい出来事ではありますが、その悲しみを知って表現の深みに結びつけていくのが役者という仕事の宿命でもあります。

たとえば夜の部に「弁天娘女男白浪」という演目があります。「知らざあ言って聞かせやしょう」の名台詞でお馴染みの人気演目ですが、この手の派手なお芝居はともすると浮ついた雰囲気になりがちです。その雰囲気をピシッと引き締める役割が橋之助さん演じる盗賊グループのリーダー。橋之助さんは今回の悲しい出来事を乗り越えて、きっと素晴らしい舞台にしてくれるはずです。応援したい気持ちも含めて期待しています。

そしてやはり注目を集めるのが、体調不良から復帰した中村勘三郎さんです。お昼の部で「お祭り」という踊りを上演するのですが、実はこの演目、お父様の先代・勘三郎さんが病気から復活した時にも演じています。そして観客席の「待ってました!」の声に感極まり、涙で顔をグシャグシャにしながらアドリブで「待っていたとはありがてぇ!」と言ったんです。その後、それがそのままこの演目の定番になったので、今回も客席から「待ってました!」の声が盛大に飛ぶことでしょう。こちらも楽しみです。

| 21:00 | カテゴリー:歌舞伎
2011年08月28日
オンエア情報 -「秀山祭九月大歌舞伎」
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歌舞伎ソムリエのおくだ健太郎です。

新橋演舞場では『秀山祭九月大歌舞伎』が始まります。この公演では襲名披露も行われますが、個人的には「中村歌昇改め三代目中村又五郎」の襲名に思い入れがあります。というのも歌昇さんは、私が大好きな中村吉右衛門さんのお芝居に欠かせない存在として、長年地道に頑張ってきた方だからです。今回襲名する「又五郎」という名前は、数年前に歌舞伎界の最長齢で亡くなられた方の名前でした。その名前を歌昇さんが継ぐのは本当に嬉しく思います。

ちなみに、一般的に「襲名披露」でイメージされる舞台上での挨拶を「口上」と言うのですが、今回は夜の部に行われるようです。そしてその「口上」の後には襲名する2人が出演するお芝居も上演されます。今回の演目は「車引」という三つ子兄弟のお話で、もともと仲の良い兄弟たちが、菅原道真と道真を左遷した人に別れて仕えてしまったがために仲違いをしてしまう物語です。

主人である道真の牛車を引いていると、ご主人様を追いやった憎いあいつの牛車が向こうからやってきます。3兄弟の1人、梅王丸は真っ赤な梅のような顔で「殴り込みだ!」と意気込みます。この梅王丸を又五郎さんが演じるのですが、その顔は「歌舞伎」と聞くと誰もが思い浮かべる隈取(くまどり)のビジュアルです。そして憎き敵のもとへ駆け寄ると、兄弟である松王丸がいて……というお話。その松王丸は吉右衛門さんが演じます。歌舞伎らしい歌舞伎をご堪能いただけるお芝居です。

| 21:00 | カテゴリー:歌舞伎
2011年06月26日
オンエア情報 -「七月大歌舞伎」
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歌舞伎ソムリエのおくだ健太郎です。

今度の日曜日から新橋演舞場で『七月大歌舞伎』が始まります。この公演は市川海老蔵さんの約1年ぶりとなる復帰が注目を集めていますが、もうすぐお子さんが産まれる予定でもありますし、いいタイミングなのではないでしょうか。海老蔵さんは9月に大阪、10月に名古屋でも公演が決まっていますし、完全復帰と言って良いと思います。

お昼の部では「勧進帳」が上演されます。これは復帰公演だから選んだのでしょう、「これぞ市川家!」という演目です。團十郎さんが弁慶を、海老蔵さんが関守の富樫を演じるますが、実は9月の大阪公演では演じる役を逆にして同じ演目を上演します。今回の復帰に込めた気持ちが感じられるようです。

