歌舞伎ソムリエ。おくだです。
恒例(?)の他流試合シリーズ。今回は
女流活弁士・澤登翠(さわと みどり)さんのご紹介。
20年ちかく私が稽古をさせていただいている
義太夫節(ぎだゆうぶし)のお師匠さんのもとで、かつて
澤登さんも習ってらしたのがご縁で、お友だちになりました。
無声映画に、ビビッドな生命を吹き込む
活弁士の語り。。。え?まだそんな職業が世の中に存続しているの?。。。と思われる方も
たくさんいらっしゃるかもしれません。
存続してるんです、というか「風前のともしび」という時期も
もちろんあったんだけど、往年の名活弁士・松田春翠(まつだしゅんすい)の
最後の直弟子として、澤登さんが孤軍奮闘なさったんですね。
そのうちに、じわりじわりと、後継者の人数も増えて、
現在にいたっています。
「活弁上映会」のコアなフアン層も、確実に存在しているんです。
「なつかしいわ」というご年輩だけでなくて、
ひとつのパフォーマンスとして魅かれている若い人たちも、です。
先週の土曜日、神保町の学士会館で
(昭和初期の名建築。このレトロな雰囲気がまた
なんともマッチするんですわ!)
恒例の澤登さんの上映(上演、ともいえるなぁ)がありました。
1924年作のアメリカ映画
「バクダッドの盗賊」。。。元祖「インディージョーンズ」というのかな、
見せ場につぐ見せ場の活劇物の大傑作です。
「かたき役」のモンゴル大王として
ハリウッドへ渡った日本人俳優
上山草人(かみやま そうじん)も、存在感たっぷりに演じています。
異国情緒たっぷりの
いい意味での「つくりもの臭」がプンプンとただよう
バクダッド王宮の美術セット。
それを背景に、空飛ぶじゅうたんだの、騎馬の大軍だの、
ヘビ使いだの、本物のゴリラやラクダだの。。。この
「これでもか!」感は、まさに歌舞伎!スペクタクルですねぇ。
それを見ながら、活弁という
つまり「話芸」をたのしむんですね。
「和洋せっちゅうエンタメ」の、極上品です。
しかも!フルートとギターのBGM生演奏も入るんです。
見ていると、かつての観客は活弁映画というものに
「芝居小屋」のたのしさそのままに、どっぷり浸っていたんだろうなぁ
というのが、ホントに実感できるんですね。
こじつけかもしれませんが。。。活弁の上映会を
ネットやら何やらで検索して、一度体験なさると
歌舞伎のたのしさも今度見たときに倍増すると思います。
「おんなじような趣向が、じゃんじゃん出てるなぁ。
世界のいずこも同じだなぁ、観客をたのしませようとする熱意・工夫は」
と、うれしくなってきます。
澤登さんの、学士会館での次回の会は
9/1(金)のよる6時30分開演。
グレタ・ガルボが悪女役で一躍スターへとのぼりつめた
「肉体と悪魔」(1927年アメリカ)。
ピアノの生演奏が入ります。
ワインのサービスがついて前売り2500円。当日3000円。
オススメです!