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東京コンシェルジュ 八木 亜希子
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2012年05月13日
今週のゲスト - 立川志らくさん
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こんばんは、立川志らくです。

私は映画の監督や劇団の主宰などいろんな事に挑戦していますが、やっぱりこれは師匠(昨年11月に亡くなった立川談志さん)の影響だと思います。師匠は落語が衰退していた時期に「その原因は落語家の勉強不足にある」と考えていたようで「お前はバカになるなよ」と教えられました。それでいろんな世界を勉強しようと考えたからこそ今の自分があるんだと思います。

ここ数年は落語もずいぶん見直されて、人気の落語家は独演会のチケットが取れないと言われるくらいです。志の輔、談春、昇太、喬太郎、花緑などがその代表なんですが、その半分くらいは談志が拵えた落語家。自分も含めて同世代で仲が良いので、落語界の中心になっていい雰囲気でやっています。そんな状況を見届けてから亡くなった師匠は、落語の未来に関しては心配していなかったと思います。

5月30日から新宿シアターモリエールでは下町ダニーローズ『演劇らくご/談志のおもちゃ箱』を上演します。これは最初に落語を聞いていただき、その続きを現代劇で上演する企画シリーズで、今回はシェイクスピアの『ヴェニスの商人』をベースに、談志が十八番にしていた落語「黄金餅」とその後日談をお楽しみいただけます。落語は前半を私、後半を談志の映像でご覧いただくリレー落語。現代劇にも談志が好きだった映画や音楽のネタを盛り込んで、師匠があの世から見に来たら「よくぞオレのために作った」と言ってもらえる内容です。談志ファンの皆様にも存分に楽しんでいただけるのではないかと思います。

| 21:00 | カテゴリー:ゲストゲストゲスト
2012年05月06日
今週のゲスト - 阿部寛さん
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こんばんは、阿部寛です。

俳優デビューから25年。もともとモデルでしたから、最初は何も分からず、戸惑うことばかりでした。そんな中、つかこうへいさんの舞台をやらせていただいて、1つ1つ俳優としての楽しみを学んだんです。その時は「バイセクシャルで元棒高跳びの選手の部長刑事」という過激な役。つか先生は「お前らはいいよな、舞台で狂気を振るうだけ振るって、最後に“ありがとうございました”と頭を下げればいいんだから、ストレスは溜まらないだろ」と仰っていましたが、本当にその通りだと思います(笑)。

先月は蜷川幸雄さんの舞台『シンベリン』に出演させていただきました。蜷川さんの舞台は4回目ですが、シェイクスピアは初めてで、相手役の大竹しのぶさんとご一緒させていただくのも初めて。しかもロンドン公演(5月29日から)もあるという「初」ずくめで、始まる前は恐怖を感じたほどです。でもやってみたら意外とセリフが僕に合っているような気がして「僕の女王、僕の恋人……姫、どうかもう泣かないで」なんて大仰なセリフも今では平気で言えるようになりました。

公開中の映画『テルマエ・ロマエ』はとにかく楽しい撮影現場でした。いい年した濃い顔の俳優たちが集まってローマ人を演じています。上戸彩ちゃんは後からローマのロケ現場に来たんですが、違和感がなさすぎて僕がどこにいるのか分からなかったそうです。古代ローマ帝国の浴場設計技師が現代日本の銭湯にタイムスリップしてしまう人気コミックの実写映画化。本当に弾けた楽しい映画で、僕自身も大いに楽しませてもらいました。ぜひ劇場で皆さんにも楽しんでいただきたいと思います。

| 21:00 | カテゴリー:ゲストゲストゲスト
2012年04月29日
今週のゲスト - 岡部一己さん
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こんばんは、岡部一己と申します。

私は麹町のフランス料理店「オーグードゥジュール」をはじめ7店舗を経営するオーグードゥジュール・グループの代表ですが、もともとはフランス料理店のギャルソンとしてこの仕事を始め、現在もオーナー兼ギャルソンとして働いています。ギャルソンとはフランス料理店でサービスをする人全般の総称です。お客様と接し、調理場との橋渡しをする役割を担います。

