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2008年12月31日
いがみの権太 市川海老蔵

歌舞伎ソムリエ・おくだです。
昨日ぼくは、新橋演舞場の舞台稽古を見ていました。
演目は、「義経千本桜」。
こないだここでもご紹介した、市川海老蔵が
モノクロで「おおっ」と写っているポスターの演目です。
来月はこの芝居でイヤホンガイドを担当します。

さて、海老蔵扮する主人公・いがみの権太は、
奈良の吉野山のふもとのすしや
(といっても、川魚のアユを用いた、
マス寿司をもっとぐちゃぐちゃにすっぱくしたような、発酵食品です)
の長男です。でも遊び金ほしさにワルさに明け暮れ、
勘当されてしまいました。

こんなダメ息子でも、母はかわいいんですね、
小づかいをせびられても断りきれない。父親にはナイショで
売上げのなかからこっそり。。。ってかんじで、
序盤は笑いの要素もふんだんにお話がすすみますが、
最後はかなしい幕切れをむかえるお芝居です。

さて、奈良の山里のワル・権太ですが、
セリフまわしといい身のこなしといい、
すきっと歯切れいい、江戸前そのもののキャラです。

これはつまり、むかし、江戸でこの芝居が上演されるうちに
当時の江戸っ子にとって親しみやすい権太のイメージが定着したんですね。
もっさり関西弁で山の田舎風のことばづかいを
リアルに話されても、お客は、エンタメとして、楽しみにくいわけ。
ワルで親不幸で、という設定は変えずに、
そのワルぶりを、むしろ江戸ッ子の「ちゃきちゃき感」で強調したのです。

ヨーロッパが舞台の物語も、
ハリウッドで撮られれば、せりふは英語になります。
演じる俳優が、原作のキャラと極端にずれていなければ、
映画として大きな破たんは生じません。
それと似たような感覚で、むかしの歌舞伎芝居も
つくられていたんでしょうね。

とんだ親不幸、と思いきや。。。
意外な思いやり・人としての温かさを、
芝居の佳境になればなるほど鮮烈に見せる権太。
海老蔵、今回が初役の熱演に期待が高まります。
1/3〜27の上演。

| 14:13 | カテゴリー:歌舞伎
2008年12月30日
年末年始に観るべきスペインの秀作、『永遠のこどもたち』。

エディター&ライターの清水節です。

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■ 日本映画に気圧されがちな洋画だが、この正月休みには『WALL・E/ウォーリー』『地球が静止する日』『ワールド・オブ・ライズ』あたりが、頑張ってる。ハリウッド・メジャー系からヨーロッパ系に眼を転じるなら、是非観て欲しいのが、『永遠のこどもたち』だ。プロデュースは、ダーク・ファンタジーの傑作『パンズ・ラビリンス』のギレルモ・デル・トロ。2008年アカデミー外国映画賞のスペイン代表作品である。宣伝的には、『シックス・センス』や『アザーズ』を彷彿とさせるスピリチュル・ホラーとして括られているようだが、エンディングのどんでん返しの瞬間に全てを懸けたような演出とは、やや赴きが異なる。舞台は、スペインの海辺に立つ広大な屋敷。そこはかつて、孤児院だった。ヒロインは、自分が育ったその屋敷を買い取り、夫と幼い息子とともに暮らし始める。彼女には、障害のある子たちの施設として屋敷を再建する目的があった。しかし、ある日突然、息子が失踪してしまう。わが子を必死に捜すうちに、忘れ去られていた過去や真実が明らかになっていく――。厳かな撮影、控えめな音楽。もちろんゴシックホラーとしても秀逸なのだが、恐怖や衝撃は抑制され、むしろヒロインの心の奥深くへ分け入っていくファンタジーとして見事な出来映え。ヒロインに扮するのは、『海を飛ぶ夢』のデビューしたベレン・ルエダ。彼女の好演が、ホラーを超えた母と子の絆のドラマを支えている。

※レビューは、こちら


| 22:34 | カテゴリー:映画
2008年12月30日
大晦日はこんな過ごし方も!

音楽コンシェルジュ(クラシック担当)・片桐です。もう明日は大晦日ですね。早いです。まだ明日の予定が決まってない、なんて方はいるのでしょうか? もし、いらしたら、こんな過ごし方は如何でしょう?
 まず、歌舞伎座で行われる「METライブビューイング」。何回かお知らせしましたが、普段は映画館で行われている上映が、歌舞伎座で行われるのは、大晦日だけ。しかも2008〜09年のシーズン・オープングを飾ったメトを代表するプリマドンナ、ルネ・フレミングのガラ・コンサート。演目はマスネの「マノン」、ヴェルディの「椿姫」、R・シュトラウスの「カプリッチョ」からそれぞれ1幕づつを選んだ豪華なもの。しかも、それぞれの衣装を、ジョン・ガリアーノ、クリチャン・ラクロワ、カール・ラガフェルドが担当しているという話題もあります。
 上映は、11時と15時、約3時間ほどですが、メトのオープニングは年中行事の中でも最も華やかなものです。年末に見るのも楽しいでしょう。

 もっと本格的に、という方には、東京オペラシティで行われる「16人のピアニストによるベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲演奏会」というものもあります。全32曲のソナタを16人が弾き分けるのです。11時スタートで、終演予定は25時、つまり午前1時。16コマの演奏会が連続するもので、1コマづつの鑑賞も可能です。自分の好きなソナタだけを聴くも良し、気が向いた時に行くも良し。暮れ行く年をベートーヴェンと共に過ごすというのも、悪くないですね。
 ベートーヴェンなら、交響曲全曲演奏会も東京文化会館であります。こちらは14時スタートで、24時45分頃終演予定。ちょうど年をまたぐ時間帯に「第九」が演奏されることになりますね。今年の指揮者は小林研一郎さん。全曲をひとりで振るというすごいイベントです。

 他にも、Bunkamuraや横浜みなとみらいホールでもジルベスターコンサートが行われますが、残念ながらチケットは売りきれ。人気演奏会となっているんですね。こうした演奏会の後に、初詣というパターンなのでしょうか? 
 僕は2010年春にはなくなってしまうという歌舞伎座で「METライブビューイング」を見に行きます。
 新年の「ニューイヤーコンサート」に関しては、また明日にでも。

| 22:10 | カテゴリー:クラシック
2008年12月30日
舞台稽古はじまる!

歌舞伎ソムリエ・おくだです。
新春の興行へむけて、各劇場とも
お稽古がヒートアップしてきました。

月はじめから25日くらいまで公演がつづく歌舞伎では、
月末のほんの数日間だけが、みんなが集まっての稽古期間です。
それまでは、翌月に演ずる役を、
各自がいわば「自主トレ」でたたきこんでおきます。
自己責任で相応のレベルまでは仕上げて、
ほんの数日間、合同での調整をしたら、
すぐに本番(初日)をむかえる。

プロ野球の自主トレ・キャンプでいうと、
日本のそれよりも、メジャーリーグの感覚に近いですよね。
何クールも練習をかさねるんじゃなくて、
いつでも開幕できる状態に各自でしておけ、というプロならではの「つき放し」が
歌舞伎の芸をささえています。
もちろん、新作や久々の上演作だと、お稽古も
もっと綿密になりますけどね。

劇場の飾り付けも
着々と新春モードへと、しつらえがすすんでいます。
江戸時代には、芝居小屋の正月準備を見るために、
かなりの人だかりができて、
なんとその人出目当てに屋台まで集まってきていたとか。
年末年始のお買いもののついでに
歌舞伎座周辺の雰囲気をご覧になるのも
楽しいかもしれませんよ。

ちなみに歌舞伎座では、月末には
正面玄関のところに
「本日は舞台稽古のために
休演させていただきます」
という立て看板が、たいてい出ています。
これはこれで、目にすると
「芝居の現場なんだなぁ、ここは」という実感が
じんわりわいてくる、いいものです。
外国からの観光客なのかな、
ちょっと残念そうに建物を見上げたり
カメラのシャッターを切ったりしています。
パリのオペラ座前とかも、おなじような雰囲気ですよね。
劇場に国境なし、でしょうか、まさに。

| 09:21 | カテゴリー:歌舞伎
2008年12月28日
「上海」特別編 - 基礎知識
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ニューヨークを抜いて「世界一、高層ビルが多い街」に急成長した国際的な大都市・上海。現在は東京の約3倍の面積に、約1858万人の人が住んでいます。

羽田からはわずか約2時間半のこの上海。2010年には万博を控え、これからますます注目を集めそうです。そこで今回、八木コンシェルジュが実際に上海まで足を運び、注目の最新スポットやお勧めの観光情報を取材してきました!

