2017年01月29日

BOOK STAND清水節さんが登場!

WEB本の雑誌とのコラボ企画『BOOK STAND』。
毎回、著名人のお気に入りの一冊を伺っています。

今週からは編集者・映画評論家・クリエイティブディレクターとして活躍する清水節さんの登場です。
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清水さんの著書にはこれまで「スター・ウォーズ学」「いつかギラギラする日 角川春樹の映画革命」などがありますが、近年は映像作品の制作にも深く関わっていらっしゃいます。
清水さんが企画・構成原案・取材を担当したOWOWのドキュメンタリー作品「撮影監督ハリー三村のヒロシマ〜カラーフィルムに残された復興への祈り〜」は昨年の国際エミー賞を受賞。
清水さんもNYで行われた授賞式にタキシード姿で出席されたそうです。
今回は清水節さんが「自分とは何者なのか」について考えさせる本を選んでくれました。
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今週はその1冊目、
今週アカデミー賞8部門ノミネートが発表されたあの映画の原作です。

手前の記憶が新しいものとは限らない。
今夜ご紹介するのは「あなたの人生の物語」えーとですね、作者はテッド・チャンという中国系のアメリカ人ですね。なぜ作品を紹介したいかというと、実は日本だと2017年の5月頃から公開さて「メッセージ」という映画の原作になっています。ただこの作品自体はもっと前の作品でして、短編中編がいくつか集まっているんですが、今日紹介したいのは表題作にもなっている「あなたの人生の物語」という作品です。
これ、ストーリーを紹介するのには構造的に複雑で…簡単に説明を試みますとね、所謂ジャンルとしましてはエイリアンの来訪から始まる…ファーストコンタクトというのかな。軍が彼らとコミュニケーションを撮るためにある女性の、言語学者に依頼に行くんですね。で、この言語学者は要するに彼ら、やってきた者たちと言葉を交わすべく彼らの言語体系を探っていく。これがストーリーの筋です。基本的には。
僕はね、意外と記憶力がよく手ですね、だから昔の映画とか覚えていて、こういう仕事をしているんですけど、いろんな人と話していると本当昔のこと全然覚えていない人もいたりする。じゃあ、古い記憶程遠くにあるかというとそうでもないですよね。多分みんなそうだと思うんですけど、意外とそれ、順序が逆だったりもするし、あるいは等価、等しい位置にあるような感じもするし…なんていうね、自分の過去の記憶に対する想いっていうのを、僕はこの作品を読んでてすごく思い出したんです。
意外と記憶ってそなもんじゃないのかな。自分が何十年か生きてきた中で取り出そうとする記憶って、意外と同じような位置にあって、ばらばらにランダムにあるんじゃないのかな、みたいなことが思うことが常々あったんですね。どうももしかしたらこの作品はそういうことを描いているんじゃないかなってだんだん思ってきたの。つまりね、エイリアンと出会うことによって文明上の何かが変わるわけではなくて、地球上の人間とは異なる文明や価値観や時間の感覚を持った過去や未来そういう観念のないエイリアンと交流することによって、徐々にそれに感化されることによって自分の地球上での現実認識も変わってくるっていうお話なんですよ。

ね、これって最近のSF作品の中ではかなり画期的な価値観の提示、だと思いますよ。

BOOK BAR staff| 00:40 | カテゴリー:BOOK STAND


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