2016年01月31日

BOOK STAND 落語家の立川吉笑さんが登場!

WEB本の雑誌とのコラボ企画『BOOK STAND』。
毎回、著名人のお気に入りの一冊を伺っています。

今週は落語家の立川吉笑さんが登場。
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吉祥さんは2010年に6代目立川談笑に入門。
入門した当初から新作落語を発表し、
1年半という異例のスピードで二つ目に昇進しました。
これまで創作した新作落語は70を超えるそうです。

昨年12月に発売された立川吉笑さんの最新著書、「現在落語論
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今なおトップセールスを誇る
立川談志が書いた「現代落語論」の発売から50年。
立川談志の孫弟子、吉笑さんがまとめ上げた「落語論」とは?!

今回は、吉笑さんが新作落語のネタ作りの参考に
しているという本を3冊選んでもらいました。

今週はその3冊目です!

数学を考える作業は、自分についてずっと考えること。

森田真生さんの「数学する身体」。
著者のの森田さんは、元々東京大学で数学を勉強された方、
私の1つ年下なので1985年生まれまだお若い方なんですけど
肩書きが独特で「独立研究者」として今、活動されています。
数学の研究をされているんですが、どこかの研究機関とかには
所属せずに京都の山奥にこもって1人で数学を研究しながら
休みの日になったら全国を飛び回って「数学の演奏会」という
数学をまるで音楽の演奏会のようにパフォーマンスをするみたいな
ちょっと変わった経歴の方なんです。
そもそもこの本自体は数学の歴史をずっと辿っていくんですが、
意外と数学というのは身体的な作業であると…
要は体と密接な繋がりがあるというような事が書かれているんです。
確かに面白いし入ってくるんですけれども、自分としては内容と
言うよりかは、文章や文体とうか1つ年下の方なのにどこか
浮世離れをしているような感じがします。
また日本でも有名な数学学者の岡潔さんを尊敬されていて、
岡さんは仏教に精通されている方なんですが、だからなのか仏教的な
悟りの境地みたいな文体なんです。印象的なのは、そんな岡潔さんの言葉で、

何か物事を成し遂げようとしたい時に、一生で無理だったら
二生でも三生でも繰り返したらいいんだよ…

って、いうような言葉があってそんなの聞いてもピンとこないし
だって死んだら終わりじゃんって思うけど、
森田さんは意外にこの事が腑に落ちているというか、
本当にコツコツコツコツなんか着実に、まるで牛歩のように
しっかり制作をされているような感じがして、
同年代なのに自分はもっと有名になりたいとかお金を稼ぎたいとか、
なんかバタバタしているけれど、こういった本を読むとそういった
ざわざわした心がすっと落ち着くみたいな…。
まったく思っていた数学感と違って、例えば森田さんが言うには
「数学者は数学をしながら風景を見ている」と、ある問題を証明する時に
大きな山が前に見えてその山を数学者は、どの道から登ろうかとか
どうやって解こうかを考えている時には、自分の心が出てくると。
数学というのは情緒などはなく機械的な世界のように感じられるんですが、
内面世界にどんどん潜っていくような感じで日々数学を研究している、
みたいなことが書かれていて、意外と数学を考えるという作業は
哲学をやるみたいに自分についてずっと考えるみたいな、なんかそんな事が
書かれている本です。

BOOK BAR staff| 00:30 | カテゴリー:BOOK STAND


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