案内をして下さったのは上海コンシェルジュの小森あゆみさん。上海に住むようになってもうすぐ5年で、上海の情報番組などにも出演している上海情報のスペシャリストです。それでは小森さん、よろしくお願いします!

| 21:00 | カテゴリー:ロケ情報
2008年12月28日
「上海」特別編 - 豫園(よえん)
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小森さんが最初に案内して下さったのは、上海虹橋国際空港から車で30分くらいの「豫園(よえん)」という庭園です。小森さん曰く「上海観光といえばまずはココ」とのこと。

豫園は450年くらい前に、とあるお金持ちがお父さんのために作った庭で、昔は現在の2倍もの広さがあったのだとか。それが50年前に現在の広さになり、一般公開の庭園「豫園」となったのだそうです。

その豫園に足を踏み入れると歩きにくく感じるほどの混雑ぶりです。ところが小森さんによると「これはまだ空いている方で、旧正月には歩けなくなるくらいの混雑になります」とのこと。さすがは上海一の人気観光スポットです。

池の上には上海でもっとも古いお茶屋さん「湖心亭茶室」がありました。こちらで小森さんが勧めて下さったのは「工芸茶」。お湯を入れると器の中でお花が開く、見た目も楽しめるお茶です。中国の人はその器に何度もお湯を注ぎ足して、何時間もお喋りに興じるのが何よりの楽しみなのだそうです。

| 21:00 | カテゴリー:ロケ情報
2008年12月28日
「上海」特別編 - 新天地

次に小森さんが連れて行って下さったのは「新天地」という場所でした。こちらは豫園とはガラリと変わって煉瓦と石畳の洋風な佇まい。実はここ、2001年に誕生したばかりの上海でも新しい人気スポットなのだそうです。

かつては「フランス租界地」として人が住んでいた地域を再開発して、最新のレストランなどが軒を連ねる商業地域にしたこの新天地。週末になると欧米人などが集い、ランチを楽しんだり、ジャズ・クラブで盛り上がったりしているのだとか。

ここはデート向きのスポットとしてチェックしておきましょう。

| 21:00 | カテゴリー:ロケ情報
2008年12月28日
「上海」特別編 - 上海環球金融中心
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続いてやってきたのは今年の夏にオープンしたばかりの上海で一番高いビル『上海環球金融中心』(上海ワールドフィナンシャルセンター)です。こちらでは「上海環球金融中心」の総経理(社長)、吉村明郎さんが直々にご案内して下さいました。

「上海環球金融中心」は地上101階、高さ492メートル、総面積38万平米という超巨大ビル。一番上は展望台で、すぐ下にはホテルの『パークハイアット上海』、7〜77階はオフィスになっていて、地下には大型の商業施設が入っているとのこと。まるでビル全体が1つの街のようです。

最初に案内していただいたのは地下2階のフードコートです。フードコートと言っても落ち着いた雰囲気の「世界の食の専門店が勢揃いしたフロア」で、イタリアンから韓国の焼き肉、たこ焼きの『銀だこ』までが並んでいました。

そしていよいよ100階の展望台へ。下までよく見えるビューポイントを教えていただき、そこから眺めたその景色に「もはやこれはヘリコプターの景色ですね!」とは八木コンシェルジュの感想です。東京にもいろんな展望台がありますが、この高さは誰しも未体験でしょう。

| 21:00 | カテゴリー:ロケ情報
2008年12月28日
「上海」特別編 - パークハイアット上海
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オテル・ド・J-WAVE グランデのコンシェルジュとしては『パークハイアット上海』をチェックしないわけにはいきません。そこで87階のロビー階へと向かいました。

ロビーはさすがシックで、落ち着いた色合いが大人の雰囲気を醸し出しています。総支配人のクリストフ・サドネスさんがいらっしゃったので、ちょっとお話を伺いましょう。


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ようこそ、パークハイアット上海へ!
このホテルは現在、世界でも一番高い位置にあるホテルですが、最終的な目標は世界で一番のサービスを提供できるホテルです。
その目標に向かっては「従業員も幸せになること」も大切です。そのためプロフェッショナルな身だしなみを保てるよう、従業員向けの美容院や靴磨きも用意しています。
また当ホテルは客室をあえて174室に限定し、お客さま1人1人にきめ細やかなパーソナルサービスをご提供しています。各フロアにバトラー(執事)を配置して、お客さまのご要望にあらゆる対応ができるようにしているんです。

それではセールスマネージャーの秋山さんの案内で、ホテル内を見学させていただきましょう。

客室に入ると、まず3.1mという天井の高さに驚かされます。そして全室から見えるリバー・ビューは高さ400mの眺望。浴室は中国のホテルで一番という広さで、3.1mの高い天井から降り注ぐシャワーが「圧巻です」とは秋山さん。

さらに85階のプールも見学させていただきました。ここは目線の高さに水があることに驚かされます。奥にはスパがあって、プールサイドでマッサージも受けられます。プールの長さも20mあるので、しっかりと泳ぐことが可能です。

ちなみにここで使われている水は『パークハイアット上海』専用の特別製。部屋の蛇口から出てくる水も飲めるのだとか。「水で苦労する」と言われる上海ですから、本当に贅を尽くしたホテルであることが窺われました。

| 21:00 | カテゴリー:ロケ情報
2008年12月28日
「上海」特別編 - 上海旅行のアドバイス
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ANA客室本部マネージャーの上野顕子です。

ANAでは「みんなで作る情報サイト」として『旅達空間』というホームページを運営しております。グルメ、エステ、様々なスポットのお勧め情報、口コミ情報が満載なのでぜひご利用下さい。

インターネット以外でしたら『ANA'S CHINAVI BOOK』というガイドブックをお勧めいたします。今、ANAの旅行商品で上海に行くとこのガイドブックが漏れなく付いてくるんです。レストランやショップの情報だけでなく、クーポン券、簡単な中国語の単語集や、日本語によるメニューなどが非常に便利です。

出張の方には『中国出張の達人』という小冊子とサイトがお勧めです。時刻表から手荷物をお届けするサービスの紹介、携帯電話の無料レンタルサービスなどの情報が満載です。機内でも小冊子の方をお配りしておりますので、ぜひご利用下さい。

現在、ANAでは羽田−虹橋国際空港が1日往復2便、成田−浦東国際空港は1日往復6便が飛んでおります。またANAはエアライン・ネットワーク「スターアライアンス」に加盟しておりますので、乗り継ぎも非常に便利です。

私はこちらに赴任して1年9ヶ月が経ちましたが、日本からこちらに来て一番驚かれるのが交通ルールだと思います。こちらは「車優先」なので、よく周りを見ながら気をつけて歩いて下さい。

| 21:00 | カテゴリー:ロケ情報
2008年12月28日
歌舞伎のチラシ ポスターのこと

歌舞伎ソムリエ・おくだです。
東京メトロやJR山手線など、駅の構内の掲示板でも
ちょくちょく歌舞伎のポスターを見かけますね。
原宿とか表参道とかで、
市川海老蔵の鍛え上げた胸板が
ばーん、とモノクロで写ってたりすると、
場所がら、若い女の子が
「わぁ」と反応して立ち止まったりしてます。

歌舞伎は見たことないけど、エビゾーなら名前は知ってる、
って感じなのかな。。。
でも、とにかくこれこそが
歌舞伎が若い・あたらしい世代のこころに留まる瞬間、
の光景なわけで、
そんな眺めに出くわしたときは、うれしいものです。

他劇場と同様に、1/3初日の浅草公会堂。
新春浅草歌舞伎。
日本テレビが後援につくようになってから、
この公演は俄然、活気づいたように思います。
まさに「あたらしい世代の取り込み」に成功しました。

そして、チラシ、ポスターも、浅草は毎年いろいろ「仕掛けて」きます。
デザインや写真がいまいちイケてないなぁ、
と個人的には思う年もあります。好みの問題ですからね、それは。
でも、毎回いろいろやってみる、変えてみる、試してみる。。。
そういうチャレンジ精神が、ここは、
ポスターひとつを見ても、じつに鮮明に出た公演です。
前例に頼らない、という姿勢を貫いてますね。
そこを評価したいです、まず第一に。

「歌舞伎」の語源は「傾く=かぶく」。つまり
言われたとおりに行儀よくすなおに、のスタンスじゃなくて
前のめりになったり、はすに構えたり、斜めに見たり。。。
「異質」でありつづけようとする態度のことです。
そういう歌舞伎の根本精神が、
浅草のポスターにはよく出ていると思うんですよ。

今回のは、浮世絵の写楽のパロディーです。
亀治郎、勘太郎、七之助、亀鶴(きかく)、男女蔵(おめぞう)
そして初参加の松也(おのえ まつや。彼はビジュアル的にも、
かならず人気が高まりますよ)、主要キャスト6名の
黒の紋つきを着た素顔の写真に、グラフィック処理がほどこされています。
ひとりひとりのポーズの取り方が、手のかまえとか、腕のくみかたとか、
写楽の浮世絵のパロディーになってるんですね。

有名な絵画に自身がなりきる活動をなさっている
森村泰昌さんのことを、ちょっと思い出しました。
3日初日、27日まで。
詳細は、街角のポスターを見つけて読むべし!

| 09:05 | カテゴリー:歌舞伎歌舞伎
2008年12月27日
歌舞伎、お正月は4劇場で!

歌舞伎ソムリエ・おくだです。
先日、当番組毎年新春恒例の、「ことしのエンターテイメント各界展望」
座談会の2009年版の収録がありました。
1/11のオンエアです。

そのときは番組の構成上、1月についてはぼくは
発言をしていませんが、
全劇場が1/3初日で、じつに4カ所、すなわち

歌舞伎座
国立劇場
新橋演舞場
浅草公会堂

で公演があります。
すでに本欄でも、そのなかからいくつかをご紹介し始めていますが、
たくさんの場所でやってるってことは、
歌舞伎初トライの方にも、そのチャンスの場が多いってことです。

そのなかのどれを選べばいいのか、
初心者だからわからない。。。という方は、
演目や顔ぶれ以前に、まず劇場で選んじゃうのも手かも。
いよいよ「さよなら公演」へと突入する歌舞伎座。。。
浅草寺へ初詣ついでに、の浅草。。。
劇場ごとの個性がありますからね。
ネットなどで情報収集してみてください。
アフター観劇の飲食スポット、を決め手にしてもいいと思います。

演目のラインナップが「お正月らしい!」のは
歌舞伎座の夜の部です。
江戸ッ子の初芝居には欠かせなかったキャラクター、
曽我十郎・五郎兄弟が躍動する「曽我対面」
日本人形でもおなじみ、勇壮な白髪の「鏡獅子」
三島由紀夫が書いたメルヘン「鰯売恋曳網」(いわしうりこいのひきあみ)
菊五郎、幸四郎、吉右衛門、玉三郎、勘三郎。。。
顔ぶれも豪華ですねぇ。