個人的には同じくお昼の部の「楊貴妃」という演目に注目しています。これは昭和に大佛次郎が中国史上の有名な美女・楊貴妃を描いた作品です。楊貴妃は玄宗皇帝の皇太子の妻で、夫を亡くして尼寺に籠もっているのですが、ひそかに高力士という男性を想いながら暮らしています。その美貌の男・高力士を演じるのが海老蔵さんです。

そんな楊貴妃のもとへ「玄宗皇帝の妻にならないか」という使者がやってくるのですが、その使者として選ばれたのが高力士でした。しかもその高力士は宦官(去勢した官吏)なんです。宦官といえども精神的に女性を求める部分は消えていないとあって、かなり複雑な人間関係が展開します。屈折しながらも見どころの多いお芝居です。

| 21:00 | カテゴリー:歌舞伎
2011年05月01日
オンエア情報 -「五月花形歌舞伎」
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歌舞伎ソムリエのおくだ健太郎です。

今月は明治座で『五月花形歌舞伎』が行われます。日本橋浜町は昔からの色町で、風情のある佇まい。その浜町で明治6年から続いている伝統ある劇場が明治座です。ここで実に16年ぶりとなる歌舞伎の公演が行われます。

「花形歌舞伎」というのは若い世代が中心となって行う公演のこと。今回も染五郎さん、勘太郎さん、勘太郎さん、七之助さんといった若い役者さんたちが舞台の上で火花を散らします。

お昼の部では〈義経千本桜〉から「川連法眼館」というお芝居が上演されます。これは親思いのキツネが両親の皮が張られている鼓を受け取って、宙乗りで帰っていくシーンがクライマックスなんですが、猿之助さんが当たりに当てた役としても知られています。今回はその役を甥っ子の亀治郎さんが演じるということで注目です。

同じくお昼の部の「蝶の道行」はファンタジックな舞踊です。お芝居でカップルの道行(みちゆき)と言えば悲劇へと繋がるものですが、この演目は「蝶の妖精のカップル」にすることで幻想的に描きます。演じるのは染五郎さんと七之助さんの2人です。

さらにお昼の部の最後は〈恋飛脚大和往来〉から「封印切」。今風に言えば、挑発に乗って思わず会社のお金に手を付けてしまった男が、女のために金包みの封を切ってしまうお話です。その男を演じるのは勘太郎さん、そして挑発する嫌みな金持ちの恋敵を染五郎さんが演じます。かなり格好の良い悪役になりそうで、そのあたりも楽しみです。

| 21:00 | カテゴリー:歌舞伎
2011年03月27日
オンエア情報 -「四月大歌舞伎」
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歌舞伎ソムリエのおくだ健太郎です。

震災の時、新橋演舞場では『三月大歌舞伎』の上演中で、ちょうど吉右衛門さんが花道に出てきたところだったみたいです。その場はとりあえずきりの良いところまでやって、その後は中止。さらに数日のお休みもありましたが、今のところ4月は予定通りに『四月大歌舞伎』を行うことになっています。

その『四月大歌舞伎』から、今日は夜の部の「権三と助十」という演目をご紹介しましょう。このお芝居は、とある長屋で行われる年に1度の井戸の大掃除のお話です。井戸といえば今風に言えばライフライン。そういうモノを他人任せにするのではなく、自分たちで大切に守るその姿勢は、今回の震災で海外を驚かせた「日本人のマナーの良さ」に通じる部分を感じさせます。

さて、物語ではその大掃除の最中に、えん罪事件が巻き起こります。長屋の住民に殺人犯の疑いで投獄され牢屋で死んでしまった人がいたのですが、その息子が江戸にやってきて「父はそんな人間ではないので調べてほしい」と訴えるんです。

長屋の住民は協力して真犯人を突き止めます。そして有名な大岡越前守は、それまで犯人と言われていた父親を「そんな悪事を働く人間ではない」と見越して、獄中で死んだと見せかけて保護していました。それは真犯人を捕まえるためだった……という物語です。