ギャルソンとして心がけているのはお客様の一挙手一投足を見逃さないよう観察することです。歩き方や声のトーンから眉毛の動きまで見逃さず、そこから察せられるお客様の求めるサービスをする。もちろんすべてを察せられるわけではありませんが、1つ1つ微調整をしながらできる限りお客様の希望に添えるよう努力しています。

実は先月、『フレンチ前菜食堂 ボン・グゥ 神楽坂』という新しいコンセプトのお店を始めました。イタリア料理にはパスタやピザに特化したお店がありますが、フランス料理にはそういうお店がありません。そこでいろんなバリエーションが楽しめる「前菜」に特化したお店を作ろうと思ってこのお店を始めました。

1つずつの料理に大・中・小の3サイズをご用意しておりますので、しっかり食べたい方も、いろんな種類を食べたい方もご満足いただけると思います。フランス料理というと敷居が高い印象がありますが、みんなでワイワイガヤガヤと食べて飲んで盛り上がっていただけるカジュアルなお店です。ぜひ気軽にお立ち寄りいただければと思います。

| 21:00 | カテゴリー:ゲスト
2012年04月22日
今週のゲスト - 杉本博司さん
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こんばんは、現代美術作家の杉本博司です。

デジタル時代の到来で、従来の「写真」の時代は終わったと考えています。1839年に銀塩写真が発表されて以来、そこに写ったものは「本当にあったこと」と信じられてきました。だからこそパリ・コミューンで革命軍の首領がバリケードの上に立って凱歌を上げる写真は、裁判で証拠として採用され彼らは死刑になったんです。

でも今、警察はデジタル写真を証拠として採用しません。ご承知の通り、デジタル写真はどのようにでも加工できるからです。つまりデジタル写真は従来の写真と異なり、自分が思ったとおりに描くことができる「絵」だと考えています。僕は「最後の銀塩写真家」になりつつありますが、それならそれで、そのうち人間国宝にでも指定してもらえればと(笑)。

現在、原美術館で個展『ハダカから被服へ』を開催しています。1920年代のシャネルやポワレから現代までの流れがわかる資料が京都服飾文化研究財団にあったので、それを撮影することで「近代とは何か」が分かるのではないかと思っていたのですが、途中から「人類はどうやって近代に至ったのか」まで行こうと考えました。

かつて人間は猿でした。しかし「失楽園」で描かれているように、あるとき人間は禁断の果実を食べ、自分が裸でいることを知り、恥ずかしいという気持ちを抱くようになります。それは外界と自分の認識であり、心の発生とも言えます。そしてイチジクの葉で性器を隠したように、衣服を身につけることによって自分の心を表すようになったんです。

そんな人間と服の関係をこの個展で改めて感じていただければと思います。

| 21:00 | カテゴリー:ゲストゲスト
2012年04月15日
今週のゲスト - 吉野繁さん
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こんばんは、『東京スカイツリー』の設計デザインを担当した日建設計の吉野繁です。

従来、電波塔として使われてきた東京タワーの周辺に高層ビルが建ち並んだので、もっと高いところから電波を発信しようという意図で作られたのが東京スカイツリーです。国内では300mクラスまでのビルしかなかったので、634mという高さは設計も施工も未知の部分があり、苦労もありました。

たとえば上空300m以上の風の記録が日本にはありません。そこで気球を飛ばして風の強さを計ったりもしました。結果的に国交省が出しているグラフに近い値だったんですが、最大級の台風が来ると上空では毎秒120mくらいの風が吹きます。その風にも耐えられるような設計をしました。

クライアントである東武鉄道さんと初めてお会いしたのは2005年のお正月でした。普通は「何階建てのオフィスを」などと依頼されるものですが、東武鉄道さんは「時空を超えた風景を作って下さい」とかなりザックリとした依頼をされ、出席した設計事務所の面々が皆「???」と戸惑いながら帰ったのを覚えています。

大きな地震が起こった時はテレビが重要な情報源となるので、電波塔はテレビ放送がちゃんと発信しつづけられる事が求められます。それをはるかに超える巨大地震なら倒れないことが絶対条件です。そこで奈良の法隆寺の構造を参考に、塔の中心に心柱(しんばしら)を据え、心柱の揺れと周りの鉄骨の揺れ方が違うことで、お互いに揺れを吸収しあう制震構造を採用しました。