国立劇場いちばんの話題は、
なんといっても市川團十郎の舞台復帰です。
数年来、白血病とのたたかいが続いていますが、
そのさまざまな苦労も
「骨髄をとりかえたら血液型までAからOに変わりましたぁ」
と豪快に笑いとばす、圧倒的なスケール。
こないだここでも述べた「象引」の、荒唐無稽な歌舞伎絵巻。
それからここでは毎年、第一休憩に
獅子舞のアトラクションもあります。

かたやその息子の海老蔵。
演舞場の昼の部では、「江戸ッ子の予防注射」
すなわち「にらみ」(演目名としては「口上」となっています)。
夜の部では、「象引」とおなじくらい珍しい
「七つ面」という、さまざまな仮面を用いた舞踊スペクタクル。
この二演目とも、市川家のお家芸「歌舞伎十八番」のなかのひとつですから、
つまり、父子が、家の出し物で、2劇場に分かれて奮闘しているわけです。
演舞場はちなみに、一階で売ってるクレープが、甘党のぼくはけっこう好きだなぁ〜

以上、きょうは4劇場の新春を、
まとめて比較・ご紹介してみました。

| 08:29 | カテゴリー:歌舞伎
2008年12月25日
まだ間に合う「第九」

音楽コンシェルジュ(クラシック担当)・片桐です。いよいよクリスマスを迎えて、年末クラシック・イベントも最盛期という感じです。先日の放送でも、『メサイア」&「第九」を紹介しましたが、まだ間に合う「第九」公演もあります。その一部をご紹介。
 12月25日 日本フィルハーモニー 19時 東京芸術劇場 指揮/沼尻竜典
 12月26日 読売日本交響楽団 19時 19時 東京芸術劇場 指揮/ギュンター・ノイホルト
      東京シティ・フィル 19時 東京文化会館 指揮/飯守泰次郎

 12月27日 NHK交響楽団 15時 NHKホール 指揮/レナード・スラットキン
 12月29日 ホテルオークラ「第九」記念オーケストラ 14時 サントリーホール 指揮/本名徹次

 などなどです。
 この中で、読売日本交響楽団のソリスト、ソプラノの林正子さんは、日本を代表する若手歌手で、「崖の上のポニョ」のオープニングテーマ曲「海のお母さん」を歌った人でもあります。読売日本交響楽団のソリストたちは日本の代表的若手で、ちょっと注目。
 指揮では、シティ・フィルの飯守さんと、ホテルオークラ「第九」オケを指揮する本名徹次さんに注目しています。飯守さんは日本でいまドイツ系の音楽を振らせたら、最高の充実度。本名さんの方は、オケも独自に集めたメンバーによるオケで、アプローチも古楽的な方法を取り入れていますので、かなり雰囲気の変わった「第九」を聴けると思います。
 いろいろと忙しい時期ではありますが、サントリーホールなどはイルミネーションも美しく、なかなか楽しめますよ。ぜひ「第九」を体験してみてください。
 

| 00:33 | カテゴリー:クラシック
2008年12月23日
三番叟 競演

歌舞伎ソムリエ・おくだです。
一月、晴海通りをはさんでともに三日初日の
歌舞伎座と新橋演舞場。
どちらも、ひるの部の最初は、
「三番叟」というジャンルの踊りで始まります。

「三番叟」というのは、
お能の「翁」(おきな)という作品がもとになった踊りです。
「翁」は、翁、千歳(せんざい)、三番叟という3者が、
国の平和とほまれを祈る、儀式性のたかい曲です。
三番叟はそのなかでも、
五穀豊穣を願うパートをうけもち、
これは、狂言の役者が務めることになっています。

豊かな実りを祈願、ということで、
大地のエネルギーを喚起させるために、
三番叟は、歯切れよく足拍子を鳴らします。
この躍動性に歌舞伎は目をつけたんですね。
お能では、シテ(主役)=翁、とタイトルロールだった翁よりも、
三番叟が前面に出て、ついには
「三番叟もの」というジャンルも成立するようになりました。
つまり、もとの「翁」から、
三番叟がスピンオフしたんです。

今回、歌舞伎座は、
「翁」のおごそかな雰囲気に比較的忠実な「式三番叟」。
かたや演舞場は、
ふたごの如く生き写しの
二人の三番叟が、義太夫節という
ビート感たっぷりの音楽にのって
「どちらが先にへばるか!?」を競うがごとくに、
舞台を激しく踏みまくる「二人三番叟」です。
(ににんさんばそう)

セレモニー色のつよい「三番叟」、
一回見ただけではピンとこない部分もあるかもしれませんが、
とにかく、舞台を踏む=大地を刺激している。
それだけでも頭に入れておくと、かなりイメージがつかみやすいです。
三番叟を踊ることを、古典芸能の世界では
「三番叟を踏む」と呼ぶことさえある。
それぐらいこの舞踊では
「踏む」という行為が重要視されているんですよ。


| 10:00 | カテゴリー:歌舞伎
2008年12月22日
笹本玲奈デビュー10周年

 演劇コンシェルジュの出雲あきらです。12月19日から21日まで天王洲銀河劇場では、ミュージカル界のプリンス、笹本玲奈の10th Anniversary Show「Jewel」 が上演され、私は19日の初日に観劇いたしました。当番組にもゲストで出演してくださった彼女、休憩なしの1時間40分もちろん出ずっぱりで歌い踊ってくれます。彼女の舞台に魅せられて、熱狂的なファンになった私としては、楽しい楽しい一時でした。普段、テレビなどの映像での露出がほとんどなく、舞台の世界だけで活躍されている笹本玲奈、そんな彼女の単独ライブが追加公演も含めて全5公演完売してしまったという事実にある意味驚きと感動を覚えます。彼女の歌には人の心に突き刺さる何かがあります。上手に歌える人はたくさんいますが、彼女ほど歌で人を感動させられる人はいないと思います。そんな彼女の舞台に魅せられた人々が徐々に増えていき、今回の公演の完売に結びついた。本当に舞台で実力がある人を評価し、その公演を見たいと思う人が増えてきた。日本の演劇ファンのレベルも上がってきたなと思いました。
 さて、今回の公演は二部構成で、まず第一部ではいろいろな笹本玲奈を見て欲しいということで、男の子から、大人の女まで様々な彼女が見れます。そして第二部は、デビューして10年の歴史をそれぞれの作品のメインの歌とともに紹介します。観客一人一人が、それぞれに見た彼女のステージを思い出し、終演後、あの公演のあの歌を歌ってくれてうれしかった、などと語り合いながら帰路についている姿が印象的でした。私はなんといっても、ミュージカル「ミス・サイゴン」から「命をあげよう」。幼い子供をかかえ、おまえに何かがあれば私は自らの命を差し出しても守ろうと誓って歌う歌。デビュー10周年とはいえ、まだ弱冠23歳の笹本玲奈にとって、大変難しい役柄だったと語っていましたが、歌われている途中から彼女の歌が私の心に響いて、涙が止まらなくなってしまいました。彼女もよっぽど役に入り込んで歌ったとみえて、歌い終わった時に涙ぐんでしまっていたのが印象的でした。
 さて、そんな笹本玲奈の来年も大作が目白押しです。何といっても注目は銀河劇場で3月に上演されるミュージカル「回転木馬」。ロジャース&ハマーステインの名作で、近年では斬新な演出でリバイバルしたロンドン版を涼風真世が主演した東宝公演が思いおこされますが、今回はブロードウェイの著名演出家を招いての新演出です。今回の笹本玲奈の役柄も、夫を亡くして娘と2人っきりで暮らす未亡人という、これも演じたことがない難しい設定です。そこに、現世に思いを残した夫がほんの数日だけ地上に降り立ち、涙なくしては見られない感動のラスト、私の好きな作品の一つです。彼女なら難しい役もあっという間に克服し、我々を感動の渦に巻き込んでくれるに違いありません。
 2009年の笹本玲奈にも目が離せません。

| 14:06 | カテゴリー:演劇
2008年12月22日
象が踏んでも壊れない

歌舞伎ソムリエ・おくだです。
「はじめての歌舞伎」、ぜひやってみたい企画です。よろしくお願いします!

さてさて、象が踏んでも・・・のCMコピーを
「なつかしい」とお感じになる世代の方は、
当番組のリスナーにいらっしゃるのか、ちょっと不安ですが。。。
一月の歌舞伎に、象が出現します。

3日初日の国立劇場。
半年ぶりに舞台復帰の市川團十郎が
豪快に演じる、歌舞伎十八番の内「象引」(ぞうひき)です。

市川家のお家芸「荒事」(あらごと)には、
二人の力持ちが、ひとつの大きなもの・重いものを引っ張り合って
腕力をきそう「引き合い事」という演出があります。

象引きもそのひとつ。
動物園とか、アフリカロケの番組とかがなかった時代ですからね、
江戸ッ子には、象は、想像上の巨大な動物、という感覚も
あるわけです。。。まぁ日本画だとかで、見ている方もいたでしょうけど。
ですから、想像するに、力比べと怪獣映画的架空さがミックスされたような、
おもしろい作品として受け入れられたんでしょうね、当時は。

じつは、八代将軍徳川吉宗(暴れん坊将軍のモデル)は、
献上された象と対面してます。
長崎の出島に上陸・来日したその象、
江戸までは歩かされたんですって!! タイヘンだったろうなぁ。。。
でも、「象引」の初演は、データによれば、
本物のゾウの「訪江戸」よりも10年以上むかしなんです。
てことは、そのニュース性にあてこんだ芝居、ではないんですね。

ぼくも初めて見るこの芝居。初めて、にもかかわらず
三日・初日はNHKのBSで生中継の副音声解説を担当します。
ぶっつけ本番不安いっぱいですが、
開き直ってがんばるゾウ!
この大スケール、
テレビ画面じゃ納まりきらねぇな、と感じたら
ぜひ劇場へお運びくださいませ。 3〜27日の公演です。
(15日は休演です)

| 06:48 | カテゴリー:歌舞伎
2008年12月21日
今週のゲスト - 兵庫真帆子さん
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こんばんは、『CanCam』編集長の兵庫真帆子です。

