2017年03月26日

BOOK STAND 柳澤健さんが登場!

WEB本の雑誌とのコラボ企画『BOOK STAND』。
毎回、著名人のお気に入りの一冊を伺っています。

今週はノンフィクションライターの柳澤健さん登場です。
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柳澤さんは文藝春秋社の「Number」編集部を経て、2003年に独立。
これまでの著作は『1976年のアントニオ猪木』『1985年のクラッシュ・ギャルズ』『1964年のジャイアント馬場』『1974年のサマークリスマス 〜林美雄とパックインミュージックの時代〜』などがあります。
そして今年出版された最新刊『1984年のUWF』では、初代タイガーマスクの佐山聡や前田日明らが所属していたプロレス団体を徹底取材。
プロレスファンだけでなく格闘技ファンを巻き込んで大きな話題になっています。

今回は柳澤さんが「今の自分をつくった3冊」を紹介してくださいます。
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今夜はその3冊目、柳澤さんの著書『1976年のアントニオ猪木』の解説を書いた海老沢泰久さんのご著書です。

「好き」は伝わる。

今夜ご紹介するのは海老沢泰久、「監督」という作品です。
この作品は現実のプロ野球の監督、ヤクルトスワローズの監督だった広岡達朗さんをモデルに広岡さんが現実世界でやったことを、小説という形で書いてた作品です。
僕は大学時代に草野球チームに入ったりして、結構野球熱があったんですね。
この「監督」という作品をきっかけに、僕がスポーツノンフィクション、スポーツの書き物っていうものに触れるきっかけになったんです。
で、スポーツノンフィクションというか、野球について書いたものはこんなに面白いんだ…!っていうふうに思って。
海老沢さんはNumberノンフィクション賞というのがあって、それの選考委員もされていたので、以前、1度、Numberにいらっしゃったことがあったんですね。
で、その海老沢さんに、「僕すごくファンなんです」と。
海老沢さんは本当にすごいことを・・・、例えば、「広岡さんにあれだけ面白いことを聴けるって、海老沢さんは作家なのにどうしてですか?」って聞いたことがある。周りには野球の記者がたくさんいるわけで、野球記者の方が詳しいわけじゃないですか。そうしたら、「あのね、要するに広岡さんの周りにいる人はね、みんな会社に命じられて来ているんだよ。広岡達朗を好きで来ている人は誰もいないの。仕事で来てるだけだから。広岡達朗は自分のことを本当に好きな人に話を聞かれた経験が殆どない」っていうふうに言っていて、なるほどっていうふうにしみじみ思ったわけ。
「だから柳澤君も自分の好きな人だけに会いに行きなさい。相手はそのことがわかるから」っていうふうに言うわけですよね。
で、僕はその言葉を本当に胸に刻みました。
でも現実問題なかなかそれは難しいけれども、本来、人に話を聞きに行くのは大変なことで、向こうは時間を割いてくれるわけだから。だからそれはもう、

本当に好きな人に会いに行かなきゃだめだ…!

っていうのは、現実がなかなかそればっかりではうまくいかないのは承知ですけど、それは本当に海老沢さんの言葉を胸に刻んだ・・・僕がすごくラッキーだと思うのは、そういう昔自分が衝撃を受けた人となんかの形で仕事が出来ているっていうのは、ものすごくラッキーで、僕にとっての誇りですね。

BOOK BAR staff| 00:40 | カテゴリー:BOOK STAND


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