ちなみに「傾いて見える」という噂は三角形特有の目の錯覚です。たとえば錦糸町から見れば傾いているようには見えないんですが、浅草や曳舟の南あたりから見ると傾いて見えます。機会があったら注意してご覧になって下さい。

| 21:00 | カテゴリー:ゲスト
2012年04月08日
今週のゲスト - 佐藤卓さん
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こんばんは、グラフィックデザイナーの佐藤卓です。

プロダクトデザインの依頼から完成に至るプロセスはモノによって様々です。ロッテの『キシリトールガム』なら、まず最初に「虫歯にならない画期的な甘味料を使ったガムです」という説明を受けた時に「デンタル」というアイデアが浮かびました。そのコンセプトさえ決まれば後は「歯磨き粉みたいなデザインのチューインガムのパッケージ」を作るだけ。それほど悩むことはありません。

美術大学を出ているような人は、みんな絵や彫刻などの自己表現を志しています。私もその1人ですが、デザインの世界で仕事をするようになってからは「やりたいことをやる」のではなく「やるべきことをやる」と考えるようになりました。極力、自己表現を持ち込まないように心がけているので、私が関わった仕事を並べても同じ人間が関わっているとは分からないと思います。

たまたまなんですが、今度、3つも展覧会が重なることになりました。まず銀座の巷房という趣のあるビルのギャラリーで『光で歩く人』。これはすごく小さなソーラーパネルで動き続けるロボットを展示します。わずかなエネルギーをどう活かすかというアイデアをご覧下さい。続いて上野の国立科学博物館では『縄文人展』。こちらは写真家・上田義彦さんの写真で「縄文人の人骨」をご覧いただけます。資料的な展示が本分の科学博物館に芸術的な視点を持ち込む企画です。

そして六本木ミッドタウンの21_21 DESIGN SIGHTでは『テマヒマ展 〈東北の食と住〉』。これは東北に伝わる伝統的な道具を紹介する展覧会で、「手間暇をかける」という日本の文化を再確認できればと考えています。こんな展覧会にも足をお運びいただけましたら幸いです。

| 21:00 | カテゴリー:ゲストゲスト
2012年04月01日
今週のゲスト - 福岡伸一さん
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こんばんは、青山学院大学教授の福岡伸一です。

私は分子生物学を専門とする学者ですが、フェルメール・センター銀座で開催中の『フェルメール光の王国展』では企画・総合監修を手がけています。フェルメールという画家は現存する作品が37点しかありません。世界中に散らばるその37点のリ・クリエイト作品を一堂に展示し、フェルメールの人生そのものを体験できるような夢の企画です。

リ・クリエイト作品とはフェルメールの絵の画像データを元に、フェルメールが描いた当時の色彩や質感を再現したこれまでにない複製画です。現存する作品は350年も前の絵なので、本物ではあっても劣化したり色がくすんでしまったりしています。それをデジタルリマスタリング技術によって当時の瑞々しさに戻したという次第です。

フェルメールの絵が全部揃ってみると、最初から上手かったわけではなく、何を描くべきか模索しながら徐々に自分のスタイルを確立していったことが分かります。「ここに転換点があったのか」「この絵とこの絵は同じ服装じゃないか」なんていろんなことを気付いたりもします。

さらにこの展覧会では微生物学の父、レーウェンフックの顕微鏡スケッチの複製も展示しています。レーウェンフックは「スケッチは友達の画家に頼んだ」と書き残しているのですが、実はレーウェンフックとフェルメールはオランダのデルフトという小さい町のご近所同士でした。これは私の仮説なのですが、あまりに上手すぎるそのスケッチは、1点も残っていないとされるフェルメールのスケッチなのでは……そんなロマンもお楽しみいただければと思います。

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2012年03月25日
今週のゲスト - 堤幸彦さん
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こんばんは、演出家で映画監督の堤幸彦です。

4月7日から公開される映画『劇場版 SPEC 〜天〜』ですが、ここだけの話、ドラマを撮っている最中は自分でもワケが分からないまま撮っている部分もありました。なにせプロデューサーの植田さんと脚本家の西荻さんが作る脚本があまりに深すぎて、行間に込められた意味を読み取ろうとすると時間が掛かりすぎたんです。連続ドラマはスピードの作業なので、若干分からないまま飛ばした部分がありました。

