2014年02月22日

BOOK STAND 真山仁さん登場!

WEB本の雑誌とのコラボ企画『BOOK STAND』。
毎回、著名人がお気に入り一冊から印象的な一行を紹介してくれます。

今週は作家の真山仁さんが登場。

mayama_1.jpg

真山さんといえば、ドラマや映画が大ヒットした「ハゲタカ」シリーズが
有名ですが、杏ちゃんは2011年のBOOK BAR大賞に真山さんの
「コラプティオ」を選んでいました。

コラプティオ.jpg

今夜は、その真山仁さんのお気に入りの本、
そして、お気に入りの一行を紹介してくれました。

一行目が一番大切!

アメリカの小説家、マイクル・コナリーの「真鍮の評決」。
マイクル・コナリーは、アメリカでは知らない人がいないほどの
大ベストセラー作家。
彼は、ボッシュというロス市警の殺人課の刑事を主人公にした
非常にディープでハードボイルドな作品をずっと書いている。
この数年前から新しい登場人物を主人公に書き始めた新シリーズが
「リンカーン弁護士」という作品。
「真鍮の評決」は、この作品の第2弾なんです。
この作品の最大の魅力は、リンカーン弁護士と呼ばれる
ミッキー・ ハラーという主人公。
彼が何故、リンカーン弁護士と呼ばれているかというと
オフィスを持たずリンカーンという車で仕事するから。
そんな彼が一番大事にしていることは、正義ではなくお金。
つまり依頼者に対して「無実」ではなくいかに「無罪」を
勝ち取るのかが彼の仕事。
無実ではなく無罪を勝ち取ってお金儲けをする事に徹底している。

小説家にとって一番大切なのは、最初の一行。
「真鍮の評決」が好きな理由は、もちろん作品全体ではあるが
最初の一行なんです。

「人はみな嘘をつく」

つまり、この小説の中にいるのは自分が助かりたいばかりに嘘をつく人物。
読者は最初、嘘を暴くのが弁護士だからと思う。
最初の一行「人はみな嘘をつく」がなんとなく最後まで残っている。
しかし物語が進むにつれて最初の言葉がいろんな化学反応をおこして
もしかしたらそんな浅い意味ではなくて実は正義の側の人も嘘を
つくのかもしれない。まったく本人は意識してないけど
その人の嘘がものすごく大きな悲劇を生んでいるかもしれない。
読者がどんどん引っかかっている言葉が広く深く化学反応していく。

マイクル・コナリーは、一行目がとても上手な作家。
この一行目がどんな意味を持つのか読み進めていくうちに
たくさんの出来事に引っかっていく。
そういう意味では、これから他の小説を読む際にも一行目を読めば
書き手がどんな知恵を絞っているのかチェックするのによいヒントになる。

真鍮の評決1.jpg

BOOK BAR staff| 23:40 | カテゴリー:BOOK STAND


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