番組審議会

林 和男 氏〔委員長〕

ぴあ(株)相談役Co-founder

番組検証の鋭さ、深さに定評。J-WAVEのスーパーアドバイザー的存在。

阿川 佐和子 氏〔委員〕

文筆家

「ああ言えばこう食う」(集英社)、「ウメ子」(小学館)等著書多数。第15回講談社エッセイ賞他受賞。雑誌、テレビ司会、CM等でも活躍中。
当審議会のムードメーカー。

奥貫 薫 氏〔委員〕

女優

CMやドラマで幅広く活躍中。女優としての光る感性に期待!

平野 啓一郎 氏〔委員〕

作家

1975 年、愛知県生まれ。京都大学法学部卒。同大在学中の1998 年、『日蝕』でデビュー。同作が第120 回芥川賞を受賞する。2009 年、『決壊』で平成20年度芸術選奨文部科学大臣賞、『ドーン』で第 19 回Bunkamura ドゥマゴ文学賞を受賞。

福岡 伸一 氏〔委員〕

青山学院大学理工学部 化学・生命科学科教授 分子生物学専攻

専門分野で論文を発表するかたわら、一般向け著作・翻訳も手がける。
分子生物学者としての鋭い視点で番組を検証

水野 学 氏〔委員〕

クリエイティブディレクター、good design comany代表、
慶應義塾大学特別招聘准教授

1998年good design company設立。ゼロからのブランドづくりをはじめ、ロゴ制作、商品企画、パッケージデザイン、インテリアデザイン、コンサルティングまでをトータルに手がける。主な著作に『「売る」から「売れる」へ』『センスは知識からはじまる』他。

佐藤 尚之 氏〔委員〕

株式会社ツナグ代表、株式会社4th代表、公益社団法人「助けあいジャパン」 代表
国際交流基金 理事、復興庁 政策参与

1961年、東京都生まれ。コミュニケーション・ディレクターとして多方面で活躍。著書には「明日の広告」「明日のコミュニケーション」など。
通称「さとなお」として活動している食や旅のエッセイも人気。

【3月開催・第290回番組審議会報告】

第290回番組審議会の概要は下記の通りです。

1. 日時

平成30年3月16日(金)10:00〜11:00

2.開催場所

株式会社J-WAVE33階 第1会議室

3.委員の出席

委員の総数:7名
出席委員数:5名
書面出席委員数:2名
出席委員:林和男 委員長 / 阿川佐和子 委員 / 奥貫薫 委員 / 佐藤尚之 委員 / 水野学 委員
書面出席委員:平野啓一郎 委員 / 福岡伸一 委員
局側出席者:代表取締役社長 中岡壮生 / 代表取締役専務 宮本英延 / 編成局長 神田竜也 / 編成局制作部長 宇治啓之
事務局:事務局長 高知尾綾子 / 事務局員 川上智美

4. 議題

「J-WAVE SELECTION WAGNER PROJECT ~9日間のラップの学校~」(平成30年2月4日(日)22:00~22:54 放送回)

5. 番組内容

J-WAVE SELECTIONは毎週日曜日の夜に週替わりで様々な内容の番組を放送しています。毎月第3日曜日は東日本大震災の被災地を取材する「Hitachi Systems HEART TO HEART」、最終週はウエブマガジンや実店舗とのメディアミックスによる情報発信プロジェクト「Jeep CREATIVE GARAGE」をオンエアし、その他の週は毎回違ったテーマの特別番組を放送しています。

<今回の内容>

2017年10月20日から28日の9日間にわたりKAAT神奈川芸術劇場で上演された表現の可能性を追求するプロジェクト「ワーグナー・プロジェクト-ニュルンベルクのマイスタージンガー」を特集しました。
創作ユニットPort Bを率いて、これまでも演劇の枠組みを飛び出し様々な表現活動を行ってきた高山明にこの作品は、ワーグナーが1867年に創作した歌合戦から芸術が生まれる過程を描いたオペラ「ニュルンベルクのマイスタージンガー」を基に、歌合戦をラップバトルに置き換え、筋書きのある演劇ではなく、リアルな学校として上演。そこには一般から募集してオーディションを通過した「ワーグナー・クルー」が9日間にわたって生徒として参加し、演出家、ラッパー、詩人などが講師となるワークショップが行われたのち、9日目にMCバトルを開催、その結果は上演するまでわからないという予定不調和のプロジェクトです。
そしてその9日間を一般の観客は、一緒にワークショップに参加しながら、また、ラッパーのライブを観賞しながら、学びの過程を目撃することができます。
9日間のプロジェクトの上演は、ワークショップとLIVEで構成され、ここで語られるワークショップの内容は講師に、ワークショップで何を学ぶかは「ワーグナークルー」に託されています。つまりこのプロジェクトは結末の見えない中でスタートした実験のようにも思えます。最終的なアウトプットはラップバトルになっていますが、それはあくまで方法にすぎず、そこで学ぶものは「表現すること」にほかなりません。
番組では、このプロジェクトを通して、今を生きるわたしたちにとって表現とは何か、表現はなぜ必要か、表現を学ぶことはできるかという根本的な問題を考えて行きました。
「ワーグナー・クルー」として参加したのは、高校生、大学生、そして社会人など様々な背景をもった18人。彼らは「ラップ」の技術もさることながら、ラップによって、自らを表現することをこの場で学んでいきます。番組では、このプロジェクトを通して見えてくる「表現とは何か」「表現を学ぶとはどういうことか」を「ワーグナープロジェクト」での講義の音源、参加者や講師のインタビューなどを交えて探っていきます。