長屋の住民とお上が協力して事件に取り組む姿勢は、みんなで井戸を掃除する姿勢と重なって、とても微笑ましく感じられます。助十を演じる松緑さんは「こういう状況の中、心苦しさもあるけど、日本人の心を描くことに意味があるのでは」と仰っていました。ぜひそうなって欲しいと思います。

| 21:00 | カテゴリー:歌舞伎
2011年01月02日
オンエア情報 - 2011年 歌舞伎のイチオシ!
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歌舞伎ソムリエのおくだ健太郎です。

お正月といえば歌舞伎。今年は元日からル・テアトル銀座で『坂東玉三郎 特別公演』が行われています。「壇浦兜軍記」の阿古屋という、とても美しい演目が上演されているのでオススメです。

また同じくお正月公演、新橋演舞場の『壽 初春大歌舞伎』では、「寿曽我対面」という演目に中村吉右衛門さんが出演します。工藤祐経という大名のところに若い兄弟が「親の仇!」となだれこんで来るお話で、中村吉右衛門さんが工藤祐経を初めて演じるので非常に楽しみです。

11月からは東京スカイツリーのお膝元、隅田公園で中村勘三郎さんの『平成中村座』がなんと7ヶ月という長期公演を行います。2012年春の東京スカイツリー開業に合わせた公演ではありますが、その背景にあるのはやはり歌舞伎座の建て替え工事でしょう。個々の役者さんが主体的に動きやすいので、こういった異例の公演ができるんです。

歌舞伎座の建て替え工事の影響で、様々な動きのある1年になりそうな歌舞伎界。ちなみに鹿野さんがお気に入りの「歌舞伎座の隣にあった美味しいオムライスのある喫茶店」はすぐ横の路地に移って営業していますのでご心配なく。本当に美味しくて、役者の皆さんも楽屋に取り寄せていたくらいなのでオススメです。

| 21:00 | カテゴリー:歌舞伎
2010年12月10日
玉三郎 ル テアトル銀座

おくだ健太郎・歌舞伎ソムリエです。
1/2〜20に、ル テアトル銀座 で行われる、
坂東玉三郎さんの公演から
「壇浦兜軍記(だんのうら かぶとぐんき)」という芝居をご紹介しましょう。
これは、ヒロインの名をとって、
「阿古屋」(あこや)、と呼ばれることが多い、いわゆる「法廷ドラマ」です。

京都・五条坂の遊女・阿古屋は、
平家のつわもの・景清(かげきよ)と愛し合っています。
おなかには子供も宿しています。

源平合戦の決着がつき、落ち武者となってしまった景清。
その行方がわかりません。阿古屋にもわかりません。悲しいです。
なのに彼女は、落ち武者狩りの裁判に証人として引きだされる。
「やつの行方を吐け」と、執拗に迫られるんです。

ただし、主任の裁判官が、なかなか「イキ」なんですね。
琴と三味線と胡弓をとりそろえて、「演奏しなさい」と。
つまり、音色に乱れがあるかないか、で、
おまえの証言がウソかまことか、聞きわけてみよう、と提案する。
この裁判官・重忠(しげただ)を今回演じるのが、中村獅童です。

阿古屋は、無心で、三つの楽器をそれぞれ、奏でます。
とくに、さいごの胡弓。後半に感情をこめたロングパートがあります。
ここは、鶴の巣ごもり、といって、
ひなを育てる親鶴の心情を曲にしたものなんですよ。
阿古屋の状況と一致してるんです。
静かに耳をかたむける重忠。さぁ、くだされた判決は。。。という一幕です。

