2014年02月15日

BOOK STAND 片桐卓也さん登場!

WEB本の雑誌とのコラボ企画『BOOK STAND』。
毎回、著名人がお気に入り一冊から印象的な一行を紹介してくれます。

今週は、音楽ライターの片桐卓也さんが登場。
stand_katagiri.jpg
クラシック音楽の造詣に詳しい片桐さんは、
「クラシックの音楽祭がなぜ100万人を集めたのか〜ラ・フォル・ジュルネの奇跡〜」
などの本も書かれている方です。
クラシックの音楽祭がなぜ100万人を集めたのか.jpg

今夜は、片桐さんが戦後まもない頃に書かれた日本文学を紹介してくれます。


若者のフワフワとした空気感

わりと早く亡くなった方の短編小説が好き。
例えば、戦後に登場した作家、山川方夫さんの短編小説
「安南の王子」安南とは、今のベトナムの事。
戦後のある一時期に遊び仲間達がいてその中に
スラリとした美少年がいた。
その少年の事を仲間内で「安南の王子」と呼んでいた。
だけどあるパーティーに行った帰りその王子が急に消えてします。
次の朝に亡くなっていたことが分かる・・・。
というお話なんですが、これは山川さんが21、22歳で書かれた。
戦争が終わって世の中がまだざわざわしている時の若者達の
なんんかフワフワしている感じがすごく良く描かれている。
これは今の方にもおすすめです。

そのフワフワした感じを表した部分

「かく彼らの毎日は、雲を踏むようにたわい無く楽しく
ばかげていた。繰り返して言うがそれは彼らが酩酊した為ではなく、
彼らが自我のない幻影に化していた為なのであった。」

フワフワとした若者達の集団って、どういう論理とか
どんな理由かは分からないまま、皆動き集まる。
そして、そこに居心地の良さを見つける。という表現だと
思うんですが、そんなところがぴったりしているように感じる。
ある種、映画のような突然クライマックスがきてぱっと終わる
そんな映画のような部分がある。

BOOK BAR staff| 23:39 | カテゴリー:BOOK STAND


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