6. 議事内容

≪ 「放送番組基準」はこちら ≫

<<放送法に照らしてのご指摘・ご意見>>
放送法に照らしてのご指摘・ご意見はありませんでした。

委員の皆様からいただきましたご意見をご紹介します。

芸術祭の現場に密着取材して主催者や出演者の声を拾ってくる、という今回の企画はドキュメンタリー的な手法でなかなかよいと思います。スタジオにゲストを呼んで話を聞くという形式より、深みがあり、丁寧な仕事がしてあると感じました。

番組内容がとても面白かったです。ナレーションも落ち着いていて、丁寧で、抑揚がなさ過ぎると感じる人もあるかと思いますが、心地良く聴けました。

ゲストの方々が、非常に中身のある話をされていて、聞き応えがありました。
ワーグナーとラップの組みあわせという、元々のプロジェクト自体が興味深く、番組としてこれを取り上げたセンスに感心しました。高山明さんのお話は、オリンピックと絡めつつ、そのポジティヴな側面とネガティヴな側面両方への目配りが行き届いていて、バランスの取れた良い内容でした。

内容はとても難しかったですが、J-WAVE視点で考えると、新聞でも難しい社説があることで信用度やメディア価値が上がることを考えると、こういう番組があることで、J-WAVEのメディア価値としては上がると感じます。

J-WAVEがこういった企画にチャレンジする姿勢は評価できると思うが、内容がわかりづらかったです。

高山明さんやGOMESS(ゴメス)さんの言葉は心にのこりましたが、何を縦軸に番組を聞いてよいかがわからなかったです。1時間の中にたくさんの人の言葉をつめこみすぎていると思いました。これが2時間番組だったらもっと理解もしやすかったのではないでしょうか。

せっかくワーグナーを下敷きにしているならもっとワーグナーをいっぱい聞かせてほしかったです。そしてこの祝祭的高揚感がいかに巧みにナチス・ドイツに利用されたかをもう少し掘り下げて、新・東京オリンピックや新・大阪万博を国家的に盛り上げようとする機運を批判的に考察してほしかったです。

ワーグナーやマイスタージンガーについて知らない人も多いと思うので、その前提を大事に、番組作りをするべきだと思います。番組の途中で迷子になってしまった感がするので、一回でこの番組を理解するのは難しいと思います。

肝心のプロジェクトの全体像が、ライブの音源から伝わりにくかったです。コンセプトはよく分かったのですが、聞こえてくる音源からマイスタージンガーとの関わりを感じ取るのは難しかったです。

複雑な言い回しや表現が多くてわかりづらいと感じました。芸術はもっと身近であるべきで、もう少し聴いている人が簡単に楽しめる番組にしたほうがよかったのではないでしょうか。

録音の状況が悪くて聴きとりづらい箇所がありました。

DJ AIKOさんが実際にこのプロジェクトに足を運んで、実際の感想を伝える場面が必要だったのではないでしょうか。

高山明さんの活動をラジオ番組で伝えるのは難しいとは思うのですが、番組の構成をもう少し工夫するとわかりやすくなったのではないでしょうか。

全体的にわからないまま終わった感じがします。わからないからもっと知りたいという気持ちより、内容においてきぼりにされ、反感すら感じました。

ラップの言葉は聞こえづらく内容が入ってきませんでした。どれがよいのか悪いのかもわかりませんでした。

【2月開催・第289回番組審議会報告】

第289回番組審議会の概要は下記の通りです。

1. 日時

平成30年2月9日(金)10:00〜11:00

2.開催場所

株式会社J-WAVE33階 第1会議室

3.委員の出席

委員の総数:7名
出席委員数:4名
書面出席委員数:2名
出席委員:林和男 委員長 / 阿川佐和子 委員 / 奥貫薫 委員 / 水野学 委員
書面出席委員:佐藤尚之 委員 / 福岡伸一 委員
局側出席者:代表取締役社長 中岡壮生 / 代表取締役専務 宮本英延 / 編成局長 神田竜也 / 編成局制作部長 宇治啓之
事務局:事務局長 高知尾綾子 / 事務局員 川上智美

4. 議題

「INNOVATION WORLD」(平成29年12月29日(金)22:00~22:55 放送回)