演奏がうまいだけでもだめ、姿かたちが美しいだけでもだめ、
かといって、景清恋しい・逢いたい、の心情だけが突出していても、
内容として重たく湿っぽくなってしまいます。
そのバランスが、女形のパフォーマンスとしての、味わいどころです。
今回は、劇場のキャパからいっても、
「法廷劇」にぴったりの濃密な臨場感が出ると思います。
豪華けんらんな阿古屋の衣裳のなかでも、
帯にほどこされたクジャクの美しさ、見逃さないでくださいね。
だんだんこのクジャクが、泣いてるように。。。阿古屋の分身のように
見えてくるんですよ、ホントに。

午後2時開演。 1/9 1/14 は午後6時半開演。
1/11 は休演です。
詳細はこちらをご覧下さい。

| 06:16 | カテゴリー:歌舞伎
2010年12月07日
寿曽我対面 これぞ初芝居

おくだ健太郎・歌舞伎ソムリエです。
お正月の歌舞伎公演、きょうは新橋演舞場の話題。
ひるの部(11時開演)の
「寿曽我対面」(ことぶき そがの たいめん)について。
初曽我(はつそが)といって、これは、
俳句の季語にもなっているくらい、お正月の歌舞伎を象徴する一幕です。

曽我十郎・五郎兄弟、という人気キャラが、江戸の芝居には、ありました。
この兄弟、幼いころに討たれた父親の、かたき討ちを、
18歳に成長してから見事果たした、鎌倉時代に実在した2人です。
それが、江戸の芝居で、とにかく観衆の支持を得たんです。
とくに、弟の五郎。やんちゃで暴れん坊で、
強い相手に立ち向かっていく姿が、大人気だったんですね。
廓を舞台にあばれまくり・モテまくりの助六というキャラがいますが、
あれも、「正体は曽我五郎」という設定になってるくらいですから。

で、「対面」の一幕ですが、これは
親のかたき・工藤(くどう)という大名の、新春の宴に、
兄弟が目通りをゆるされて、ここで初めて2人は工藤の顔を知る、
という場面なんです。

やんちゃな五郎・・・荒事(あらごと)の歯切れ良い役者
おだやかな十郎・・・和事(わごと)のマイルドな役者
威風堂々の工藤・・・座頭(ざがしら)格の大看板役者
宴をいろどる遊女たち・・・女形のスター

という感じで、歌舞伎の主だった役柄を、一同にそろえた配役になります。
お正月のテレビ特番で、そのときの芸能界の人気者が
ずらりと顔をそろえる。。。あの雰囲気とおなじです。

江戸には、幕府公認の芝居小屋は3つあったんですが、
原則として、3座すべてが毎年、曽我兄弟の新作を、
正月〜5月末にかけて、3回公演に分けてロングランしたんです。
で、正月公演のフィナーレは3座とも、「対面」の趣向でした。
「ついに親のかたきと対面した兄弟。かたき討ちはかなうのか?
 さぁその結末は。。。つづきはぜひ、3月公演で!」
てなかんじで、役者衆が勢ぞろいで「対面」の舞台を演じることで
「今年もぜひご来場を」と呼びかけていたんですね、観客に。

工藤・中村吉右衛門  
五郎・坂東三津五郎  
十郎・中村梅玉(ばいぎょく)
をはじめ、今回も魅力的な配役で、平成の「初曽我」。ご堪能ください。
1/2〜26 の公演です。
(この一幕、イヤホンガイドを担当しますので、
 よろしければお聞きくださいませ)

| 08:31 | カテゴリー:歌舞伎
2010年12月06日
お正月 国立劇場

おくだ健太郎・歌舞伎ソムリエです。
あくる年・1月の歌舞伎公演。きょうは国立劇場について。
「四天王御江戸鏑」(してんのう おえどの かぶらや)

ほぼ200年ぶりに復活上演されるこの芝居、
三代目尾上菊五郎の襲名披露のために書かれたものです。
三代目菊五郎は、「四谷怪談」が初演されたとき、
お岩さんを演じたことでも有名です。
菊五郎、菊之助、音羽屋(おとわや)、というと、
いかにも江戸前のすっきりとした芸風、のイメージが強いですが、
その一方でこの家は、怪談、妖怪変化の芝居とも、
とてもつながりが深いんです。