そのツケがスペシャルと映画で回ってきました。ワケが分からないまま撮りながら、さらに現場でくだらないギャグを足したりしているので、ご覧になっている方は本当に分からないんじゃないかと心配しているのですが、果たしてどうでしょう。もともと台本にあったギャグもありますが、言い間違いや勘違いのギャグやツッコミはだいたい現場で作っています。

実はギャグも撮った数は倍くらいあるんです。それを編集で、音処理で、試写で見て、見るに堪えるだろうと判断したモノだけ厳選して採用しています。戸田恵梨香さんと加瀬亮さんはあまり小ネタギャグをシレッと言うタイプではないので、だからこそ私の無内容なギャグが際立ったのではないでしょうか。お二人には本当に感謝しています。自分で言うと嘘くさいのが困りものですが(笑)。

そんな『劇場版 SPEC 〜天〜』、ドラマ版を予習してご覧いただくのはもちろん、映画をご覧になってからドラマ版を復習されても構いませんし、映画を見たきりでも良いです。とりあえず劇場に足をお運びいただければと思います。

| 21:00 | カテゴリー:ゲストゲスト
2012年03月18日
今週のゲスト - 加藤雅也さん
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こんばんは、加藤雅也です。

4月1日から青山劇場で『SAMURAI 7』という舞台に出演します。これは黒澤明監督の映画『七人の侍』を原作にしたアニメ『サムライ7』の舞台化で、今回が3回目の再演になります。僕が演じるのはカンベエという役で、原作で言えば志村喬さんが演じていらっしゃったリーダー役です。

ただ、原作では志村喬さんは参謀としてみんなを動かす役割を担っていましたが、この作品のカンベエは一番の切り込み隊長なので、ずっと闘いっぱなしなんです。とにかくシンドくて、僕としては「悪いヤツらとの闘い」じゃなくて「年齢との闘い」という気分です。

出演者は一部を除いて毎回変わっているのですが、初演の時は6週間も稽古をして、再演の時も5週間、僕が「長すぎても本番までに疲れちゃう」と言ったせいか今回は3週間になり、逆に短すぎて休みが取れず、さらにシンドくなってしまいました。

実はこの作品が僕にとっては初舞台だったので、最初は「とにかく台詞を忘れずにやる」を目標にやっていました。それから回を重ねるごとに少しずつ成長してきた姿をご覧いただければと思います。基本的には同じストーリーなので、何回も見に来て下さる方にも「何か違う」と思っていただけるようには僕なりに考えていますので、ぜひ劇場へ足をお運び下さい。

とにかく殺陣が多いので、年齢的に怪我だけはしないよう注意しながら頑張ります(笑)。

| 21:00 | カテゴリー:ゲストゲスト
2012年03月04日
今週のゲスト - 星野源さん
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こんばんは、星野源です。

僕は学生の時から音楽と演劇を両方やってきたのですが「ちょっと売れたから手を出してみたんでしょ」みたいに誤解されることがずっとストレスで(苦笑)。でもやっと最近、ずっと種をまいていたモノが一つずつ花になっているような状況なので、すごく楽しくやらせてもらっています。

3月17日からはPARCO劇場で『テキサス』というお芝居に出演します。脚本が長塚圭史さんで、演出は河原雅彦さんという豪華な顔ぶれ。俳優として松尾スズキさんの劇団『大人計画』に所属させてもらったり、一度だけですけどケラリーノ・サンドロヴィッチさんの演出助手をやらせてもらったり、すごい方々との出会いの中で勉強させてもらっています。

ケラさんの演出助手というのは本当に雑用係で、すごく怒られたりもしましたが、スタッフの方の気持ちが分かるようになりました。松尾スズキさんは高1の時に初めて舞台を見て「いい人ぶってんじゃねえ!」と自分の中の殻を壊された感じです。ただ、劇団に入って僕も舞台に立たせてもらうようになったら、なぜか全裸ばかりでしたが(笑)。

今回の『テキサス』では都会から故郷に戻ってきた主人公の青年を演じます。一見のどかな風景の中で、笑いを交えつつ人間の毒と闇をはらんで凄惨な状況へと進んでいく「長塚新喜劇」。長塚圭史さんが吉本新喜劇をやったらきっとこんな舞台になると思います。劇場でお楽しみいただけたら幸いです。