私は仕事柄、外で会食をする機会も多いのですが、最近のオススメのお店と言えば南麻布のイタリアン『アッピア・アルタ』でしょうか。ワゴンで運ばれてきたお料理を選ぶスタイルは、女性同士で食べる時なども大いに楽しめます。

もう1つのオススメは千駄木の『焼鳥今井』です。小さいお店なのでなかなか入れないのですが、バルサミコであえた焼き鳥など、店主の方が創作した焼き鳥が味わえます。一番のオススメは〆の親子丼です。

さて『CanCam』ではつい先日「エビちゃん卒業」が話題になりましたが、現在、モデルは雑誌の個性を決めるとても重要な存在です。エビちゃんなどが『CanCam』から出た5年くらい前からその傾向が一気に強くなりました。

モデルを選ぶ時は、やはり身長やスタイルのバランスが基本になります。そして重要なのが「目が強い」こと。モデル事務所からの推薦を受けて面接することもありますし、オーディションもよく行っています。時には編集者が街で見かけてスカウトすることもありますね。エビちゃんは事務所の推薦でした。

ところで『CanCam』誌上では先月号から『東京コンシェルジュ』とのコラボレーションが始まりました。すごく好奇心の強い『CanCam』読者に向けて、遊びの楽しみが広がるような内容になればと考えています。ゆくゆくは「初めての歌舞伎」みたいな入門編なども良いかもしれませんね。

これから『東京コンシェルジュ』と力を合わせて『CanCam』誌上で様々な情報をお届けしていきます。ぜひご期待下さい。

| 21:00 | カテゴリー:ゲスト
2008年12月21日
オンエア情報 -「有馬記念」ほか
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競馬評論家の須田鷹雄です。

今度の日曜日、中山競馬場で『有馬記念』が開催されます。俳句の季語としても認められた年末の風物詩。あまり競馬に詳しくない人でも楽しんでいただけると思います。

出走する馬はファン投票で選ばれた実力馬ばかり。そこで注意したいのは「癖のある中山競馬場に向いている馬かどうか」です。ですから去年の優勝馬「マツリダゴッホ」や、2着に入った「ダイワスカーレット」は確実に人気になるでしょうし、それなりの結果は期待できます。

しかしそれだけでは馬券的に美味しくありません。そこでちょっと冒険してみたい方に「エアシェイディ」という馬をオススメしたいと思います。この馬はGIに出るといつも5〜7着あたりが指定席なんですが、中山競馬場はけっこう得意なんです。有馬記念で「こんなの予想できないよ!」と驚かされる時はこういうタイプが来ることが多いので、面白いのではないかと思います。

人気のマツリダゴッホ、ダイワスカーレットの2頭にエアシェイディを組み合わせた三連単なら2〜3万円の配当が付きそうです。あまり競馬の事をよく知らない方でも、大いに盛り上がれるのではないでしょうか。

| 21:00 | カテゴリー:スポーツ
2008年12月21日
オンエア情報 -「メサイア」「第九」
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音楽ライターの片桐卓也です。

この時期、定番のコンサートと言えばヘンデルのオラトリオ『メサイア』。「メサイア」は「メシア」の英語読みで、キリスト誕生のドキュメンタリーをオラトリオ(音楽ドラマ)にした作品です。

でもこの作品、イギリスで活躍したヘンデルの作品だけに英語の歌詞で、それが日本人に合わないのか、いまひとつ日本では定着しません。でも「♪ハ〜レルヤ」のコーラスはお馴染みだと思います。ぜひ一度、生で聞いてみて下さい。

そしてもう1つの定番と言えば『第九』です。12月になると東京だけでも50、関東では100、全国で200ものコンサートが行われます。

オススメは『NHK交響楽団』の第九。というのも「日本の年末に第九を定着させたのはN響」という説があるからです。これは戦前、ドイツから招いたローゼンストックさんという有名な指揮者が「ドイツでは年末に『第九』をやるのが恒例だから日本でもやろう」と言い出し、それをラジオで流したところ好評だったので日本でも定着した……という説です。

『第九』はベートーヴェン最後の交響曲にして、非常に気宇壮大と言いますか、世界遺産に登録されたほど高貴な作品です。フランス革命の影響を受け「すべての人よ、兄弟になろう」と人類愛を謳った最高峰の曲を噛みしめて下さい。

| 21:00 | カテゴリー:クラシック
2008年12月21日
今週のロケ -「最新スケートリンク」
ここ数年、すっかり都内で見かけなくなっていたスケートリンクですが、今年から驚きの「氷を使わないスケートリンク」が次々に誕生しているのだとか。いったいどんなスケートリンクなのか、八木コンシェルジュの取材でお届けします。

今回、取材に訪れたのは12月5日にオープンしたばかりの多目的広場「日比谷パティオ」。その中に現在『クリミオキャンディリンク』というスケートリンクが設けられています。

さっそく、このスケートリンクをを運営されている大野さんにお話をうかがってみましょう。


ここ数年は浅田真央さんなどの活躍でフィギアスケートがブームです。そこで今回、こちらにスケートリンクを出させていただくことになりました。場所柄、会社帰りのOLさんや、銀座でお買い物をされた帰りの方などにもお立ち寄りいただいています。
このスケートリンクは氷ではなく、ポリエチレンというプラスチックが使われています。そのため転んでも濡れることはありません。実際の氷よりちょっと重い感じを受けるかもしれませんが、滑り始めてしまえば気にならないと思います。


それでは八木コンシェルジュも実際に滑ってみましょう!

スケート靴を履いてプラスチック製のリンクを踏みしめた感触は、氷となんら変わりません。もちろん八木コンシェルジュは華麗なステップ……なんて出来るはずもなく、ジタバタしながら「キャー!」というお約束の悲鳴を上げるばかり。その光景は昔ながらのスケートリンクそのものでした。

このスケートリンク、とりあえず今回は1月4日までの期間限定営業とのこと。靴のレンタルもあるので「初めて」という方も「久しぶり」という方もこの機会にスケートに挑戦してみてはいかがでしょうか。

『クリミオキャンディリンク』

所在地  :千代田区有楽町1-4-1 日比谷パティオ内
問い合わせ:03-3581-9820(日比谷パティオ運営事務局)
リンク  :http://www.hibiya-skate.com/
| 21:00 | カテゴリー:ロケ情報
2008年12月19日
裏社会でしか生きられない男の正統派ノワール

 映画コンシェルジュの秋本鉄次です。
 最近どうも外国映画の分が悪い。特にフランス映画は
その昔、恋愛映画とともにギャング映画やフレンチノワール
と呼ばれたアウトロー映画がいっぱい作られ、日本でも
受けていたのに。その名手の一人が「いぬ」「サムライ」
などのジャン=ピエール・メルヴィル監督でした。彼が
亡くなってから久しく、ソレに併せるようにしてフレンチ
ノワールの衰退が始まったともいえるでしょう。そんな
メルビルの傑作の一本「ギャング」のリメークが20日
から公開の「マルセイユの決着」です。”決着”と書いて、
”おとしまえ”と読ませる邦題も、かつて”現金”を
”ゲンナマ”と読ませた50年代、60年代のノワール
気分を高めるというものです。
 監督のアラン・コルノーは今でこそ「インド夜想曲」など
の文芸ロマンのヒトになっていますが、若い頃は
「真夜中の刑事」「メナース」などノワール調の作品を
連発していた時もあったのです。だから、今回は昔取った
杵柄、さすがにウマい。コルノー”極道の血”を忘れて
いなかったんだな、と思うと愛着ひとしおです。
 脱獄し、人生最後の大仕事にかける初老のギャングが
執拗な追撃を続ける鬼刑事の罠にはまる。情婦と国外逃亡
しようと思えばできるのに、あえて死地に向かう・・・。
時代遅れの、裏社会でしか生きられぬ男にはこの道しか
無い。往年の仁侠映画もかくや、というアウトローの美学の
炸裂に血が騒ぎましたね。これが映画の醍醐味だってね。
オールドファン、オジサン世代だけでなく若い人にも、この
味をかみしめて欲しいなあ、と切に思います。
 主人公の情婦役のごひいきモニカ・ベルッチも素晴らしい。
フェイクなパツキンもエロいけど、死地に魅せられた男と
違って、彼女はしたたかに生を貫く姿に見惚れました。
こういう映画をデートムービーにする男女って粋だなあ。

| 18:06 | カテゴリー:映画
2008年12月19日
予防注射はなくっても。。。

歌舞伎ソムリエ・おくだです。
インフルエンザの蔓延のペースが、ことしの冬は早いようですね。

江戸っ子の風邪対策。それは、芝居を見ることでした。
代々の市川団十郎・海老蔵といった
市川家の役者が舞台で披露する
「にらみ」という儀式があります。
いわゆる「見得」(みえ)の特別バージョンですが、
これに「にらまれておけば」、
その冬は風邪をひかない、と
当時の大衆は信じていたのです。

マサカリと呼ばれる、エッジのきいたちょんまげに
「三升」(みます。三重にかさなった正方形)の家紋が
くっきりと染め抜かれた、柿茶色のかみしも姿。
その片肌をすぱっと脱いで、右手にぐっと力をこめ、
右足を踏み出しでふんばり、
左手では、その興行の上演演目を書きつらねた巻物を
三宝(さんぼう。神事などにつかう白木の器)に乗せてかかげ持って・・・

「吉例にならい、ひとつ、にらんでご覧にいれまするぅ」
バタバタバタバタ・・・・・・・・バァッ  タリッ、と
歯切れのいいツケ打ち(舞台上手でつける、木を打って出す効果音)もろとも、
劇場全体に眼光をとどろかす。