「四天王」に話をもどすと、
平安時代の有名な妖怪退治のお話・土蜘蛛(つちぐも)伝説、が
物語の軸になるようです。
「四天王」とは、この土蜘蛛のお化けと戦った
つわもの・源頼光(みなもとの よりみつ)につかえた、四人の家来をさします。
この「チーム頼光」には、妖怪退治のエピソードがいくつもあって、
それをもとにお能や歌舞伎の作品もたくさん作られているんです。

関東きっての猛者と呼ばれた平将門(たいらのまさかど)の
息子・良門(よしかど)が、
土蜘蛛のパワーを借りて、チーム頼光と激突、というわけで、
今回も土蜘蛛の宙乗り(自分の糸でつりあがるのでしょうか???)をはじめ、
さまざまなスペクタクルで盛り上がる、国立劇場のお正月。
尾上菊五郎 菊之助 松緑 中村時蔵など、
ここのところ同劇場の年明けには欠かせないメンバーが今回も勢ぞろいです。

1/3〜27の公演。12時開演。 14(金)と21(金)は16時開演。
なお、お正月にちなんで、こんな特典も。お楽しみに。
1/3   10時50分ころより     鏡開き
1/3〜7 幕間もしくは開演前に   獅子舞
1/14〜16  二階ロビーにて    御茶席
1/3〜27 公演途中に舞台から   手ぬぐいまき

| 08:13 | カテゴリー:歌舞伎
2010年12月04日
新春 浅草歌舞伎

おくだ健太郎・歌舞伎ソムリエです。
今月は、あくる2011年のお正月の歌舞伎公演を、
順次ご紹介していきましょう。

きょうは浅草。1/2(日)が初日です。
市川亀治郎  片岡愛之助  中村七之助  中村亀鶴(きかく)
うん、今回もエネルギッシュな座組みです。

黒い振りそでの女装、カゴに乗った侍くずれ、ドスの効いた坊主くずれ、の
三者三様のアウトローが暗躍する「三人吉三」(さんにんきちさ)

独楽(こま)回しの芸人が、ラストには独楽と同化してしまう。。。
カフカの「変身」を日本舞踊にしたような、シュールな一幕「独楽」

盲目の沢市と女房お里、そして観音さまの奇跡の
純愛ストーリー「壺坂霊験記」(つぼさか れいげんき)

江戸きっての色男・助六と恋仲の揚巻(あげまき)おいらんの芝居「助六」に
いろいろとアレンジを加えたパロディ「黒手組助六」

第一部(11時開演) 第二部(15時開演) それぞれ2本ずつ、
魅力的な演目が並んでいます。
浅草寺への初もうでと共に、ぜひお運びください。
この公演、毎年、客席の晴れ着率(とくに若い女性)がすごく高い。
新春気分という点では、東京の歌舞伎公演のなかでも、トップじゃないかな。
場内を歩いてるだけで、座席に座ってるだけで、ウキウキしてきますよ。
そして、芝居がはねたら、ぜひ浅草の町にくりだして、
食べて飲んで丸一日、たっぷり楽しんでくださいね!

| 06:52 | カテゴリー:歌舞伎
2010年11月09日
忠臣蔵 その2

おくだ健太郎・歌舞伎ソムリエです。
忠臣蔵の早野勘平という男について
もう少しご紹介しましょう。

彼も、れっきとした、塩冶家(史実では浅野家)の家臣です。
ところが、いわゆる「殿中だ!」の一大事の真っ最中に、
職場を抜け出て恋人のお軽(塩冶家の腰元)と
デートしてた。間が悪いにもほどがありますねぇ(笑)
「そろそろ戻らなくちゃ」と帰ってみたら、
ご主君は切腹、屋敷は没収、と
とんでもないことになっていたので、
うしろめたくなって、そのままお軽の郷里・山崎
(京都の西郊外。サントリーの工場があるあたり)
へと、落ちのびていったのです。