5. 番組内容

<はじめに>

J-WAVEでは、2015年より「INNOVATION WORLD」というプロジェクトをスタートしました。様々なアイディアやテクノロジーを持った個人・ベンチャー企業に光を当て、次のイノベーションを起こしていく新しい取り組みで、ラジオ番組だけでなくイベントやライフスタイルの創造も視野に入れた複合型のプロジェクトです。
番組とも連動した大型イベントとして、2016年に初めて筑波大学と共催で、G7科学技術大臣会合プレイベントとしたテクノロジーと音楽の祭典「INNOVATION WORLD FESTA 2016」を開催しました。日本を代表する各界のイノベーター、アーティスト、最先端技術を駆使したベンチャー企業が集結し注目を集めました。2017年には、宇宙研究のJAXA、海洋研究のJAMSTEC、文部科学省なども参画した産学官連携のイベントとして第二回目を開催。2018年は、六本木ヒルズにて2日間に拡大し開催する予定です。

<番組内容>

今回審議して頂くのは、上記でご説明したプロジェクトの一角となるラジオ番組「INNOVATION WORLD」です。番組では、各界を代表するイノベーター、クリエイター、ベンチャー起業家をゲストに迎えて、AI、IoT、AR、VR、フィンテック、ブロックチェーン、ロボティクスなど、最新テクノロジーが創るワクワクする未来を、ナビゲーターの川田十夢(AR三兄弟 長男)が探っていきます。
番組では、2017年8月に史上初となるIBMのWatson を使って開発したラジオ版AIアシスタント「Tommy(トミー)」を誕生させました。Tommyは番組にレギュラー出演しており、膨大な楽曲データを学習して、選曲、また、ゲストの性格診断などを行っています。今後もWEBで話題のニュースやワード等を読み解きヒットや流行を予測するなど、AIの機能を活かした企画を順次実施していく予定です。

<今回の内容>※12月29日(金)放送回

ゲストに日本を代表する映画監督の山崎貴さんを迎えて「VFXのイノベーション」をテーマにお届けしました。山崎貴監督は「ALWAYS 三丁目の夕日」、「DESTINY 鎌倉ものがたり」等の作品で知られ、2020年の東京五輪の演出メンバーにも選出されています。監督、脚本、そして特殊映像を作りだすVFX(ビジュアル・エフェクツ)まで手掛けるデジタルクリエイターでもあります。山崎監督が映画ビジネスの裏側からAIによる映画制作の話まで、これから起こるかもしれない映画のイノベーションについて語りました。

6. 議事内容

≪ 「放送番組基準」はこちら ≫

<<放送法に照らしてのご指摘・ご意見>>
放送法に照らしてのご指摘・ご意見はありませんでした。

委員の皆様からいただきましたご意見をご紹介します。

よい意味で、「不親切」な番組だとおもいました。何の背景説明もなく、テクノロジー用語が出てきますが、ひとつひとつきちんと理解することばかりがよい放送ではなく、「全然わからなかったけど、格好いいな」と思わせる、こういう番組があってもよいと思います。

テクノロジー業界のカタカナ用語で飾り立てた上滑りの内容でなければよいが、と危惧して聞き始めたのですが、なかなかしっかりと議論が揉まれていてよかったのではないかと感じました。それは、ゲストの山崎貴監督が、しっかりと番組のテーマを捉え、わかりやすい言葉で翻訳してくれたおかげだと思います。

山崎監督が、イノベーターのプレゼンを、ディープラーニングAIは大脳的、この人がやろうとしている機会制御AIは小脳的、と瞬時に図式化した「筋力」はさすがでした。

とてもついていけないと思いましたが、2回聞いたらどんどん引きこまれていきました。

テクノロジー用語はわからない言葉も多かったですが、こういう言葉はそのときわからなくても何度か耳にするうちに立体的になっていくものなので、マニアックになりすぎている感じはしませんでした。

わからない人にむけて作るのではなく、情報がもっとほしい人に向けての番組と理解しました。ただわからない人のためのウエブサイトなどを局として準備したほうがよいと思います。

ITリテラシーを高めるための入り口となる番組になっていると思います。

テクノロジーの話が主体なので、リスナーがちょっと消化不良になりそうなところも散見されました。そのあたりはもう少し丁寧な語りが必要だったのではないかと思います。たとえば、後半の川田さんの語りの中に出てきた、ポリゴン映え、グーグルが単語プロジェクトを中止したこと、3Dで床面を認識する技術などがわかりにくいと感じました。

山崎監督と川田十夢さんが話し方が似ているせいなのかどちらが話しているかわからないことがありました。

Tommyの選曲のコーナーについて、いろいろな感情についての音楽をAIに聞くというのは、とてもおもしろいと思いました。ぴったり合っているという感じでもないところがまたかわいらしい感じがしました。

AIを使ってのミュージック・シェアのコーナーは、AIスピーカーが普及しはじめた中、この試みが別に新しく思えなかったのは残念でした。

1時間の中に2つのコーナーが続いていて、流れがわかりづらかったです。コーナーをうまくつなげる工夫が必要だと思います。