編集者で映画評論家の清水節です。
『しあわせのパン』は原田知世と大泉洋の主演映画。北海道、洞爺湖のほとりのパンカフェを舞台に、そこを訪れた客たちの物語をオムニバス風(グランドホテル形式)に描きます。北海道の景色はキレイなんですが絵はがきの域を出ませんし、人々のドラマも表面的で物足りなさを感じてしまいます。それでも原田知世が良いので許せました。おそらくヒットするでしょう。
『麒麟の翼 〜劇場版・新参者〜』は東野圭吾の人気小説を原作にしたテレビドラマの劇場版。不可解な死を遂げた男の謎を阿部寛扮する刑事が追い掛けるのですが、ハリウッド映画なら5〜10分で済ませるであろうミステリーの解明に1時間もかけるんです。監督はTBSのディレクターで『いま、会いにゆきます』を撮った人ですが、演出的なアプローチの大失敗と言わざるをえません。中井貴一、新垣結衣など役者は豪華ですが、残念です。
『J・エドガー』はFBIの有名なフーバー長官の物語。実はこの人、FBIが誕生した時から48年間に渡ってFBI長官を務めた人物です。存命中はアメリカの正義のシンボルのような扱いをされましたが、その一方で様々ないわく付きの噂や伝説の絶えなかった人でもあります。8人もの大統領から解任されることなく長官を務め続けることができた背景には何があったのか、それを暴きます。単純に権力に取り憑かれた人間というわけでもありません。とにかくすごい映画なのでオススメです。