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2012年02月26日
今週のゲスト - 野村萬斎さん
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こんばんは、野村萬斎です。

僕は世田谷パブリックシアターの芸術監督をやらせていただいています。この劇場は世田谷区が運営する公共の劇場。民間の劇場ならお客さんが入ってナンボという部分もありますが、公共劇場なので広く長く財産になるような作品作りを心がけています。

その世田谷パブリックシアターで3月6日から三島由紀夫の『サド侯爵夫人』を上演します。「サディズム」という言葉を生み出したサド侯爵。その奥さんが主人公の物語ですから「サド侯爵の奥さんはやっぱり……?」なんて、つい想像してしまいます。そこまで単純ではないのですが、いろいろ想像していただければと(笑)。

三島由紀夫の流麗な文章で一種の「官能の世界」を描いたこの作品。今ならそういう世界に興味を持ったらネットでいくらでも検索できてしまいますが、それができなかった時代に言葉だけで表現しきった三島由紀夫はやっぱり天才だったのでしょう。破廉恥かもしれない表現と美とがせめぎ合うセリフをお楽しみ下さい。

フランス革命が背景なので、登場人物はみんなロココ調の服を着ています。だから言葉もそれに合わせてすごくデコラティブで長くなっているんです。その長いセリフをダラダラと喋ると意味が分からなくなってしまうので、緊張感を持ってハッキリと喋るような演出を心がけています。

主演の蒼井優さんと美波さん、2人の若手女優さんは約半年にわたってずっと稽古をしてきました。世田谷パブリックシアターの芸術監督に就任して9年が経ちましたが、今までで一番大きな作品作りになっているかもしれません。劇場へ足をお運びいただけましたら幸いです。

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2012年02月19日
今週のゲスト - マーク・ダイサムさんとアストリッド・クラインさん
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こんばんは、建築家のマーク・ダイサムとアストリッド・クラインです。

私たちはもう20年以上に渡って日本で活動しています。イギリスの大学を卒業した後に日本へ来て、ずっと日本で活動しているので、もう動くこともないかなと思って、日本で『クライン・ダイサム・アーキテクツ』という事務所も設立しました。

『代官山T-SITE』のデザインを手掛けるにあたっては、東京の一等地で、あれだけ広い敷地ですから、ちゃんとコンテクストに合う建物を作らなくては……とかなりのプレッシャーを感じました。全国の建築家73グループが参加した大規模なコンペティションで私たちのデザインが選ばれたのは嬉しい限りです。

最近は建築だけでなく『ペチャクチャナイト』というイベントも行っています。これは「1枚20秒のスライドを20枚」というフォーマットでクリエイターがアイデアを発信するプレゼンテーション・イベントで、元々は喋りの下手な建築家のために考えたフォーマットでした。それをいろんなテーマや業種の人にも広げたのがこのイベントです。

この『ペチャクチャナイト』、現在は世界中で行われていて、東京では毎月最終水曜日に六本木のSuperDeluxeというお店で開催しています。公式サイトでは世界中のプレゼンテーションがご覧いただけますので、ぜひ覗いてみて下さい。そして六本木の催しにも参加していただければと思います。

| 21:00 | カテゴリー:ゲストゲスト
2012年02月12日
今週のゲスト - 温水洋一さん
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こんばんは、温水洋一です。

今まで出演した作品の中で一番印象に残っているのは、12年前にはじめて明石家さんまさんと共演させていただいた舞台です。その中でさんまさんと僕が漫才をするシーンがあったのですが、日本を代表するお笑いの巨匠との漫才ですから本当に緊張しましたし、ものすごく勉強にもなりました。「あの経験をしたから今がある」というくらいの経験でした。

今度の金曜日からシアターコクーンで、そのさんまさんが主演の舞台『PRESS 〜プレス〜』に出演させていただきます。さんまさんを筆頭に楽しい方が揃っているので、稽古場は楽しい雰囲気ではありますが、稽古は稽古。皆さん真剣に取り組んでいます。セリフもちゃんと台本をベースに、さらに面白くできるアドリブを入れる隙があればその場で考える、という感じです。

