2014年03月29日

BOOK STAND 太田和彦さん登場!

WEB本の雑誌とのコラボ企画『BOOK STAND』。
毎回、著名人がお気に入り一冊から印象的な一行を紹介してくれます。

今週はグラフィックデザイナーの太田和彦さんが登場。
太田和彦_02.jpg

資生堂時代は写真家の十文字美信さんと組んだ前衛的な広告で注目を浴び、
独立後は椎名誠監督の映画の美術監督を務めるなど、広告の枠を越えた仕事でも
高い評価を得ている巨匠です。
また酒好きが高じて、居酒屋関連の著書も多数あり、
旅チャンネルやBSの番組での居酒屋めぐりもたいへんな人気です。

今夜は、太田さんが言葉を生み出すヒントとなる本から
読んでいて気持ちがいいというフレーズを紹介して下さいます。

制作者も気が付かなった珠玉の言葉

「関根忠郎の映画惹句術」この「惹句」とは「宣伝文句」
「キャッチコピー」とも言いますが、関根忠郎さんという方は、
東映の宣伝部にいて映画のコピーを手掛け、数々の名作を
世に放っている人です。
僕は、化粧品会社でずっと広告を作ってきてコピーライターという
類の人とはたくさん付き合ってきましたが、広告のコピーライター
なんて、やわなもんだね。
その点、映画をヒットさせなきゃいけないという重責を持った人の
コピーの力強さと鷲掴みの迫力は違う。
例えば、任侠映画が終わって実録路線に変わった「仁義なき戦い」


盃は、騙し合いの道具ではなかった筈だ! 広島やくざ抗争、遂にドロ沼へ!

たったこれだけの言葉でも良くわかる。
そして、読んでいても気持ちがいい。

その他、「仁義なき戦い 広島死闘篇」では

殺れい!殺ったれい!拳銃が焼きつくまで撃て!

「殺れい!」(とれい)これは、広島言葉使って大ヒットした。

それから、観客の声を予想して出すこともあるそうです。
それを上手に使うのだけれど。

実録やくざという点に惹かれて観に行ったが、
           これは紛れもなく青春映画の傑作だった(観客の声)

訴えかけるのは「観に来てくれ!」ということだが、制作者の気持ちと違うもは許されない。
まぁ、それは物書きの良心だよね。
でもまたそれを制作者に「それは何ですか?」と、問うのもバカげている。
だからこそ、いろんな所から探っていって制作者も気が付かなかった
珠玉の言葉を生み出す。
深作欣二監督が来て、「関ちゃん(関根忠郎)やっやね!」と、その一言をもらう。
それは難しいことですが、仕事上の良心というか流行ればなんでもいいわけではない。

BOOK BAR staff| 23:36 | カテゴリー:BOOK STAND


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