豪快・爽快・厳粛・・・いろんな空気・雰囲気がいっしょくたになった
こういうひとときに、芝居小屋のなかで身を置くことが、
江戸っ子にとっては、その冬の「予防注射」だったんです。
科学的な根拠はないですよ、もちろん。
でも「やまいは気から」って面での効果は
ぜったい、無視できなかったはずです。

1/3〜27公演の新橋演舞場
初春花形歌舞伎では、昼の部の「口上」にて、
市川海老蔵がこの「にらみ」を披露します。
「流行り風邪」の猛威を、芝居を愛するこころで蹴散らかした、
江戸っ子の心意気に、思いをはせてみてください。

| 07:36 | カテゴリー:歌舞伎歌舞伎
2008年12月18日
ヴェネズエラからやって来たイケメン指揮者

音楽コンシェルジュ(クラシック担当)・片桐です。
 南米のクラシック音楽というと、アルゼンチンやブラジルが中心ですが、今回はヴェネズエラの話題。そう、あのチャベス大統領で有名なヴェネズエラから、シモン・ボリバル・ユース・オーケストラがやって来ました。その指揮者はやはりヴェネズエラ出身のグスターボ・ドゥダメル。このコンビ、ヨーロッパを中心に大ブレイク中です。
 その理由は、このユース・オーケストラが、ヴェネズエラの低所得層、あるいはストリートチルドレンに近い子供たちに音楽教育を施すという、34年前に始まった「エル・システマ」という運動から産まれたオーケストラだからです。すべての人に音楽をする権利がある、と考えるある音楽指導者がこの運動を始め、それがヴェネズエラ全体に広がって、優れたオーケストラが産まれたのです。ヨーロッパ各地の音楽祭、特にザルツブルクや、ロンドンのプロムスなどで大評判をとり、現在、世界的な話題の中心となっています。
 そのオケを指揮するドゥダメルも、貧しい家庭の出身ですが、この運動の中で育ち、世界の名指揮者、アバドやラトルに認められた逸材です。
 これ、なんとなく、日本の戦後の音楽教育、特に桐朋学園音楽部を作った斎藤秀雄とその弟子である小澤征爾に重なってきます。1950〜60年代は、日本の若い音楽家が世界に衝撃を与えた。それがいまは南米ヴェネズエラとなった。そんな感じです。
 明日、18日、東京国際フォーラムのホールAで、彼らの雄姿を見る/聴くことが出来ます。世界のクラシック界を揺るがす、話題の若者たちの音楽をぜひ聴いて下さい。しかも、例のフランスのイケメン、カプソン兄弟に、ピアノのアルゲリッチも共演します。
 18日、19時、有楽町、東京国際フォーラムに急げ、です。

| 00:58 | カテゴリー:クラシック
2008年12月17日
一青窈「箱の中の女」

 演劇コンシェルジュの出雲あきらです。現在、シアターコクーンでは音楽劇「箱の中の女」が上演中です。脚本・演出を担当する岩松了のオリジナルストーリーの合間に、ヒロイン役の一青窈の歌が9曲入るという形式。曲はオリジナルでこの作品のストーリーの流れを意識し一青窈がすべて作詞をし、おなじみ小林武史が作曲を担当、すべての曲が心に残る大変いい出来です。一青窈は初舞台とは思えない演技。もっとも、侯孝賢(ホウ・シャオシェン)監督の映画「珈琲時光」に出演し、演技力には定評があった彼女、次回はまったく歌を歌わないストレートプレイも見てみたいものです。気になるのは彼女の舞台での立ち姿。歌を歌うときの彼女独特の少し猫背な姿勢のまま芝居もしてしまっています。このあたり、次回以降の課題かもしれません。
 また、お芝居から一青窈の歌に移った瞬間に残念ながら、それまでの芝居の世界観が壊れてしまった気がします。このあたりの岩松了の演出は計算なのかどうか、ある意味実験的な舞台なんだと思います。是非ともご覧になっていただき皆さんのご意見をお聞きたいと思います。
 とはいえ、やはり歌い手としての一青窈はさすが。観客を感動させる歌唱力と独特の世界観があります。一青窈のファンならずとも、彼女の歌に何らかの感動を覚えた人はたくさんいると思います。急速に訪れた不況に、重苦しい年末を迎えざるを得ない昨今だからこそ、一青窈の歌は余計に心にしみるかもしれません。心温まる年末を迎えたい方は、是非ともシアターコクーンに。12月25日まで。
  

| 09:16 | カテゴリー:演劇
2008年12月15日
役者が演じる歌舞伎の舞台裏

歌舞伎ソムリエ・おくだです。
国立劇場で26日まで上演の「遠山桜天保日記」
いわゆる遠山の金さんですが、
その序幕が、なかなか遊びの効いた場面です。

江戸の芝居小屋・河原崎座の、舞台裏・楽屋。
黒紋付すがたの太鼓方(細長いバチを持ってます)と笛方が
「まぬけな演奏しやがって!」と口ゲンカしているところで
お芝居が始まります。
この口論、まったくもって、おさまる気配がない。

舞台番、とよばれた当時の場内の警備員とか、
出番前なのか、あとなのか、
赤い振袖を着てるが頭にはかつらをつけていない女形とか、
みんなが困っているところに、
遊び人の金さんが仲裁に入って、やっとおちつく。
「ここぁいちばん、おれのおごりで、仲直りにきゅっといっぺい・・」
さすがですねぇ。
と、河原崎座の座元も「これはこれは、助かりました」と
金さんにお礼を述べに出てくる。。。
テレビの金さんにもさもありそうな、序盤の展開です。

つまり、江戸の歌舞伎芝居の舞台裏の風景を、
じっさいの歌舞伎役者が演じて見せているわけ。
たとえば、太鼓や笛の奏者は、むかしですから、
そういう人たちもチョンマゲ姿なわけで、
そういうリアルな風俗を現代の役者さんで見せているんですね。
劇中劇・しかもその舞台裏、というあんばいです。
河原崎座の座元の役は、いまの河原崎権十郎がつとめる、
という念の入り用。遊びはやっぱり徹底的に遊んでこそです。

佐渡の金鉱めあてに
暗躍する盗人グループ。
と、そこにふらりと「金こう」が現れ、
佐渡おけさの笠おどりの群舞が、
一瞬にして浜辺の立ち回りの捕り者に変わる。。。などなど、
盛り沢山のエンタータイメント。
もちろん大詰めは、お白州の「あの場面」
やっぱり、これが、なくっちゃね。
ぜひぜひ、お運びください。
(18日は休演です)

| 07:09 | カテゴリー:歌舞伎
2008年12月14日
今週のゲスト - 斉藤由貴さん
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こんばんは、斉藤由貴です。

私は現在、3児の母として目の回るような忙しい日々を送っています。下の2人が幼稚園なので、その送り迎えのスケジュール管理などをしていると「子供のマネージャー」みたいで、一通り終わって仕事に行き、私がマネージメントしてもらう立場になると本当に楽です(笑)。

最近、特に思うところがあったわけではないんですけど、なんとなく「ぬる〜」っと歌手活動を再開してしました。「歌ってみませんか」とか「詞を書いて下さい」なんて話がポツンポツンと来て、歌っている内に「じゃあライブをやりませんか」という話になったんです。

6月に発売した『ヴィンテージ・ベスト』は歌い直した曲もありますし、昔のをそのまま持ってきた曲もあります。歌い直してみて思ったのが「20代の頃って、なんて自分のことだけで精一杯だったんだろう」ということです。それは愚かしい反面、本当に素敵で面白い時間だったと思うんです。

12月23日には浜離宮朝日ホールでコンサートを行います。選曲はいろいろ考えつつも、やっぱり基本は押さえないとダメみたいですね。「クリスマスの時期だし『卒業』は入れなくてもいい?」ってマネージャーさんに聞いたら「それは印籠が出てこないない『水戸黄門』と同じ」らしいです(笑)。

女優業の方では来年5月に公開予定の映画『Baby Baby Baby!』に出演します。この映画は観月ありささんが主演の「出産」をテーマにしたコメディで、私はいっぺんに産気づいた妊婦さんたちにてんやわんやになる産院のお医者さんを演じています。楽しい作品ですのでお楽しみに。

| 21:00 | カテゴリー:ゲスト
2008年12月14日
オンエア情報 -「地球が静止する日」ほか
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編集者で映画ライターの清水節です。

『地球が静止する日』はキアヌ・リーブス主演のSF大作。実はこの作品、まだマスコミ試写会も行われておらず「まだ完成していないんじゃないか」なんて噂も囁かれています。最近多い「ギリギリまで情報を絞る作戦」なのかもしれませんが。

この作品は1951年に作られた名作のリメイクで、ストーリーはほとんど変えてないとのこと。この時代に当時のテーマがちゃんとハマるかどうかが勝負の分かれ目だと思います。

『ワールド・オブ・ライズ』はレオナルド・ディカプリオとラッセル・クロウというハリウッドスターの共演作。さらに監督もリドリー・スコットという豪華ラインナップです。

CIAがテロリストを捕まえようと暗躍するお話で、ラッセル・クロウは安全なワシントンから指示を出し、現場で身体を張るのはディカプリオ、という対照的な2人を描きます。2人とも役にハマってますし、ストーリーもリアルで面白いのですが、オチがちょっと弱いのが残念でした。

『K-20 怪人二十面相・伝』は『スパイダーマン』を思わせるアクションが楽しい娯楽作。江戸川乱歩の『怪人二十面相』をひねった劇作家・北村想のストーリーはなかなか面白く、「第二次世界大戦がなかった昭和20年代の東京」という舞台設定も悪くありませんでした。