この、ふたりの逃避行を、舞踊仕立てにした一幕が、
12月の国立劇場の公演でも、上演されます。
「とんでもないことになった・・・」と、沈痛な勘平。
これに対してお軽は。。。どことなく楽しそう。
ハネムーン感覚が、そこはかとなく漂ってます。
徒歩だと京都まで、2週間くらいか。。。
たしかに、二人っきりの時間を、たっぷり過ごせるわけですよね。
お軽は、なんていうのかな、イノセントな女です。
ある意味、究極の小悪魔かもしれないな。

原作すべてを上演すると、その後いろいろとあって、
けっきょく勘平は、仇討へ参加して汚名返上を、
という願いはかなわぬまま、非業の死をとげてしまう。
お軽は、京都の色街・祇園町へと身を売って、遊女となります。
勘平が腹を切ってしまう場面は、今回は割愛。
祇園・一力茶屋で、お軽は、
放蕩ざんまい、と見せかけて仇討を目指す由良之助と
虚々実々のやりとりを交わします。

このとき、由良之助は、無念の死をとげた勘平のかわりに、と
お軽に刀を持たせて、仇討の妨害をするスパイを退治します。
これで亡き勘平も、すこしは救われたんじゃないかな。
死んでしまったのだから、
討ち入りの戦力にはならないわけですよ、勘平は。
でも、同士の一人であることは間違いない。。。という配慮を
由良之助は怠らない。情がありますねぇ。
ここらへんの味わい・リーダーとしての行き届き方は、
ぜひ劇場でご覧くださいね。
(一力茶屋の場面〜ラストの討ち入りまでの
イヤホンガイドを担当します。よろしければお聞きください)

12/3〜26 国立劇場
勘平・市川染五郎  お軽・中村福助  由良之助・松本幸四郎

| 13:54 | カテゴリー:歌舞伎
2010年11月08日
国立劇場の忠臣蔵

おくだ健太郎・歌舞伎ソムリエです。
ことしもこの季節が近づいてきました〜
12月の国立劇場の歌舞伎公演。
「仮名手本忠臣蔵」のご紹介です。

まるまる全部を通して上演すると、
こんにちの興行形態では、
一日通しても入りきらないのが、この大戯曲。
ということもあって今回は、

「殿中だ!」のせりふでもおなじみの刃傷の場面

ご主君の切腹・そこに駆けつける大星由良之助(大石内蔵助の劇中名)

色男・早野勘平(はやのかんぺい)の逃避行

祇園一力茶屋での由良之助の遊興ぶりと仇討を志す本心

そして雪の討ち入りで締めくくり

5つのパートに見どころを凝縮した構成です。
単発のテレビ時代劇などで「忠臣蔵」を見たときと、
だいだい同じ流れ・感じ、になるんじゃないかな、と思います。
松本幸四郎・市川染五郎の父子共演に
中村福助が女形として加わります。

公演の真っ最中・12/14が、まさに討ち入り当日。
熱心なファンの中にはこの日、
劇場と泉岳寺の義士祭とをハシゴする方も
いらっしゃるかもしれませんね。

歌舞伎では、しんしんと雪が降るさまを
「ドン  ドン  ドン 。。。」と、
たいこの響きをうまく用いて表現します。
「忠臣蔵」の討ち入りは、この雪の太鼓と
おなじみの陣太鼓とが、なんともいえぬハーモニーを生むんですねぇ。
おなかに響くあの低音。やっぱりこれですね、日本の年の瀬は!

12/3〜26 国立劇場。
11時半開演  10(金) 17(金)は16時開演です。
(9日がすでに貸切となっています)

| 11:16 | カテゴリー:歌舞伎
2010年11月06日
達陀(だったん) 炎の祭典!