アドリブの部分を主導するのはやっぱりさんまさんです。よく「そこをもうちょっとこう言ってみて」と口立てで言うのですが、そのスピードは台本に書き込む暇もないくらい早くて、慣れていない僕らは大変です。それでも必死でついていこうと頑張っています。

1960年代の高度成長期、大阪の堂島に本社を構えるスポーツ新聞社が舞台の物語。僕は文化部のカメラマン兼記者で、国民的アイドルと俳優のスクープを撮ってきます。それをきっかけに新聞社の中でドタバタが始まり、最後はその記事が1面に載るのか載らないのか?!というお話です。さんまさんはおちゃらけたダメな新聞記者に見えますが、最後には格好良いところを見せます。ぜひご期待下さい。(※前売り券は完売ですが当日券があります。)

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2012年02月05日
今週のゲスト - 飯塚健さん
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こんばんは、映画監督の飯塚健です。

昨日から公開中の映画『荒川アンダー ザ ブリッジ THE MOVIE』は荒川の河川敷を舞台に、荒川地区の再開発を進めようとする大財閥の御曹司と、河川敷で暮らす個性豊かな住民たちの交流を描いたコメディです。

ドラマ版もやったので「ドラマの映画化」と思われがちですが、実は映画が先で、後からドラマを作ることになったので、一般的な「ドラマの映画化」とは少し違います。むしろドラマ版が映画のプレイベントのような意識だったので、タッチもテイストもまったく違うんです。

ドラマ版では原作コミックをベースに、1回あたり3つのショートギャグをやるだけやって逃げる、みたいな感じでした。だからドラマ版は大きなカタルシスは何も語らずに終わっています。でも映画はお客さんを2時間の旅に連れて行くことでお金をいただくモノ。ドラマ版のようなわけにはいかないので、2時間のストーリーをちゃんと描いています。

ちなみに小栗旬クンは「(河童の着ぐるみを着る)村長の役をやりたいんですけど」と自ら立候補してくれました。さらに「友人の山田孝之も星(の被り物をつける元ミュージシャン役)をやりたいと言ってるんです」と。その山田クンの被り物は、被り物と顔の境界を分かりにくくするために、とんでもない技術が使われています。

そして主演の林遣都クンと桐谷美玲さんの2人は、20歳そこそこと非常に若いにも関わらず、先輩たち(城田優さん、井上和香さん、浅野和之さん、高嶋政宏さん、上川隆也さん等も出演)の中で頑張って、すごく頼もしい俳優に成長してくれました。ぜひ劇場でお楽しみいただければと思います。

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2012年01月22日
今週のゲスト - 平泉成さん
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こんばんは、平泉成です。

僕も出演した『家政婦のミタ』はおかげさまですごい視聴率で話題になりましたが、正直、最初に台本を読んだ時は「暗い話だし、悪ければ(視聴率が)1桁だなぁ」と思いました。ところが蓋を開けてみれば第1話が19.5%。そこからトントン拍子ですから驚きました。

松嶋菜々子さんはほとんどまばたきをせずに演技をしていましたけど、あれはけっこうキツイんです。相武紗季さんも嫌われる役を徹底してやっていましたし、皆さんご苦労が多かっただろうと思います。僕は「昔いた頑固で偉そうなおじいちゃんで、とにかく嫌われるようにやって」と言われました。

ベッドで怒るシーンでは涙と一緒に鼻水が出て、芝居をしながらパジャマで拭こうかどうか悩みました。結局そのままにしたんですが、あぶらっこい鼻水がポタンと落ちてくれず、2本の長い筋になってぶら下がってしまったんです。しかもライトが逆から当たっているせいで光ってかなり目立つ。「CGで消そうか、そのままにしようか」なんて監督と相談したりもしました。

そのシーン、本当は泣こうと思っていたわけではないんです。でも結ちゃんや希衣ちゃんの「おじいちゃんも家族だよね?私たちの!」というセリフで泣かされてしまいました。彼女たちは本当に上手で、48年この仕事をしてきた僕は、7歳の希衣ちゃんに負けてしまうんです。これは彼女たちが素直に役と向き合っているから。大人はつい格好つけたいと思ってしまうので、そうならないよう気をつけています。

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2012年01月15日
今週のゲスト - 北村有起哉さん
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こんばんは、俳優の北村有起哉です。