金城武は『レッドクリフ』よりもこっちの三枚目役の方がハマっています。B級娯楽映画としては十分に楽しめる作品です。

| 21:00 | カテゴリー:映画
2008年12月14日
オンエア情報 -「ボーイズIIメン」ほか
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エディターの渡辺祐です。

ビルボードライブ東京では『ボビー・ブラウン/ジョニー・ギル/ラルフ・トレスヴァント』のライブが行われます。

80年代に「ニュー・エディション」というアイドル・ボーカル・グループでデビューして人気を馳せたのがボビー・ブラウンとラルフ・トレスヴァント。その後、ボビー・ブラウンはソロとなって一世を風靡したのはご存知だと思いますが、脱退したボビー・ブラウンの代わりに「ニュー・エディション」へ入ったのがジョニー・ギルです。

つまりこのライブは「ニュー・エディション」でメインのボーカルを務めた3人が揃う、ファンには堪らない「同窓会」的なライブです。この類のライブはお客さんも同窓会的な気分に浸れます。座って、食事をして、お酒を飲んで、1時間半弱の短いステージを楽しむ、そんな大人向けのライブです。

続いて、グランドハイアット東京など各地のホテルでディナーショーを行うのが『ボーイズIIメン』。今までディナーショーと言えば「五木ひろし」や「鈴木雅之」というイメージでしたが、ボーイズIIメンでも良い世代になったのかと感慨深く思います。

ちなみに普通のライブならボーイズIIメンでもチケット代は1万数千円ですが、ディナーショーだと5万円。その値段を「高いなぁ」と渋々払うようでは楽しめません。1年に1度の機会に、いつもより着飾って、贅沢をしている空気を楽しめるかどうか。このジャンルの音楽は今後、そこが勝負になっていくでしょう。

| 21:00 | カテゴリー:音楽
2008年12月14日
今週のロケ -「トリュフ料理専門店」
世界三大珍味の1つとして名高いトリュフ。これからは黒トリュフが美味しい季節なんだとか。なかなか口にする機会のないこの高級食材について、八木コンシェルジュで「トリュフ料理の専門店」で取材をしてきました。

今回、取材にお邪魔したのは先月、六本木ヒルズにオープンしたばかりのお店『テール・ド・トリュフ 東京』。場所はけやき坂の『ルイ・ヴィトン』の斜め向かいです。店内は天井も高く、さすがにシックな雰囲気を漂わせています。

まずは支配人の福田さんにお話をうかがいます。


当店はおそらく日本初となる「トリュフづくし」のお店です。もともとフランスのパリとニースで営業しているお店で、この東京のお店が3店舗目になります。
トリュフは大きく「白」と「黒」の2種類があります。「白」はもの凄く高級な食材のためめったに使えません。そこで当店では「黒」を主に使っています。
その黒トリュフにも3種類あります。一番ランクの良い「Melanosporum(メラノスポルン)」、ちょっと香りの薄い「Brumale(ブリュマール)」、夏場に採れる「サマートリュフ」の3つです。
黒トリュフは「黒ければ黒いほど高級」とされていますので、当店で使っている「Melanosporum」の黒さをご覧いただければと思います。


ちなみに気になる「トリュフの価格」は、サマートリュフが1kgあたり2〜3万円なのに対し、「Melanosporum」は30〜40万円なのだとか。まさに本物の高級食材です。

それではいよいよトリュフ料理「じっくりと加熱したボテトのトリュフクリームソース掛け」とご対面です! 八木コンシェルジュ曰く「シーザーサラダのチーズみたいな勢い」で薄くスライスされたトリュフが掛けられ、トリュフの香りが立ち上ってきます。そしてボテトとクリームソースとトリュフの相性が抜群で、八木コンシェルジュも「こんなにポテトが合うなんて」と感心することしきりでした。

高級食材をふんだんに使っているため、お昼のコースで8千円、夜のコースが1万5千円からと、けっして安くない価格設定になってしまうのは仕方のないところでしょうか。それでも他では味わうことの出来ない香りと味の贅沢を、一度体験してみて下さい。

『テール・ド・トリュフ 東京』

所在地  :港区六本木6-10-2 六本木ヒルズ ヒルサイドB1F
問い合わせ:03-5786-6655
リンク  :経営元の紹介ページ
| 21:00 | カテゴリー:ロケ情報
2008年12月14日
しっとり古風な三津五郎の「道成寺」

歌舞伎ソムリエ・おくだです。
たのしみにしていた、坂東三津五郎の「娘道成寺」
きのう、歌舞伎座の昼の部で見てきました。

想像していたよりも、ずっと「まろやかな」「やわらかい」道成寺でした。
いくつものパートで構成されるこの女形舞踊の大曲、
変わり目ひとつひとつを際立たせた。。。たとえば
少女から大人の女、嬉しい恋から哀しい恋、などなど、
解釈・ニュアンスの持たせ方は踊り手によってもさまざまなのですが、
そういう変化、アクセントを、もっと前面に出した道成寺を、
ぼくは予想していたんです。

むしろ、その対極にあるおどりでした。
のんどり・はんなりとした優雅さを、つねに軸として保っていて、
なんていうのかな。。。往年の日本の銀幕の女優美。
そんな香りがしました。
変わり目を極力ひかえた、ストイックささえ感じます。
それが秘めた色気へと見事につながっている。

化粧ひとつとっても、とても古風なんです。
「文字が右から左へ横書きの旧かなづかいのポスター」
に描かれているような
着物美人。。。わかるかなこのかんじ?
そして、着物のそで、たもと、のひとつひとつの動きの
端正なこと。三味線も歌声も、袖口から流れてくるような、
それくらいの一体感が、曲と踊リ手とにあります。

ことしの歌舞伎、屈指の舞台が、この年の瀬にあらわれました。
26日まで。この幕のみの当日自由席(幕見席)もあります。
必見です。

| 09:59 | カテゴリー:歌舞伎
2008年12月10日
今年も市村正親が年間MVPです。

演劇コンシェルジュの出雲あきらです。日生劇場ではミュージカル「ラ・カージュー・オ・フォール」が上演中です。日本では度々上演されているヒットミュージカルですが、ゲイ達が主人公の話がアメリカで評価されるのはともかく、何で日本でこんなにうけるのか、少々疑問に思うことがあります。しかしながら、この作品は「家族や親子とは」という奥深いテーマが描かれていて、そのあたりが日本人に人気があるのかもしれません。さて、主演は、鹿賀丈史と市村正親。この劇団四季出身コンビは「ペテン師とサギ師」をはじめ、最近よく舞台で目にするようになりました。鹿賀丈史はこの作品は初参加、今回の公演でこの作品を卒業する市村正親に花を持たせるための出演でしょう。さて、市村正親が演じるザザという役。1993年からずっとこの役を演じているのですが、もはや完成されてしまい、他の人がこの役を演じることなど考えがつきません。今回でこの役は卒業と言われていますが、本当にもったいない。まだまだ見たいものです。上演時間が休憩を含めて3時間5分。もう少しだけ短くしていただければより感動が増すと思うのですが・・。12月28日(日)まで。
 ところで、今年も市村正親はフル回転でした。傑作「キーン」、おなじみ「ミス・サイゴン」そして、この「ラ・カージュ・オ・フォール」。すべてにおいて、高い評価を受け、観客を魅了し続けました。今年も市村正親が演劇界の年間MVPに違いありません!!

| 10:15 | カテゴリー:演劇
2008年12月10日
満開の桜の下には。。。

歌舞伎ソムリエ・おくだです。
今月の歌舞伎座、よるの部さいごの
「籠釣瓶」(かごつるべ)は、
不夜城・吉原の光と影をあますところなく描いた名作。
朴訥な田舎あきんど・次郎左衛門(松本幸四郎)と
最高位のおいらん・八橋(中村福助)がおりなす、
ドラマティックな舞台です。

その序幕。吉原のメインストリート・仲之町。
ふくいくと咲き誇る夜桜の並木。
歌舞伎で吉原の大道具(セット)では
かならずこの夜桜が満開ですが、
じっさいの当時の吉原では、
その季節ごとの樹花を、植え替えていました。
たとえば、秋は、色づいたカエデになる。
この並木で廓客は紅葉をめでた、というわけです。

遊び客をもてなすための、
色街としての最高のぜいたく・粋な演出。。。
まぁ、きれいに解釈すれば、そうです。
でも、ここに植えられる樹たちは、すべて、
別のところ。。。天然自然の野山で生をまっとうしているのを、
無理やり引っこ抜かれて、移し替えられたものです。
そして、季節が終われば、
次の季節の樹花と入れ替って、
あっさり捨てられていた。

ぶっちゃけていえば、
おことの下半身の欲望処理、という
この町の根源的な機能・役割を
きれいごとでぼかす・ごまかすために、
自然破壊をしていた。。。それがこの並木の「正体」なのです。
花のうつくしさへの、本当の意味でのリスペクトは、
みじんもなかった。ぼくはそう考えています。

うがった見方をすれば、
この樹や花たちは、
独立した人格を本当の意味では認めてもらえず、
しょせん売り物・買い物にすぎない、
吉原の女たち、そのものではないか。。。

その夜桜の下で、唐突にで出会うのが
佐野次郎と八橋。「見染め」といわれる序幕の名場面。
「吉原の桜の下で」というこのロケーション、
くるわの桜たちの哀しいさだめに、思いをはせればはせるほど、
ぼくには、二人のその後の悲劇の、予兆に思えてなりません。
26日までの上演です。


| 09:23 | カテゴリー:歌舞伎
2008年12月09日
やっぱり凄かった〜〜! ファジル・サイ

音楽コンシェルジュ(クラシック担当)・片桐です。
 歌舞伎の奥田さん、つっこみありがとうございます。アムステルダムのコンセルトヘボウは、音響世界一との評価もある古いホールですが、ステージ真ん中奥に堂々たるパイプオルガンがあるのですね。それでその下の部分を、オケの演奏会の時は客席として開放していますが、問題は、楽屋から指揮台までのアプローチがない。通常は舞台脇から登場するのですが、コンセルトヘボウではその後方席の間の階段を通って指揮者が出てくる、という寸法になっております。これは世界で見ても、ここだけでしょう。