歌舞伎ソムリエ・おくだ健太郎です。
昨日につづいて、
12月の日生劇場の歌舞伎について書きます。
きょうは、二本めの舞踊劇
「達陀」(だったん)のご紹介です。

この作品の題材は、奈良の東大寺・二月堂の
お水取り。。。正式名称は修二会(しゅにえ)です。
お堂の欄干に赤々と炎が、かがよう、
ニュース映像でもおなじみの、あの儀式。
堂内ではおおぜいの僧たちが、法会に厳粛に臨んでいます。
それを取り仕切る、僧・集慶。
かつて彼にも、甘い恋の日々がありました。
その相手の情念が、法会の真っ最中に、
忽然と現れて、せまってくるんですねぇ。

あなたが忘れられない。。。悩ましいアプローチですねぇ。
東大寺の僧といえども、ひとりの男に変わりはないからなぁ。
でも、集慶は、それを絶ち切ります。
煩悩を払いのけて、たいまつが赤々と燃え盛る二月堂のなかで、
おおぜいの僧。。。これを「練行衆」(れんぎょうしゅう)と呼びます、と共に、
祈りの儀式・達陀に専心します。

この行法の群舞が、すごいすごい!
めらめら、きらきら、と降り注ぐ火の粉のなかで、
お堂の床板を踏みならす何人もの足音が、
舞台じゅう、劇場じゅうに響きわたります。
この振付けは、昭和42年に初演のときの役者さんが、
じっさいの二月堂の訪問・取材をもとに
綿密なプランをたてて作り上げた傑作です。

歌舞伎は、スターシステムの演劇だから、逆にいえば
バレエやチアリーディングのような、
集団・チームとしての舞踊表現は少ないんですよ。
それを180度転換して完成された、まさしく炎の祭典!
ことしは奈良遷都1300年でしたよね。
そのさいごの一か月を飾るにふさわしい舞台です。

尾上松緑、中村時蔵、ほかの出演。
「達陀」 日生劇場 12/2〜25の上演です。

| 09:33 | カテゴリー:歌舞伎
2010年11月05日
日生劇場で12月に歌舞伎!

歌舞伎ソムリエ・おくだ健太郎です。
銀座の歌舞伎座では、先日、
リニューアルに向けての鍬入れ・竣工式がありましたが、
その歌舞伎座が建つまでは、
ほかのさまざまな劇場でも、随時歌舞伎公演があります。

12/2〜25は、日生劇場にて、12月大歌舞伎。
プログラムは2本立です。
きょうはそのうちの
「摂州合邦辻」(せっしゅう がっぽうがつじ)というお芝居をご紹介します。
若い美貌の継母(ままはは)と、大名家の御曹司との、
禁断の恋を軸に展開するストーリーです。

御曹司には、きれいなお姫さまが、すでにフィアンセにいる。
にもかかわらず、惚れちゃうんですねぇ、継母はわが子に。
どこかギリシア悲劇を思わせる設定。
ただし。。。この「道ならぬ片思い」の背後には、
大名家のピンチを救うための、継母の命がけの計略が隠されています。

美貌の継母・玉手御前(たまてごぜん)を尾上菊之助。
その父・合邦道心(がっぽうどうしん)を尾上菊五郎。
じっさいの親子キャスティングでご覧いただきます。
「なんてけしからんことを!」と、
父はカンカンなわけですよ、玉手に対して。
でも、恋をあきらめる気はさらさらない玉手。
ここらへんの父娘の対峙、見ごたえ満点です。

かつて「ミモザ館」という、フランス映画の傑作がありました。
これも、息子に恋する美貌の継母のお話だった。
フランソワズ・ロゼーという大女優が、
典雅に、かつ情感ゆたかに、母役を演じました。
(このヒロインが南仏のリゾートで経営する宿の名が、ミモザ館です)
映画解説の淀川長治さんは、歌舞伎も大好きでしたから、
この「ミモザ館」を説明するときは、かならず玉手御前のことを、
ひきあいに出してらっしゃいましたね。