現在、紀伊國屋サザンシアターで上演中のミュージカル『十一ぴきのネコ』に出演しています。おなじみの絵本を題材に、井上ひさしさんが戯曲化した作品で、演出は長塚圭史さん。お腹を空かせた野良猫たちがいるところに僕が演じるリーダーのネコが颯爽と現れて「遠くの大きな湖にすごく大きな魚がいるから、それを食べにみんなで行こう!」と呼びかけ、大きな湖を目指してネコたちが旅をするお話です。

原作は子ども向けの絵本ですが、井上ひさしさんの脚色なので大人向けの毒気あるユーモアがたっぷりねじ込まれています。とはいえ品のないセリフはないので、お子さまも楽しめる内容です。ちなみに「ミュージカル」は全然やったことがなかったのですが、今回はそういう俳優が厳選されて集まっているので、そういう人間がガムシャラに頑張っているところもお楽しみいただけます(笑)。

僕はよく人から「良い声ですね」と言われますが、この低くて特徴ある地声は父親(俳優の北村和夫さん)譲りです。でも今回の舞台ではかなりトーンを上げて「にゃん太郎だよ!」なんて言っています。歌も「♪ニャーゴローニャーゴロー」という感じで、この地声はまったく活かしてません(笑)。やっぱりそこは作品ありきなので、地声を活かすのはまたの機会にするとして、今回はネコたちの活躍をお楽しみいただければと思います。

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2012年01月08日
今週のゲスト - ミッキー・カーチスさん
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こんばんは、五十嵐信次郎です。もちろんミッキー・カーチスでもあるのですが、今は俳優・五十嵐信次郎として活動していますので、「イガシン」ということでお願いします(笑)。

今度の土曜日に公開する映画『ロボジー』に出演するにあたり、この俳優名を使うことにしました。そもそもは撮影中に監督から「何か漢字の名前ないですか?」と聞かれたのが最初でした。タイトル『ロボジー』がカタカナだし、音楽もミッキー吉野。さらに主演ミッキー・カーチスだとワケがわからなくなってしまう……ということじゃないでしょうか。

200人以上のオーディションもちゃんと受けました。ただし後から矢口監督に話を聞いたら、僕の役は73歳という設定なので「腰が痛くて動けない」「熱があって行けない」等の理由でオーディションに来られない人が続出したらしいです(笑)。矢口監督は『ウォーターボーイズ』『スウィングガールズ』などで若い人の映画を撮ってきたから「73歳とはこういう事なのか」と驚いたとか。

実際問題、撮影中にその人が倒れたら映画ができなくなってしまいます。そこで「痩せてて、元気で、芝居のできる人」として僕が採用されたんだと思います。ヒゲを剃って、頭も刈り上げて、73歳のド新人「五十嵐信次郎」として挑んだ映画『ロボジー』。劇場でお楽しみいただければと思います。

それから明後日には初の自伝『おれと戦争と音楽と』も出版されます。談志師匠がまだ元気だった頃に「死んでからワケわかんないヤツにいろいろ書かれるの嫌だろ?テメーで書けよ」と言われて書いた1冊です。談志師匠との思い出も綴っていますので、手に取っていただけましたら幸いです。

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2011年12月18日
今週のゲスト - 鹿賀丈史さん
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こんばんは、鹿賀丈史です。

1月7日から日生劇場で上演するミュージカル『ラ・カージュ オ・フォール』は3年ぶりの再演です。再演とは言っても3年分、歳をとっているわけで、この歳になると1年1年かわっていきますから、どこか違う表現が出てくるのが普通だと思います。というか、前のことを覚えていないんですよ(笑)。だからとっても新鮮な気持ちで臨んでいます。

共演のいっちゃん(市村正親さん)とは劇団四季時代からの付き合いですから、もう39年ですか。お互いに知り尽くしているとはいえ、最近いっちゃんは人生が変わりましたからねぇ(笑)。もうすぐ2人目が生まれるらしいですし。ちなみに3年前は(篠原涼子さんと)結婚した後でしたけど、この舞台ではゲイの役を演じてました。

