2016年12月11日

BOOK STAND二宮敦人さんが登場!

WEB本の雑誌とのコラボ企画『BOOK STAND』。
毎回、著名人のお気に入りの一冊を伺っています。

今週からは二宮敦人さんが登場。
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二宮さんは1985年生まれ。小説家、特にホラー小説の分野で活躍してきた方ですが、今年の秋に出た新刊「最後の秘境 東京藝大:天才たちのカオスな日常」という
東京藝大の知られざる実態を明らかにしたルポルタージュ作品が大変な人気となり注目されています。
藝大というととてつもない難関校。入試の倍率が高く、4浪、5浪する学生も少なくないそうですが、そんな大変な思いをして入学したにも関わらず、就職率が低いという現実があるそうです。
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今回は二宮敦人さんが「自分の知らない世界を教えてくれた3冊」を紹介してくれます。
今週はその2冊目です。
怖くて面白い伝説の中の真実

今回ご紹介させていただきますのは阿部 謹也さん著の「ハーメルンの笛吹き男―伝説とその世界」という本です。ちくま文庫さんから出ています。ハーメルンの笛吹男という童話があると思うんですけど、実はこのハーメルンの笛吹男、っていう話が史実なんですね。ドイツに実際にハーメルンという街があるんですけども、そこの公的な記録に1284年の6月26日に130人の子供が消えてしまったという記録があるそうなんですよ。このハーメルンの街にはすごく大きな出来事だったらしくて、ハーメルンの街にあるもんとかに「130人消えた日から10年経ってこの門が出来た」とか、そんな記録もちゃんと残ってるんラしいんですね。
そもそもこれが史実だっていうことも結構怖いんですけど、実際何があったのかということは今わからない、ミステリーになっていまして、この本はそれを追うところからスタートするんです。
当時の記録とかを見ていく中でいくつか説がありまして、まずは病害。伝染病とか、その対策として130人子どもを生贄的な儀式に使ったとか、あとはですね少年十字軍みたいな形で別の街に130人連れて行ったと。
あとは変質者が出て130人誘拐していったという説までいろいろあるんですけど…この阿部 謹也さんは社会学の研究家なんですね。中世ヨーロッパのいろんなことを調べている人だと。で、その実際の知識を使ってこのハーメルンの街が当時どういう形だったか、「ここに門があるから、笛吹男と出て行ったのはこの門だろう…」「だったら、この方向にある街を目標にしていったんじゃないか」とか「このハーメルンの街にはこういう富裕層と貧民層がいて、多分貧民層の方が連れていかれた」、とかそういう観点でハーメルンの笛吹男の謎を追いつつ、当時の文化を解説しているような本です。
ちょっと難しめなんですけども、そのこのハーメルンの笛吹男という話が現実に起こってもおかしくないような、幻想的というかこわいというか…リアルに迫ってくる面白い本です。

BOOK BAR staff| 00:40 | カテゴリー:BOOK STAND


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