
題は「レイチェルの結婚(原題Rachel Getting Married)」 なのだが、
主人公は結婚するレイチェルではなく、妹のキム。
そのキムを演じたアン・ハサウェイが
アカデミー主演女優賞にノミネートされた作品である。
物語はキムが薬物中毒の更生施設から退院、帰宅するところから始まる。
姉のレイチェルは2日後に結婚を控えて準備に忙しいし、
式を手伝う人々で家中がザワついている。
そんな中でキムは居場所もなく、当然周囲もしっくりこない。
挙句の果てに何かにつけ皆喧嘩腰になってしまい、
祝宴を前に家の中は一触即発に・・・。
と、結婚というハッピーな響きとは間逆に
映画はどんどん混沌とした人間模様を抉り出していくのだ。
監督は、あの「羊たちの沈黙」「フィラデルフィア」のジョナサン・デミ。
本作ではビデオカメラを使用してリハーサル無しという、
いわばドキュメンタリーの如きスリリングさを優先した手法で撮影されていて、
画面の「ざらつき」と登場人物たちの心中の「ざらつき」が重なって
独特な仕上がりになっていた。
さてアン・ハサウェイといえば
「プリティ・プリンセス」「プラダを着た悪魔」新作「Bride Wars」等
いわゆる美人女優の王道を行くイメージをもっていたのだが、
今作はそれを見事に覆すダークサイドを演じており、
アカデミー・ノミネートも頷けた。
しかし、しかしである!
主演女優賞って辛い女性像を演じないと取れないものなんだろうか・・・。
この作品でも「チェンジリング」「愛を読むひと」と同様に
幸せから距離を置かれてしまったヒロインは辛いよねえ、と僕は唸った。
結局は自立するしかないんだよなあ。
4月公開です。