物語の主人公はゲイクラブの経営者(鹿賀さん)と、そのゲイクラブの看板スター(市村さん)の夫婦。その夫婦が巻き込まれる騒動を描くのですが、ゲイの芝居って役者にとってはおもしろいんですよね。男でありながら女性の気持ちも半分持っているわけで、普通の男の役では表現しきれない部分も表現できてしまうせいか、心がパカーンと開いた気持ちになれます。これが本当に気持ちいいんです。

いっちゃんの役は「女装しているゲイ」で、僕の役は「普通のゲイ」(というセリフがあるんです)。この普通のゲイというのがなかなか難しいのですが、今回は前回よりも3年分人生経験を積んだことですし(笑)、より理解を深めて少し濃くしてみようかなんて考えています。そんなところも劇場でご覧いただければと思います。

| 21:00 | カテゴリー:ゲストゲスト
2011年12月11日
今週のゲスト - 高畑淳子さん
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こんばんは、高畑淳子です。

木曜日から世田谷パブリックシアターで始まるお芝居『欲望という名の電車』に出演させていただきます。この戯曲は女優さんが最後の最後に挑戦してコレで果てる、みたいなイメージがあります。役の上では40歳前の女性なんですが、本当に40歳前の女優さんだとちょっと若すぎる感じで、実際に50〜60代の女優さんが演じるケースが多いんです。杉村春子先生は80を過ぎても演じていらっしゃったとか。

主人公ブランチは、大農園を持つ名家で育ったのですが、すべてを失ってしまい、ニューオリンズで妹夫婦の所に身を寄せます。農園を失い、美貌を失い、恋人を失い、自分の持つモノをすべて失った時に精神性で生きようとするその姿は、舞台という虚構の中で生きる女優の生き方に重なります。さらに気持ちがジェットコースターのように上下するところも女優っぽいですね(笑)。

今回は世界的ピアニストの小曽根真さんの生演奏が入ります。実際にニューオリンズに行って取材した時に見つけた荒れ果てた遊園地をモチーフに、大道芸人が人間の喜怒哀楽を天空から見ている、というイメージで小曽根さんが曲を奏でます。その演奏はまさに至福で、『欲望という名の電車』というよりも『小曽根さんの欲望』という感じです。

女優という仕事は人から依頼されてやるのが一番いい形だと思っているので、私が自分から「やらせてほしい」とお願いしたのは後にも先にもこの作品だけ。ぜひ劇場でご覧いただければと思います。

| 21:00 | カテゴリー:ゲストゲスト
2011年12月04日
今週のゲスト - いのうえひでのりさん
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こんばんは、演出家・劇作家のいのうえひでのりです。

僕が主宰する劇団☆新感線は去年で結成30周年を迎えました。最初の5年くらいはつかこうへいさんのコピー劇団で、その頃は筧利夫クンや渡辺いっけいクンも在籍していました。その後、オリジナル作品を上演するようになった頃に古田新太が入ってきて、今に至っているという感じです。

大阪で活動していた僕たちが東京に出て来たのは1988年。当時はまるで遣唐使のような気分で「もう帰って来れないんじゃないか」と思ったものです。だからシアタートップスに張り出し舞台を作って照明や機材を積み上げ、客席が70人くらいしか入れなくなっても「とにかく驚かせてやろう」と考えました。

そんな30年を経て、今でもテーマとして求め続けているのは「ミュージカル」です。日本語がちゃんとのったロックミュージカルを成立させたいと試行錯誤を繰り返しています。そして、その原点となった作品が今回上演する『ロッキー・ホラー・ショー』です。

この作品はリチャード・オブライエンの原作・作詞・作曲によるロックミュージカルで、グラムロック、ホモセクシュアル、SFなど、カルトな要素がふんだんに盛り込まれたホラーコメディ。出てくる人はみんなデタラメで変態ばかりなんですが、曲はキャッチーですごく楽しいし、最後も「ちょっといいモノを見た」と勘違いさせるような、特別な作品です。

主演は古田新太で、フランケンシュタインハウスのオーナーをしている変わった博士を演じます。その他、中村倫也クン、笹本玲奈ちゃん、岡本健一さんなども出演。映画版のファンの方が見ても「なるほどねぇ」と納得してもらえる内容にしようと思っていますので、ぜひ2時間お楽しみいただければと思います。

| 21:00 | カテゴリー:ゲストゲスト


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