2015年02月22日

BOOK STAND 速水健朗さん登場!

WEB本の雑誌とのコラボ企画『BOOK STAND』。
毎回、著名人のお気に入りの一冊を伺っています。

今週は編集者/フリーライターの速水健朗さんにお話しを伺いました。
0221OA_速水‗33年後なんとなくクリスタル写真.JPG

速水さんはこれまでメディア論にはじまり、音楽、文学、格闘技まで
幅広い分野で執筆編集活動を行ってきましたが、ここ数年は
『都市と消費とディズニーの夢 ショッピングモーライゼーションの時代』、
『フード左翼とフード右翼 食で分断される日本人』などの
都市と人口移動を軸とした本が話題となっています。

そして最新刊は「すべてのニュースは賞味期限切れである」。
すべてのニュースは賞味期限切れである.jpg
こちらはスタップ細胞捏造事件や、サッカーのワールドカップ、
「笑っていいとも」最終回などの時事問題をTVブロスの編集者
おぐらりゅうじさんと対談した模様が記録されています。

そこで今回は、速水さんの関心の高い都市をテーマにした本を
3冊選んでいただきました。今夜はその2冊目です。

33年の間に女性の生き方が変わった!

田中康夫さんの「33年後のなんとなく、クリスタル」です。
社会現象にもなった1981年に刊行された「なんとなく、クリスタル」の
続編、33年後を綴った話題作。
まさに1980年代、バブルが始まる前の時代どんどん消費社会に入っていく段階で
海外の有名ブランドで全身を固められた生活をしている女子大生が主人公の物語。
この本は、そこから実際33年後に主人公たちがどうなっているのかという…
続編なんです。非常に面白かったんです!33年たっているので主人公たちは
もう50代になっているが相変わらずバブルな生活をしているというか、
代官山の有名レストランからお取り寄せをしたり、女子会をしたり。
非常に面白いのが再会の仕方、Facebookで一気に繋がっていくっていう
今時ありそうなものすごく下世話な話なんですよ。
この下世話さが田中康夫さんの一番のキーポイント!
繋がった後は、またマンションの一室ペントハウスとかでパーティーが始まる。
ただ、会話の中身が海外の音楽の話とかではなく健康問題や老人介護の問題など
みんな青山の高級スーパーに通ってはいるんだけど、青山も高齢化して
今後、人口が減って都会の限界集落ができていくのではないかという話が
ものすごくリアルなんです。

81年に発表された「なんとなく、クリスタル」のヒロイン、由利は
女子大生でモデル、ミュージシャンの彼氏がいた。
そこから33年がたった彼女は、モデルをやめ海外ブランドの広報を経て
現在は独立している。またここで現代っぽいというかさすが田中康夫さん!って
ところなんですが、彼女は社会企業家なんです。
すごく意識が高いことをやっているところがクリスタルなんですよね。
なので「なんとなく、クリスタル」って、言葉自体も大変流行しましたが、
当時は海外ブランド高級ブランドに囲まれることがクリスタルだったのが、
現代では意識が高く社会貢献をすることが、キラキラとしたクリスタル!
モデルで美人でモテる女性が当時の最先端として描かれていましたが、
今はそれだけじゃダメなんだとこの小説では描かれています。
そこらへんのリアリティーが今と当時とでは、物凄く変わったんです。
女性の生き方みたいなものがこの33年で変わったのが凄く印象的に描かれています。

BOOK BAR staff| 00:30 | カテゴリー:BOOK STAND


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