2014年02月08日

BOOK STAND 片桐卓也さん登場!

WEB本の雑誌とのコラボ企画『BOOK STAND』。
毎回、著名人がお気に入り一冊から印象的な一行を紹介してくれます。

今週は、音楽ライターの片桐卓也さんが登場。
stand_katagiri.jpg
クラシック音楽の造詣に詳しい片桐さんは、
「クラシックの音楽祭がなぜ100万人を集めたのか〜ラ・フォル・ジュルネの奇跡〜」
などの本も書かれている方です。
クラシックの音楽祭がなぜ100万人を集めたのか.jpg

今夜は、尊敬する大先輩の本を紹介してくれます。

それ以外のものにも通じる有用な言葉!

僕は、クラッシック音楽の原稿を書いて食べているので、
どうしてもそこの所を多く読んでいます。
その中で触れずにはいられない方が吉田秀和さんという評論家です。
2012年にお亡くなりになったんですが、1913年生まれなので
2013年まで、もし生きていらしたら100才の音楽評論家。
まさに日本の音楽評論の草分け的存在。
吉田さんは、クラシック音楽の評論だけではなく絵画の評論も
たくさん書かれていた。最初の頃に書かれていたものの中で、
パウル・クレーというスイスの画家の絵について書いた
文章がありまして、これがかなり面白い。
例えば、クレーの「天使の絵」がどのように描かれたのかを
論理的に推理している。この作品は、ほとんど線で描かれた絵なんですが
どういう順番で描かれたかを推理し自身で後付ていく。
そうすることでクレーの絵の構造がわかる。
それは、結局音楽の時もやられている手法。
論理的に突き詰めながらも非常に柔らかい文章で書かれている。
そこら辺は、太刀打ち出来ない!
クレーの「天使の絵」の分析の最後にこんなフレーズがある


「彼の美しい言葉を借りれば、
芸術は見えるものを再現するのではなく、見えるようにする行為なのである」

これはクレーの絵を分析しながら吉田さんご自身がたどり着いた結論でもある。

これって、ひとつの芸術ジャンルに当てはめる言葉ではなく
音楽もそうだし、映画や写真、それ以外のものにも通じる有用な言葉と感じる。

BOOK BAR staff| 23:37 | カテゴリー:BOOK STAND


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