歌舞伎ソムリエ・おくだです。
6月の歌舞伎座、よるの部のさいしょは
「元禄忠臣蔵 御浜御殿」(げんろくちゅうしんぐら おはまごてん)。
「元禄。。。」は、昭和初期に発表された、忠臣蔵の実録風長編です。
膨大な歴史資料をもとに、赤穂浪士たちのドラマを
たたみかけるようなせりふの中に描いてゆきます。
昨年10〜12月には、国立劇場での
3ヶ月にわたる全編通し上演が
大成功をおさめました。
今回の「御浜御殿」は、全編のなかでも
もっとも人気が高く、単独上演されることが多い場面です。
浅野内匠頭が「殿中でござる!」の騒動の責任をとって
切腹した時点で、浅野家は、お家とりつぶしとなりました。
(会社がとつぜんの営業禁止をくらったような状態)
一年がたって、幕府のなかでは
「浅野家を、再興させてやってもいいのでは。。。」
という意見がたかまっています。
しかし、将軍・綱吉の養子の綱豊(つなとよ)卿は
おかみの力で家を再興してやるよりも
浪士たちに、仇討を達成させてやりたい、とひそかに望んでいます。
しかし現状では、肝心の浪士たち自身に
仇討の意志があるのか、ないのか、が見えてきません。
(そのくらい極秘裏に浪士たちもことをすすめているわけです)
浪士のひとり・富森助右衛門(とみのもり すけえもん)と
対面する機会をえた綱豊は、
仇討の意志ありやなしや、を探り出そうとします。
口を割らない富森に、
綱豊は、ついに告げます。
「おまえたちに仇討の意志がないのなら
あす私は、浅野家再興を
正式に幕府に願い出るぞ」
驚愕する富森。
綱豊の言葉が本当ならば。。。
今宵、御浜御殿(いまの浜離宮)で催されるお能の席に
演者としてやってくる吉良上野介を
闇にまぎれて討つしか、仇討達成のチャンスはありません。
さぁ,富森はどう動くのか。。。
当たり役のひとつ・片岡仁左衛門の綱豊に
初役の市川染五郎・富森助右衛門。
硬軟、緩急の変化をおりまぜて
両者のせりふの応酬、意地の激突。
手に汗にぎる舞台は6/2〜26の上演です。