 さて、先日来お知らせしていたファジル・サイの2008年のプロジェクトが終わりました。結局僕は2回しか行けなかったのですが、その2回とも素晴らしいコンサートでした。
 12月5日はピアノ、パーカッション、ヴァイオリンのトリオによる即興演奏、6日は協奏曲で、サイの新作のヴァイオリン協奏曲「ハーレムの千一夜」、ピアノ協奏曲「シルクロード」、そしてモーツァルトの第21番のピアノ協奏曲でした。ヴァイオリンを担当したパトリツィア・コパチンスカヤも素晴らしく、またサイのモーツァルトは彼にしか出来ない、素晴らしく柔らかなタッチによる演奏で、しかも即興的な部分も感じさせる演奏で、堪能しました。
 
 さて、今週は、前にも書いたフランスのイケメン兄弟、ルノー&ゴーティエ・カプソン兄弟の登場です。お兄さんのルノーがヴァイオリン奏者、弟のゴーティエがチェロ奏者で、それぞれ違うファンがついているみたいです。
 演奏会は、11日の王子ホール、12日の浜離宮朝日ホールが、ピアノの児玉桃さんとの共演で、12日はメシアン・プロジェクトの一環として「世の終わりのための四重奏曲」などが演奏されますが、これは作曲家メシアンが、第2次大戦中ドイツ軍の捕虜となり、収容所で書いた作品です。
 また15日には、読売日本交響楽団の定期演奏会(指揮・広上淳一)にも登場して、ブラームスの「二重協奏曲」を演奏します。
 ぜひ、覗いてみて下さい。

| 13:42 | カテゴリー:クラシック
2008年12月07日
今週のゲスト - 夏木マリさん
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こんばんは、夏木マリです。

最近は「豚バラ肉のサンチュ巻き」がマイブームで、ソウルに行ってもそればかり食べているのですが、一番美味しいと思うのは新宿の『とんちゃん』ですね。夜遅くに食べても翌日に痩せているのがポイントです。

さて、私は10年以上前から『印象派』というセルフ・プロデュースの舞台を行っていたのですが、一昨年で一段落させていたんです。それを来年の4月、世田谷パブリックシアターで『印象派NEO』として仕切り直すことになりました。以前より少しは分かりやすく、でもアヴァンギャルドな舞台になる予定です。

また音楽活動の方では『GIBIER du MARI(ジビエ・ド・マリ)』というバンドを3年前からやっています。このバンドは「ジャニス・ジョプリンが今の東京にいたら」というコンセプトで、ほとんど彼女の曲を歌っています。今、私が一番夢中になってやっている仕事です。

さらに明日は『Dream Power ジョン・レノン スーパー・ライヴ2008』に参加させていただきます。一度参加させていただきたかったライブなので本当に楽しみにしています。

その他にも、「スーダラ節」「ひょっこりひょうたん島」など往年の名曲を現代風にカヴァーしたアルバム『THE HIT PARADE』の発売や、女性誌FRaUに連載していたお悩み相談をまとめた本『泣きっ面にマリ 大人の女の人生相談』の出版などが続き、忙しくも充実した日々を送っています。今後の活動にもご期待下さい。

| 21:00 | カテゴリー:ゲスト
2008年12月07日
オンエア情報 -「FIFAクラブワールドカップ・ジャパン」
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スポーツ総合研究所・所長の広瀬一郎です。

今週はサッカーの『TOYOTAプレゼンツFIFAクラブワールドカップ・ジャパン』が開催されます。

以前は『トヨタカップ』という名前で親しまれ、欧州と南米のチャンピオン・クラブが対決することで「事実上のクラブ世界一決定戦」と言われたこの大会。現在は5大陸の優勝チームが集う「真の世界一決定戦」となりました。

去年の浦和レッズに続いて、今年はガンバ大阪がアジア代表として出場します。順当に行けば準決勝でマンチェスター・ユナイテッドと対戦。サッカーに絶対はないのでガンバの奮起にも期待しますが、真剣勝負における「圧倒的な差」を目の当たりにできるのではないかと思います。

1980年に「トヨタカップ」が始まって以来、ずっと日本で開催されてきたこの大会ですが、とりあえず来年以降は「日本で開催」とは限らなくなります。一応、3〜4年先にまた日本で開催される予定ですが、このご時世ですから本当に戻ってくるかどうかは分かりません。

ご時世という意味では、マンチェスター・ユナイテッドだってメインのスポンサーがあの「AIG」です。今のようなキラ星の如くスターがいるチームを維持するのは不可能でしょう。そういった意味でも貴重な機会になりそうなので、ぜひ生でご覧になって下さい。

| 21:00 | カテゴリー:スポーツ
2008年12月07日
オンエア情報 -「矢野顕子さとがえるコンサート」ほか
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音楽雑誌『MUSICA』編集長の鹿野淳です。

『ASIAN KUNG-FU GENERATION』はツアーのサブタイトルに「FINAL」と入っているので「おっ?!」と思ったら「使ってみたかっただけ〜」だそうで、普段がロックの誠実さをそのまま体現しているバンドだけに、たまにシャレにならないシャレが飛び出します。下北沢あたりの200人規模のライブハウスでやっている人たちが日本武道館でやるのはなかなか珍しいですし、ベストヒット集みたいな選曲とのことなのでお勧めです。

『矢野顕子』さんはこの時期恒例の「さとがえるコンサート」をNHKホールで行います。今年は矢野顕子節が炸裂している素晴らしいアルバムを出したばかり。これがブルージーでロックなアルバムだったので、ロック的な編成のライブになるのではないかと言われています。しかもライブではカヴァー曲なども盛り込んで、アルバムとはまったく別の世界を構築してくれる人なので、最高に楽しいライブになるでしょう。

日本武道館で行われる『Dream Power ジョン・レノン スーパー・ライヴ2008』は今年で8回目を迎える恒例のチャリティ・ライブ。今年も奥田民生、絢香、Salyu、Char、トータス松本、BONNIE PINKなどが出演します。また宮崎あおいさんはポエトリーリーディングあたりでの参加でしょうか。みんなジョン・レノンやビートルズの曲のカヴァーをするので、非常に分かりやすく楽しめます。

| 21:00 | カテゴリー:音楽
2008年12月07日
今週のロケ -「インバウンドツアー」
ここオテル・ド・J-WAVE・グランデには外国人のお客さまは大勢いらっしゃいます。そんなお客さまのために八木コンシェルジュがユニークな「体験型インバウンド(訪日外国人)ツアー」を取材してきました!

今回、八木コンシェルジュが取材に訪れたのは、西新宿の『H.I.S. Experience Japan』。こちらでは数年前から「体験プログラム」を始めたところ、口コミでじわじわと広がり、今ではリピーターになっているお客さんも多いのだそうです。

さっそくその「体験プログラム」の企画担当をしていらっしゃる方にお話をうかがいます。


ツアーというと観光がメインというのが一般的なイメージですが、私は「自分で実際にやってみたり作ってみたり」という体験型のツアーの企画を担当しています。
年々、海外からいらっしゃるお客さまは増えています。韓国、台湾などの近い国はもちろん、欧米、オーストラリアなどからのお客さまもかなり増えています。
海外からいらっしゃるお客さまは日本文化にとても興味を持っている方です。そういう方に上辺だけはない、日本文化を深く知っていただける「体験プログラム」を提案しております。


日本文化と言えば「お茶」「陶芸」あたりを最初に思いつきますが、「侍」の体験プログラムなんてモノまであります。これは映画『キル・ビル』の殺陣を担当された方にアクションの指導をしていただくプログラム。『キル・ビル』ファンやサムライ好きな方々に人気なのだそうです。

また定番の「相撲」体験プログラムは、朝稽古の見学の後、親方のお話をうかがいながら一緒にちゃんこ鍋を食べるというプログラム。さらに「秋葉原サブカルチャー体験」にはメイドカフェなども盛り込まれています。

そんな日本人でもなかなか体験することのない貴重な機会が盛り込まれた様々な「体験プログラム」。実は日本人でも参加可能とのことなので、海外からお客さまを迎えた時などに、一緒に挑戦してみていかがでしょうか。

『H.I.S. Experience Japan』

所在地  :新宿区西新宿6-8-1 住友不動産新宿オークタワー26階
問い合わせ:03-5322-8966
リンク  :http://hisexperience.jp/ja/
| 21:00 | カテゴリー:ロケ情報
2008年12月04日
ゲルギエフといえば。。。

片桐さんゴメンナサイ、歌舞伎のおくだの割込みトークです。
しかも東京のエンタメ情報でもなくて、申し訳ありません。

ゲルギエフを僕は、数年前に、
オランダ・アムステルダムのコンセルトヘボウのホールで聞きました。
ロッテルダム響をふりました。歌唱が入るオーケストラの曲、休憩をはさんで
マーラーのシンフォニーだったとおもいます。

そのときびっくりしたのは、
コンセルトヘボウの劇場には、なんと、花道があるんです。
オケ背後の席、ありますよね、サントリーホールなんかにも。
あそこを通っているスロープ状の通路。
(ふだんは観客の出入りに用いる通路ですが)
あの道を、万雷の拍手とともに、
ゲルギエフが入退場するんですよ。
おまけにぼくは、ちょうどこの通路側の席だったんで、
まじかに彼の「出」と「引っ込み」を体験したわけです。
この興奮は、まさに歌舞伎の劇場そのもの。
そりゃぁ出ますって、ブラボーの叫び声も、自然に。

つjまり、きょうここで何が申し上げたいかというと、
歌舞伎の代表的な演出・舞台機構だからといって、
「歌舞伎ならではの」「歌舞伎独自の」ものだ、なんて
安易に言っちゃあかん、という自身へのいましめなんです。

回り舞台(これは文献上も日本の歌舞伎が史上初、ということに
いちおうなってはいますが)、
花道、
せり上がり、などなど。。。

ガイドブック等で紹介されるたんびに
「ならでは」「独自」のオンパレードです。仰々しいったらない。
この決まり文句が、これまでに、
どれだけの人間を歌舞伎から、遠ざけてきたことか。

まったく逆なんです。
歌舞伎でも、クラッシックでも、映画でも、美術でも。。。
「いいなぁ」「すごいなぁ」という手法は、
示し合わせたように、いろんな分野が
それぞれ独自に、同じ趣向をとりいれているものなんです。
「あの映画にそっくりだね」「スポーツでいえば、あの動きだねこの演技は・・・」
てな具合に、ほかのジャンルと歌舞伎を、
みなさんもじゃんじゃん結びつけて吸収してください。
そのほうが絶対、たのしめます。

いろんな分野と共通点が多いから、だからこそ、
歌舞伎って素敵なんですよ。

| 08:02 | カテゴリー:歌舞伎
2008年12月04日
ゲルギエフ&ロンドン響は今年一番面白い!