玉手御前のお芝居「摂州合邦辻」は、
12/2〜25、日生劇場での上演です。

| 13:52 | カテゴリー:歌舞伎
2010年10月31日
オンエア情報 -「吉例顔見世大歌舞伎」
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歌舞伎ソムリエのおくだ健太郎です。

新橋演舞場の『吉例顔見世大歌舞伎』。もともと歌舞伎界では11月が年度初めでした。師走は気ぜわしくて歌舞伎どころじゃないので、前倒しでお正月気分を盛り上げて「今年はこんなラインナップでいきます」と挨拶していたんです。それが「顔見世」の由縁です。

そのお昼の部は通し狂言「天衣紛上野初花《河内山と直侍》」。河内山というのはお坊さんくずれの貫禄ある押し出しの強い男で、セクハラまがいのお殿様から腰元を助けてやろうとします。もっとも、この男もけっこう悪いヤツなので「礼金ははずめよ」みたいな感じです。

もう1人の主役は片岡直次郎(直侍)で、こちらは男前のお尋ね者。雪のそぼ降る晩に江戸を逃れようとしているのですが、江戸最後の思い出に蕎麦を食べていこうと蕎麦屋に立ち寄ります。ちなみに歌舞伎では食事の場面がほとんどないのですが、この場面だけは本物の蕎麦を食べます。

さて、その蕎麦屋に常連の按摩(マッサージ師)がやってきます。その按摩がこれから仕事に行く先は、どうやら直侍の恋人の家のよう。そこで直侍は按摩に「今から会いに行く」という手紙を託し、追われる身でありながら恋人のもとへと向かいます。

そんな2人の悪党、河内山と直侍の運命を描いたロマンティックで切ない物語。河内山を幸四郎さん、直侍を菊五郎さんが演じます。僕も大好きな作品です。

| 21:00 | カテゴリー:歌舞伎
2010年10月18日
忍ぶの惣太(そうだ)

歌舞伎ソムリエ・おくだ健太郎です。
11月の新橋演舞場公演で、
私がイヤホンガイドを担当する演目は、
夜の部のさいご、「忍ぶの惣太」というお芝居です。
京都の吉田家という名家に起こる
お家騒動が物語の土台で、
松若丸、梅若丸のおぼっちゃま兄弟が
行方不明になったり殺されたり、
お家の宝・都鳥の印が紛失したり、と
いろんな出来事がめまぐるしく展開していきます。

このお宝の名前にちなんで、
お芝居の正式名称は「都鳥廓白浪」(みやこどり ながれのしらなみ)
廓(くるわ)と書いて「ながれ」と読ませる。。。これは、
行方不明の松若丸が、流れ流れて、
なんと表向きは高級遊女、じつは盗賊になってるんです。
白浪ってのは、これは、盗賊を示す歌舞伎のキーワードです。

その遊女を身請け(大金で買い取る)するのが、
吉田家の家来・忍ぶの惣太で。。。わぁ、人物関係メチャクチャですね。
こういう入り組んだ筋立ては、
あんまり詳しく追わないのが、たのしい観劇のコツ。
流れに身をまかすような感じでOKです。

一番のおすすめは、ラストの立ち廻り(たちまわり)です。
なんと、ご飯やおかず(お魚、つけもの などなど)を
食べながら、あるいは捕り手たちに食べさせながら、
松若丸が繰り広げる、
その名も「おまんまの立ち廻り」!

ほどよきところで給仕の男にお茶までさいそくする、
落語の「まんじゅうこわい」も顔負けの、このバカバカしさ。
理屈ぬきに盛り上がってください。
松若丸が尾上菊之助、
めしを盛るのが尾上菊五郎、の父子共演です。

11/1〜25 新橋演舞場 夜の部は16時半開演です。

| 13:42 | カテゴリー:歌舞伎


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