2014年09月13日

BOOK STAND 大野更紗さん登場!

WEB本の雑誌とのコラボ企画『BOOK STAND』。
毎回、著名人がお気に入り一冊から印象的な一行を紹介してくれます。

今週は、作家の大野更紗さんの最終回です。
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大野さんは大学院生のときに民主化運動や人権問題に関心をもち、
勉強していたところ、2008年から自己免疫疾患系の難病にかかり闘病生活がスタート。
ノンフィクション作家の高野秀行さんにメールで相談したことがきっかけで、
闘病日記「困ってるひと」のWEB連載が始まります。
その連載が好評を博し書籍化も実現。20万部を売り上げるヒットを記録しています。
「困ってるひと」は中国や台湾でも翻訳されて話題になっているそうです。
そして、この夏、待望の新刊「シャバはつらいよ」が出ました。
シャバはつらいよ.png

最終回となる今週は、またまた興味深い本を紹介してくれました。

「老人の歴史」

パット セイン、イギリス人の歴史学の女性研究者が著者で、
木下康仁さんが訳している「老人の歴史」という本です。
見た目は、分厚いですが「絵・図版」が230以上入っていて目にもとても
楽しい素晴らしい一冊。
「老人」という人たちが歴史上どのように捉えられ描かれてきたのか?ということを
非常に豊かに描き出している。帯にはスウィフトの「誰もが長生きしたいと切に願う。
しかし、誰 一人として年寄りにはなりたくなかった。」という、
含蓄のある言葉がのってるこれは、たまたま大学の図書館で見つけて、
すごい本だな〜と思って手に取った。

実は「◯◯の歴史」というのは、フォーマットになってる。
歴史学の本のタイトルとして鉄板のフォーマット。
老人というもの、お年寄りというもの、がこんなに多様なことに
感動しながら読んだ。

例えば、いまだったら退職するのって現代の人間には当たり前の事で
誰も疑いもしない。ただこの「退職する」って概念がどこから誕生したのか?
そもそも貧しい労働者はいつ引退したか、それは貧しくて引退なんか
できなかった。徐々に社会保険とか社会制度が登場してきて
引退の概念が世の中に誕生する。
「高齢問題」は、毎日ニュースで見るけど
たまに視点を変えてこのような本を読むのもいいのではないのかな。

私の好きな一行は、

はるか以前、はっきりとしない遠い「過去の時代」には
老年期まで生きた人々は少なかったので、今日とは異なり高齢者は家族から
大事にされ、尊敬され、やさしく支えてもらっていたと話は続く。
本書は老年期の真の歴史を伝えることで、この社会通念に挑戦する。

高齢者の人々がどのように生きてきたかを知る事は、
とってもいい読書体験だと思います。

BOOK BAR staff| 23:38 | カテゴリー:BOOK STAND


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