音楽コンシェルジュ(クラシック担当)・片桐です。
 先週はずっと「ル・ジュルナル・ド・ショパン〜ショパンの音楽日記」というロング・イベントに付き合っていました。ショパンと言えば誰でも一度は聴いた事のある作曲家ですが、それでも初期の作品など、こんなにも知らない曲、しかも名曲があるんだと、目から鱗の4日間でした。
 さて、放送で紹介したロンドン響の演奏会シリーズも始まっています。また明日からは、ファジル・サイの連続演奏会も行われます。
 「第9」の季節ですが、その前にもう一山、って感じですね、今週は。
 
 そのロンドン響の演奏会に本日(3日)行って参りました。これが、ひじょ〜〜に中味の濃い演奏会で、びっくりでした。

 今回は、サンクト・ペテルブルクのマリインスキー劇場を率いるゲルギエフが、ロンドン響の首席指揮者に就任した、そのお披露目ツアーでもあるのですが、彼らが選んだプログラムは、なんとプロコフィエフの交響曲全曲をシリーズで行うという大胆なもの。
 プロコフィエフと言えば、バレエ曲「ロミオとジュリエット」(シャネルの広告に使われたり、「のだめ」にも出てきた有名曲)とか、「ピーターと狼」とか、分かりやすい音楽が有名なのですが、交響曲はかなり傑作ぞろいなのに、知られていません。今日(3日)演奏された「交響曲第2番」などは、ロシア・アヴァンギャルドの代表的な傑作ですが、ほとんど演奏されません。それだけ難しいからなのです。
 それを、ロンドン最高のオケであるロンドン響で聴くと、はは〜、なるほど、こういう音楽だったのか、と納得する部分が多々ありました。難曲になればなるほど、やはり良いオーケストラ、演奏家で聴くべきであるというのは真実です。それにしても、ロンドン響、上手いです。たぶん、ベルリン・フィルより上手い。ホルンなど管楽器が素晴らしいのです。ティンパニもスゴイ音ですし、弦楽器もとてもよくまとまっています。

 それなのに、、、
 会場はけっこう寂しいのです。今日は特に入りが良くなく、かわいそうでした。人気と実力が一致してないことを、最近、とみに感じるのですが、今回も意欲的なプログラムなのに、入りが悪いのが残念です。なんとかせねば、と思ってしまいます。
 このオケ&指揮者によるプロコフィエフはぜひ聴いて欲しいです。こんなにスゴイ演奏は、しばらく聴く事が出来ないと思いますよ。
 4日、5日もサントリーホールで演奏会がありますので、お暇な方はぜひ。

 わたくしは、残念ながら、明日以降は、ファジル・サイなど、他の演奏会に行かねばなりません。そちらの方も、またレポートしたいと思いますが、ファジル・サイの演奏会、特にオススメなのは、6日(土)すみだトリフォニーホールです。

 

| 01:16 | カテゴリー:クラシック
2008年12月03日
新宿コマ劇場「愛と青春の宝塚」

演劇コンシェルジュの出雲あきらです。新宿コマ劇場最後の公演「愛と青春の宝塚」が幕を開けました。2002年正月に二夜連続で放送され高視聴率をとったスペシャルドラマを舞台化、第二次世界大戦中のタカラジェンヌの苦悩を描きます。女性の出演者達はすべて宝塚歌劇団出身者。特に主人公の4人はそれぞれトップスター経験者をダブルキャストで起用するなど大変豪華なキャスティング。脚本はテレビと同じ大石静が担当、5時間のドラマを3時間弱にし、テレビでは5人の主人公を4人にするなどの工夫をしているが、残念ながら時間の関係か、登場人物それぞれの背景が描かれておらず、そこが唯一残念であった。それ以外はまさに力作、戦争に翻弄されながらも舞台への情熱を忘れない主人公達が“生きる”ことの大切さを教えくれる。主演の湖月わたる(紫吹淳とWキャスト)は堂々とした宝塚の看板スターを演じ、貴城けい(彩輝なおとWキャスト)、大鳥れい(星奈優里とWキャスト)、映美くらら(紫城るいとWキャスト)らがそれぞれの苦悩を好演。特に貴城けいの熱演が光る。今までは宝塚という世界の中での男役を演じていたが、今回の役は宝塚の男役ながら一人の女性としての苦悩を演じるというかつて経験したことのない役に挑戦し、見事に演じきっていた。宝塚のトップとしては短命であったが、新たな大型女優の誕生を予感させてくれた。公演の最後にフィナーレのショーが特別につく。それも新宿コマ劇場自慢の舞台装置をフルに使ったショーであり、阪急東宝グループの祖、小林一三が手塩にかけて育てたタカラジェンヌ達が、彼が理想の劇場としてその建設に最後の情熱をかたむけた新宿コマ劇場52年の歴史に終止符をうつ、その最後を看取るということを目の当たりにして、思わず目頭が熱くなってしまった。公演は12月22日まで。

| 09:17 | カテゴリー:演劇
2008年12月03日
ストーン カッター スーパーサーベル

歌舞伎ソムリエ・おくだです。
へんてこりんな英語で失礼。。。
これは、いま歌舞伎座でやってる
「石切梶原」(いしきりかじわら)という芝居を、
おととし、外国人記者クラブの方に説明するときに
ぼくが勝手につけた英題です。けっこう、通じました。

刀の名鑑定人としても知られる武将・梶原景時が、
ひょんなことで、ある名刀の鑑定を依頼されます。
一目でほれぼれ、「あっぱれ!稀代のつるぎ・・・」
とうなる梶原。

ところが、この鑑定にあれやこれや、いちゃもんがついて、
結局「なまくら」の烙印が押されてしまいます。
梶原はもとより、
この刀のもとの持ち主(青貝師といって、刀のさやなどに
美しい装飾をほどこす職人です)も、くやしくってたまらない。

と、たまたまそこにあったのが、
鶴岡八幡宮の手水鉢。なんと梶原、石でできたこの手水鉢を、
一刀両断!自分の鑑定にまちがえがないことを、
動かぬ証拠として、境内にのこした。。。という一幕です。

文化財にイタズラしたらあかんやないか!
。。。まぁ大目に見てくださいよ、遊びの世界です、芝居の。
そういう荒唐無稽なクライマックスの一方で、
序盤に梶原が見せる、刀の鑑定の手順・作法は、
ほんらいの鑑定の手順に、ひとつひとつの所作が
じつに忠実に、リアルにできているそうです。

10年ほどまえ、
鎌倉にいまもある名刀・正宗の工房で、
当代の店主さんと、いっしょに「梶原」のビデオを見た際も、
「わぁ、ていねいになさるんですねぇ」と、お墨付きをいただきました。

義太夫節のナレーション演奏にも
「きっさき、ものうち、はばきもと・・・」と
刀の各部の名称があますところなく出てきます。
ネットなどで、日本刀のことをちょっと調べておくと、
この場面、楽しさ倍増ですよ。

人間国宝・中村富十郎が
「名鷹誉石切」(なもたかし ほまれのいしきり)と題して演じるこの一幕。
夜の部のさいしょです。 26日までの上演です。

| 07:57 | カテゴリー:歌舞伎
2008年12月01日
歌舞伎にもタップが!

歌舞伎ソムリエ・おくだです。
あす2日初日の12月歌舞伎座。
夜の部、二幕目「高坏」(たかつき)の主演は、
フレッド・アステアです。

うそです。
でも、タップダンスが見せ場なのは本当です。
主人に「たかつき」(足のついた器」を
買いに行かされた次郎冠者が、
たかつきとは何かが分からず(ならお使いに行くなっちうに!)
「高足」(たかあし)、つまり下駄を
下駄売りに売りつけられてしまうコント舞踊ですが、
その下駄をはいて、彼がふんでみせるタップ・ジャポネ。

下駄って、前と足に歯が二本あるでしょ。
あれをね、タップシューズのヒールとトゥーの鳴らし分けよろしく、
なかなか軽快に、小粋に、やってくれまっせ歌舞伎も。

アステア、ジーン・ケリーばりの
猛スピード、超絶技巧の足さばき、とまではいきませんが、
そのぶん、三味線音楽に「のんどり」とかみ合った、
なんともほんわかとした感じがいいんですねぇ。
つとめるのは市川染五郎。
先月の猟奇的な「人間豹」から、がらっと変わって、
明るくたのしく披露してくれます。26日までの公演。

ちなみに、この演目をヒントに、
北野武は「座頭市」の下駄タップを撮ったそうです。

| 07:49 | カテゴリー:歌舞伎


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